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11話 出発
しおりを挟む┈┈┈┈┈2週間後┈┈┈┈┈
「参ったよ。」
「もう、健には勝てそうにないね。」
「ふぅ、ほとんど完璧だ。」
あれから2週間。2人はスキルLvを上げることと健は身体を慣らし、スキルにも慣れることを重点におき行動した。
「相斗、あれから蹴りを一度も使わなかったのはなんでだ?」
「なんでって.....健は武闘派の前衛で僕は援護射撃で後衛の方がいいから、弓に慣れてんだよ。」
「そうか。確かにそっちの方が効率的だな。」
2人は木の下で腰を下ろしながら話をした。
「いやぁ、長かったね。22年間ってのは。」
「あぁ、とてつもない長さだった。」
「筋肉はついて成長していくのに、見た目が老いないってのも不思議だよね。」
「実に不可解だったな。」
「健はよく22年間も同じ岩を殴り続けて精神が崩壊しなかったよね。」
「まあな。途中からは楽しくて、見てるのに熱中しちゃってたな。」
「それに、凄いのは俺じゃない。相斗、お前こそよく22年の間自主的に練習してきた。これは、普通じゃ絶対に出来ないことだ。」
「そうかな。まっ、何はともあれ、今日という日は終わりじゃなくてまだ始まりってことだよ。」
「そうだな。強大な何かをぶっ飛ばして、さっさと仕事を終わらせようか。」
2人は扉の前へと立った。
「こんなにも長くいた人達は健と相斗か初めてだよ。」
「俺もこんな経験をしたのは初めてだ。」
「僕もね。」
「ちなみにだが、これはどこに行きつくんだ?」
「それは僕にもわからないよ。まあ、いきなり危険な場所に飛ばされるってことはないだろうけどね。」
「そもそも、2人に勝てる生命体がいるかどうかも怪しいけどね.....」
「ともかく、2人の活躍には期待してるよ。22年もの間見守り続けたんだから家族みたいなもんだよ。寂しくなるなぁ。」
「はっ、神にとっての22年なんてあっという間だろうが。今の俺は寂しさよりも楽しさが勝っているようだ。」
「僕もだよ。努力の結果を肌で感じられる日が今日なんだね。」
「じゃあ、いくぞ。相斗。」
「うん。」
2人は扉を開けて、異世界へと足を踏み込んだ。
「うわぁ、なんだここは..........」
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