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三文芝居は幕を…閉じるのか?
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最初から最後まで三文芝居を貫き通した感じだった。父様が言い渡した『反省』とは世代交代。
ホシン伯爵がデジレ様と同い年なのだから当然アーノルドと同世代くらいの跡取りがいる。アーノルドと同世代なら当然、それなりの経験はあるだろう?とお付きの人に振ればお付きの人は『ハイハイそれはもう準備万端できてます!!』とばかりに後継者の名前とこれまでの実績、今進めてる事業を答え、期待が持てる事をアピールした。
父様は世代交代とホシン伯爵個人の財産を賠償金に充てることで矛を収められないかとサミュに尋ね、サミュは賠償金は求めておらず代わりにホシン伯爵本人が頭を下げる事が重要と返した。
……つまりは『お金じゃない気持ちだよ。』って言ったんだ。
だけどさぁ~、気持ちって他人には測れないじゃない?
『しおらしい顔して謝って、少しの間おとなしくしてればいい』って思いながら実行すれば騙せる事もあるし、実際にされたんだろうな~という経験もあるでしょ?
そして貴族ってそんな事が日常茶飯事なわけで、慣れてる。慣れてるってことはお約束事があるんだ。
サミュ:「賠償金は求めません、その代わりホシン伯爵本人からの心からの謝罪を求めます。」
貴族達:「おお、なんと慈悲深い」
「さすがフールフーガの王弟、高潔ですな」
「お優しい方だ」
父様 :「いやいや、皇太子妃。それでは…」
サミュ:「私財を賠償金に充てればホシン伯爵の今後が
問題になりかねません。今回の失敗があっ
たとはいえ、伯爵であった身です。」
父様 :「ふむ。…しかし……おお!そうであった!
確か以前、王妃の命が狙われた時はその身を
引き渡した。どうであろうか、今回も…」
サミュ:「いいえ、今回は侮辱されたのみに留まって
おります。それにはおよびません。」
と、こういったやりとりが続いたあと、周りの冷たい視線と隣にいたお付きの人の耳打ちでホシン伯爵自身から賠償金の支払いをさせてほしいと申し出があった。
これによってようやく決着がつき、解散となったわけだけど僕にはもう一仕事が残っていた。
コツン…コツン…と踵の音を響かせて歩く。後の爺の足音はなぜかしないけどね。
ここはホシン伯爵を入れてる牢屋。今、速攻で代替わりの手続きを進めているけどある程度の時間はかかる。その間ホシン伯爵をどうするかと悩んだが罪を償い終わってはいないのだからと戻されたのだ。
そしてな~んで僕がこんな雰囲気たっぷりの中を歩いているかといえば勿論、母様からの命令実行に他ありませんよね~。
カシャン。と軽い金属音がして続いてキィーと鳴る。扉の鍵を開けて開いた音だよ。一般的に牢屋といえば寝台とトイレ、机と椅子の揃った一室だけど、ここは貴族牢だから一応面会用の部屋もある。勿論、面会者との境目に格子はあるけど両方共に同じ素材の同じソファーがある。
「さて、ホシン伯爵。」と僕はできるだけ威厳を出して話しかけた。
「先ほど、対外的には貴男の今後が決まった。」
そう、あれは【お約束事】なんだ。貴族なら皆…だからホシン伯爵も分かっている。
正式な処分を僕が言い渡しに来たのだ。
『貴男には死ぬまでコレを飲み続けることを言い渡します。』
目の前にコトンと両手に収まるほどの箱を置く。
ホシン伯爵は小刻みに震えながら箱を開けて匂いを嗅ぐと何も言わず静かに涙を流した。
牢を去る僕は気が重かった。あの箱の中身は特製センブリ茶……これからあの男は毎日、健康に気をつけて、とんでもなく苦く粘つく甘い後味にため息をつくのだ。
……絶対に嫌な罰だよね。
ホシン伯爵がデジレ様と同い年なのだから当然アーノルドと同世代くらいの跡取りがいる。アーノルドと同世代なら当然、それなりの経験はあるだろう?とお付きの人に振ればお付きの人は『ハイハイそれはもう準備万端できてます!!』とばかりに後継者の名前とこれまでの実績、今進めてる事業を答え、期待が持てる事をアピールした。
父様は世代交代とホシン伯爵個人の財産を賠償金に充てることで矛を収められないかとサミュに尋ね、サミュは賠償金は求めておらず代わりにホシン伯爵本人が頭を下げる事が重要と返した。
……つまりは『お金じゃない気持ちだよ。』って言ったんだ。
だけどさぁ~、気持ちって他人には測れないじゃない?
『しおらしい顔して謝って、少しの間おとなしくしてればいい』って思いながら実行すれば騙せる事もあるし、実際にされたんだろうな~という経験もあるでしょ?
そして貴族ってそんな事が日常茶飯事なわけで、慣れてる。慣れてるってことはお約束事があるんだ。
サミュ:「賠償金は求めません、その代わりホシン伯爵本人からの心からの謝罪を求めます。」
貴族達:「おお、なんと慈悲深い」
「さすがフールフーガの王弟、高潔ですな」
「お優しい方だ」
父様 :「いやいや、皇太子妃。それでは…」
サミュ:「私財を賠償金に充てればホシン伯爵の今後が
問題になりかねません。今回の失敗があっ
たとはいえ、伯爵であった身です。」
父様 :「ふむ。…しかし……おお!そうであった!
確か以前、王妃の命が狙われた時はその身を
引き渡した。どうであろうか、今回も…」
サミュ:「いいえ、今回は侮辱されたのみに留まって
おります。それにはおよびません。」
と、こういったやりとりが続いたあと、周りの冷たい視線と隣にいたお付きの人の耳打ちでホシン伯爵自身から賠償金の支払いをさせてほしいと申し出があった。
これによってようやく決着がつき、解散となったわけだけど僕にはもう一仕事が残っていた。
コツン…コツン…と踵の音を響かせて歩く。後の爺の足音はなぜかしないけどね。
ここはホシン伯爵を入れてる牢屋。今、速攻で代替わりの手続きを進めているけどある程度の時間はかかる。その間ホシン伯爵をどうするかと悩んだが罪を償い終わってはいないのだからと戻されたのだ。
そしてな~んで僕がこんな雰囲気たっぷりの中を歩いているかといえば勿論、母様からの命令実行に他ありませんよね~。
カシャン。と軽い金属音がして続いてキィーと鳴る。扉の鍵を開けて開いた音だよ。一般的に牢屋といえば寝台とトイレ、机と椅子の揃った一室だけど、ここは貴族牢だから一応面会用の部屋もある。勿論、面会者との境目に格子はあるけど両方共に同じ素材の同じソファーがある。
「さて、ホシン伯爵。」と僕はできるだけ威厳を出して話しかけた。
「先ほど、対外的には貴男の今後が決まった。」
そう、あれは【お約束事】なんだ。貴族なら皆…だからホシン伯爵も分かっている。
正式な処分を僕が言い渡しに来たのだ。
『貴男には死ぬまでコレを飲み続けることを言い渡します。』
目の前にコトンと両手に収まるほどの箱を置く。
ホシン伯爵は小刻みに震えながら箱を開けて匂いを嗅ぐと何も言わず静かに涙を流した。
牢を去る僕は気が重かった。あの箱の中身は特製センブリ茶……これからあの男は毎日、健康に気をつけて、とんでもなく苦く粘つく甘い後味にため息をつくのだ。
……絶対に嫌な罰だよね。
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