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あなたが寝てる間に2
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病院に戻ってもらい、エミさんの様子をお母さんに聞く。
病室に移ったけどまだ目を覚まさない。
私を突き飛ばしたときに果物ナイフが胸部に刺さったらしく走ってきた勢いと身重の体重で
女性の力とは思えないほどの力が加わり、突き抜けそうになって失血が酷くなったらしい。
ただ、唯一の救いは、肋骨があたり心臓ではなく肺に刺さったという事と、動脈や静脈は反れていたこと
で生命の維持に必要な機能はある程度生きていたことだった。
ただ、これが設備の整った病院での事件だったためすぐに救命できたが、路上で襲われていたら
命は失われていただろうとの担当医の見解だった。
ただ、手術は成功したといえどもまだ予断を許さない状況には変わりないそうだ。
高齢の女性が手術に耐えられただけでも奇跡だと言ってた。
おばあちゃんはエミさんの傍でずっとエミさんの手を握りしめている。
仲良しだったから想像できないくらいの辛さだろう。
病室には、タカシさんとアヤ、マサキさんも残ってくれていて警察から帰ってくるのを
待ってくれていたようだ。
「警察、どうだった?」
マサキさんは青白い顔で腕に止血バンドを嵌めながらペットボトルを持っている。
沢山血を抜いたから、水分を取らないといけないということらしい。
「簡単な聴取で終わった。逮捕されたあいちゃんの証言から嘘がぼろぼろ出てきたって。こっちは話の整合性があったんですぐに開放してくれたよ。マサキさんこそ、ずいぶん青い顔だけど平気?」
ふらついて見えたのですごく心配になった。
「大丈夫大丈夫。これでも昔は血の気が多かったんだからちょっとくらい抜かれても影響ないって」
と、青い顔のマサキさんではなく、横にいたタカシさんが代わりに答えた。
「おい、お前が言うな!」と、タカシさんをこつんと小突いていた。
その様子がおかしくてみんなで笑った。
「そうだタカシ、例の男の件、どうなった?」
アヤメさんが話を切り替えてタカシさんに聞く。
「ああ、アヤメさんの睨んだ通り、雲隠れしていたのは新しい女のところでした」
アヤメさんは、情報通のタカシさんにあいちゃんの身辺調査をさせていた。
その結果、あいちゃんが取引先の既婚男性にまで手を出していて、おなかの子供はその男の可能性が高いらしい。その男が奥さんのコネで就職していたから浮気がバレると会社での居場所がなくなる、その上子供まで作ったとなると身の破滅だと行方が分からなくなっていたらしい。
奥さんの方には、おなかの子供がご主人の可能性が高いので子供をどうするか、愛人のあいちゃんと相談してくださいと話を振ったけど、奥さんからは、好きにしてくれて構わない。もうすぐ離婚協議に入ると連絡が来た。
そこで、タカシさんの人脈を使って探し当てたのが最低男の新しい彼女の家だったらしい。
とりあえず、こちらの方針が決まるまでは場所を把握しつつ放置するってことで決定しているそう。
あいちゃんの自業自得とはいえ、お腹の子供が哀れだ。
生まれてきたら誰からも愛されない子供だし、産まない選択をしたとしても父親が同意しないと堕胎も出来ない。もうすぐ安全に堕胎できるタイムリミットが来る。どうするにせよ、父親がいないとどうにもならない。下衆だ。
エミさんは、昏々と眠り続けている。
おばあちゃんが話しかけても、お母さんが話しかけても、瞼ひとつ動かない。
時折なにか口が動くけど言葉が聞き取れない。
誰かを呼んでいるんだろうか。
「おばあちゃん、エミさんって誰か会いたい人っているのかなぁ?」
その人に声をかけてもらったらもしかしたら目が覚めるんじゃないだろうか。
「そうねぇ。長年一緒に暮らしていた、家政婦さんなら何か知らないかしら。住み込みですごく仲良くしていたそうだから」
タカシさんにエミさんのところの家政婦さんのことを尋ねると、家の事情で辞めたとしか聞いていなかったようだ。情報通のタカシさんでもわからないってある意味ミステリアスな人だなぁ。
