運命の番は後天性Ω

yun.

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自信とαの威圧

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「慧にいって、お父さんと、わたしと、快にいがαで、お母さんはΩでしょ?だから、βの自分に引け目を感じてた。だからこそ、毎日毎日ハードスケジュールで、いろんな努力をしてきたの。この間、須藤さんとお付き合いしたいって、話しを慧にいから、家族みんなに話してくれたんだけど・・・そのときも、ねぇ?快にい。」


「ああ。自信なさげだったな。」


「"お付き合いしたい。結婚も考えてる。"ってところまでは、よかったんだけど、その後慧にいったら、"僕は、なんだけど"って言うんだよ?告白までするくせに、慧にいにこんなこと言わせるやつなんて!って、ついつい思っちゃったんです。」  


「え”っ!?そうなの?俺は、”結婚前提に”って言ってあったのに・・・?」


「え!?そうなんですか!?」


「慧兄ちゃん、どういうこと・・・?」


「うう”っ。・・・・・」


「慧くん、俺も聞きたいな?なんで、そうなったのかなあ?」


ピクピクと慧くんの頬が引きつっている。
俺の顔、今そんなに怖いのか・・・?
うん?あっ、αの威圧感か!
βはあまり分からないが、Ωにはすぐ分かる。
なれていない慧くんが、αの3人分の威圧を受けて正常でいられるわけない!


「ストップ!!快、凛、須藤さん。慧の顔見てごらんなさい。」


そのことに気づいたと同時に、慧くんのお母さんからストップがかかった。
慧くんの顔を改めて冷静になって見てみると、顔は青ざめ、身体は震えていた。


「はあ・・・家族だから、運命だから、なんでって気持ちも、分かるけどね?慧は、もともとβだったのよ。αの威圧には、慣れていない。それに、Ωになっても、αの威圧は怖いものよ。ちょっと気を付けて自制してくれないと、慧が潰れちゃうわ。せっかく、Ωになる決意をしても、トラウマになってしまうわよ。こんなんじゃ、3人の誰にも慧は任せられないわ。」


お母さんは慧くんを抱きしめ、慧くんの背中をさすっている。
お母さんに顔をうずめているから、顔は見えないけど、震えているのがわかる。
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