運命の番は後天性Ω

yun.

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ヒート編

慧くんのお友達と、お迎え

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「もしもし!?あの、今の会話聞こえてましたか!?」


「ああ、はい。」


「あ、僕はなかむー、じゃなくて・・・慧さんの幼馴染で、Ωの安川 棗やすかわ なつめと言います。大学で、慧さんがヒートの前兆みたいな様子が見れたので、講義を抜け出してきたんですけど、この調子でっ。Ωタクシーをいまから呼んで、実家に連れて行こうとしている途中なんです。あっ、なかむーダメ!フラフラしないで!あっ!そっち行かない!」


お友達の安川さんは、ヒート前症候群の症状で、フラフラする慧くんに手をこまねいているようだ。


「安川さん、ありがとうございます。正式に挨拶がしたいのですが、それはまた今度させてください。今から、15分ほどで大学に着きますので、それまで慧くんをお願いできませんか!?」


「それは、もちろんです!ありがとうございます!助かります!大学のΩ休憩室にいますので、着いたらまた慧くんに電話ください。Ω以外は入棟不可なので、僕が入口まで慧くんを連れてきますので!」


「いや、こちらこそありがとう。助かります。では、また電話します!」


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「紫苑!すぐに出る!急ぎはもうないな!?」


「はい、社長。来月の分まで先取りして、仕事を終わらせてくれてましたから、2週間くらい大丈夫です。送ります。大学、お迎えに行くんでしょう?」


「ああ。・・・・・いや、大丈夫だ。」


「なに言ってるんですか!あなたその状態で、車の運転できると思っているんですか!?」

と言われ、手を見てみればおかしなほど震えているのだ。
動揺している、のだろうか。
さすがにこの状態では、運転はできまい。
眉を下げながら、紫苑に頼んだ。

「すまない、頼む。」


「もちろんです。さ、急ぎますよ!」

出来る秘書の紫苑は、俺が電話している間に、部下に頼み、裏口に車を回させていたようだ。
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