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サンデウロ大陸編
1041話 道
しおりを挟む「俺らとは全く反対な生き方をしてるんだな。」
「俺らときたら大義や任侠道、そういうので生きているやつらだ。」
「お前が羨ましくも感じなくもないな。」
「俺はマサムネさんたちの生き方の方が真っ当で憧れを抱きますね。一本筋が通っていて、そこに関しては絶対に貫き通す意思は流石の一言です。」
「そうでもねぇだろ。」
「え?」
「翔だって大して変わりゃしねぇさ。」
「迫害されていた人達を助けて、神族と革命軍の進行を止め、おまけに国を作って、奴隷だったやつらを自らの足で立たせて歩かせた
。」
「並大抵の天才じゃここまではできない。」
「それに比べてみて俺らはどうだ?」
「自分たちの国だけに目をやって、そこで魔物を狩るか屋敷にいるかの生活だ。翔の方が全然立派じゃねぇか。」
「ってまあ、自らを卑下して互いを褒めあってても埒が明かないな。」
「俺らも俺らで誇りを持って、これが正しいと思い前に進んでいる。」
「まあ、翔も自分を信じろ。お前がやってきたことが最善でなかったとしても、確実に正しかっただろうよ。」
「物事、小事より大事は発するものなり。
油断すべからず。互いにこれから精進しようではないか。」
「そうですね。」
マサムネとはそこで別れ、翔は刀を取りに行った。
「(少しばかり早かっただろうか。)」
そんなことを思いながら、翔はおじいさん所へともどった。
ガラガラ
「ちっ、小僧。憎いやつじゃな。」
「え?なんのことですか?」
「ええい、こっちの話じゃ。」
「出来ましたか?」
「今、ちょうど出来たところじゃ。」
パッ
おじいさんは翔に刀を渡した。
シャッ
鞘から出したその刀は翔が今までに見たことの無い刀だった。
「これは、なんと表現したらいいのか.....。」
翔の語彙でも説明のしょうがないほどに美しかったのである。
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