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1話 ギルド追放
しおりを挟む「お前はクビだ。」
「おお、わかった。じゃあな。」
俺はナオト。見たもの触れたもの情報を知ることが出来るスキル【鑑定】を持っている18歳の男だ。
5年間所属していた最高位のSランクギルドの『金色の龍』をクビになった。
非戦闘系の【鑑定】は現場では活動できないため、先日、就任した現場主義のギルド長にはギルドでそこそこ幅をきかせていた俺が気に食わなかったらしい。
「これから、何をしようか。」
特に焦ることは無かった。俺の生活水準なら人生100回分くらいを楽しめるくらいの貯金はあるし、仕事自体も好きでしてたわけじゃなかったから、今回のことが辞めるきっかけをくれた程度にしか思わなかった。
「あら、ナオトさんが外に出るなんて珍しいわね。」
「ああ、マリさん。俺、今日でここ辞めることになったから~。今までありがとうね。」
「あら、そうなの。………………や、やめる?!?!?!」
この金髪巨乳のお姉さんはマリさんだ。ギルドでは一二を争う魔術師でギルド内での聖母的な役割を果たしている。
「このギルドには戦闘できない穀潰しはいらないってことらしくてな。」
「はぁ、全くギルド長は何を考えているのかしら。」
「まあまあ、俺は別に後悔してないし、むしろ清々しい気分だから大丈夫だよ。これからは旅に出るから最後に話せてよかったよ、マリさん。」
「あら、ナオトくんが旅だなんてどんな風の吹き回しかしら。」
「世界を見たくなったってとこかな。」
「ふふ、そう言うことにしておくわ。」
マリさんは俺の顔を見るなり、落ち着きを取り戻して快く送り出してくれた。
「ねぇねぇ、ナオトが出ていくらしいよ。」
「へぇ、それじゃあ、僕たちもついて行こうよ。」
「うんうん、それがいいそれがいい。」
ギルドを追放されたナオトの旅はここから始まるのだった。
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