どうにかして探せないかなぁ。
病室に移ったけどまだ目を覚まさない。
私を突き飛ばしたときに果物ナイフが胸部に刺さったらしく走ってきた勢いと身重の体重で
女性の力とは思えないほどの力が加わり、突き抜けそうになって失血が酷くなったらしい。
ただ、唯一の救いは、肋骨があたり心臓ではなく肺に刺さったという事と、動脈や静脈は反れていたこと
で生命の維持に必要な機能はある程度生きていたことだった。
ただ、これが設備の整った病院での事件だったためすぐに救命できたが、路上で襲われていたら
命は失われていただろうとの担当医の見解だった。
ただ、手術は成功したといえどもまだ予断を許さない状況には変わりないそうだ。
高齢の女性が手術に耐えられただけでも奇跡だと言ってた。
おばあちゃんはエミさんの傍でずっとエミさんの手を握りしめている。
仲良しだったから想像できないくらいの辛さだろう。
病室には、タカシさんとアヤ、マサキさんも残ってくれていて警察から帰ってくるのを
待ってくれていたようだ。
「警察、どうだった?」
マサキさんは青白い顔で腕に止血バンドを嵌めながらペットボトルを持っている。
沢山血を抜いたから、水分を取らないといけないということらしい。
「簡単な聴取で終わった。逮捕されたあいちゃんの証言から嘘がぼろぼろ出てきたって。こっちは話の整合性があったんですぐに開放してくれたよ。マサキさんこそ、ずいぶん青い顔だけど平気?」
ふらついて見えたのですごく心配になった。
「大丈夫大丈夫。これでも昔は血の気が多かったんだからちょっとくらい抜かれても影響ないって」
と、青い顔のマサキさんではなく、横にいたタカシさんが代わりに答えた。
「おい、お前が言うな!」と、タカシさんをこつんと小突いていた。
その様子がおかしくてみんなで笑った。
「そうだタカシ、例の男の件、どうなった?」
アヤメさんが話を切り替えてタカシさんに聞く。
「ああ、アヤメさんの睨んだ通り、雲隠れしていたのは新しい女のところでした」
アヤメさんは、情報通のタカシさんにあいちゃんの身辺調査をさせていた。
その結果、あいちゃんが取引先の既婚男性にまで手を出していて、おなかの子供はその男の可能性が高いらしい。その男が奥さんのコネで就職していたから浮気がバレると会社での居場所がなくなる、その上子供まで作ったとなると身の破滅だと行方が分からなくなっていたらしい。
奥さんの方には、おなかの子供がご主人の可能性が高いので子供をどうするか、愛人のあいちゃんと相談してくださいと話を振ったけど、奥さんからは、好きにしてくれて構わない。もうすぐ離婚協議に入ると連絡が来た。
そこで、タカシさんの人脈を使って探し当てたのが最低男の新しい彼女の家だったらしい。
とりあえず、こちらの方針が決まるまでは場所を把握しつつ放置するってことで決定しているそう。
あいちゃんの自業自得とはいえ、お腹の子供が哀れだ。
生まれてきたら誰からも愛されない子供だし、産まない選択をしたとしても父親が同意しないと堕胎も出来ない。もうすぐ安全に堕胎できるタイムリミットが来る。どうするにせよ、父親がいないとどうにもならない。下衆だ。
エミさんは、昏々と眠り続けている。
おばあちゃんが話しかけても、お母さんが話しかけても、瞼ひとつ動かない。
時折なにか口が動くけど言葉が聞き取れない。
誰かを呼んでいるんだろうか。
「おばあちゃん、エミさんって誰か会いたい人っているのかなぁ?」
その人に声をかけてもらったらもしかしたら目が覚めるんじゃないだろうか。
「そうねぇ。長年一緒に暮らしていた、家政婦さんなら何か知らないかしら。住み込みですごく仲良くしていたそうだから」
タカシさんにエミさんのところの家政婦さんのことを尋ねると、家の事情で辞めたとしか聞いていなかったようだ。情報通のタカシさんでもわからないってある意味ミステリアスな人だなぁ。
どうにかして探せないかなぁ。
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