運命の番は後天性Ω

yun.

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また失敗した

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慧くんの弟、快くんに言われて、ハッと気づいた。
そうだ。
私は須藤グループの三男だ。
いつもを全面に出さないから、すっかりとそんな懸念を見落としてしまった。
両親は、須藤グループの社長と、その副社長。

恨まれる・・・というか、ねたまれることも多く、敵となる会社もあるのだ。


三男だから、全く別の会社で、全く別の分野の事業をしているからって、ねたまれないとは限らない。
私はαだし、α数値も高い。だから、何も考えず好き勝手してきた。

けど、これからはもっともっと、熟考して、しまくって、慧くんに何があっても害がないようにしないといけない。
慧くんを失ったら、私は生きていけないだろう。


出発前に少し2人にしてもらった。
さっきのことを、どうしてもわびたかったのだ。


快くんになぜダメなのか説明されて、それを想像したのだろう。
そのとき慧くんは、自分では気づいていないようだったが、目が潤み、身体は震えていた。
想像して、怖い思いをしたのだろう。
そして私は、そんなことになるまで、気づかなかった。
これは、私のミスだ。


確かに浮かれているのかもしれない。
だけど、そのスキに慧くんを傷つけられたら・・・
そのスキにもし、慧くんを失ってしまったら・・・
俺はたぶん、生きてはいけないだろう。
そう思うと、自分が許せなかった。


「慧くん、怖い思いをさせてしまって、ごめんね・・・」


「えっ!?一慶さん?僕は、まだ怖い思いをしていないですよ?」


「さっき、快くんに言われるまで、あんな危険なことに気づかなかったんだっ・・・」


慧くんがそっと手を伸ばし、おれの頬を撫でる。


「さっき・・・快くんに言われて想像しちゃったでしょ?身体、震えてた。目もうるんでた。想像だとしても、怖い思いをさせてしまった。俺は・・・気づかなかった自分も、怖い思いをさせた自分も、どちらの自分も許せないっ」


慧くんは、頬を撫でていた手を、俺の頭へ移動させ、また撫でる。


「ふふっ、僕は許しますよ。というか、僕は怒っていませんよ。完璧なだけじゃない、人間味があって、そんな一慶さんも僕は好きですよ。けど、今回ばかりは、快たちに感謝ですね。まだ現実にはなっていませんから。」


「慧くん・・・ありがとう。そうだね。今度は、失敗しないからっ」

そう言って、きつく慧くんを抱きしめた。
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