Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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ですから、過保護だと…

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※今回一部暴力を連想させる場面があります。
苦手な方はごめんなさい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「そうだよ。王妃様に相談させて戴いたんだ。ノエルの側にずっと爺がいる訳にもいかないし、いられない事もこれからはあるだろう?爺はαだからね。
 年齢的にΩの発情に引きずられる事は無いだろうけど、まぁ私側の問題だ。

 連れて来た5人はノエルもよく知ってる人達だから安心していいよ。」

 入って、とアーノルドが言うと母の侍女さん達がいた。皆さん勤続10年以上のベテラン侍女さんだ。しかも、母様のお気に入りの人達ばかり…。

 一人一人改めて紹介されるけどこんなベテランさん達ばかり寄越して母様は困らないだろうか?
聞いてみるとそこは大丈夫らしい。良かった。

「ああ、それから王様から医師を派遣すると言われていたので連れて来たから後でちゃんと診察を受けて。知らせがくる筈だよ。」

「本当?じゃぁ父様にお礼言ってこないと。
爺…父様今どこにいる?」

「王様でしたらお隣のお部屋にいらっしゃいます」

「ぅえ?隣って…書斎…。執務中?」

「いいえ、ご滞在中ノエル様の側を離れたくないとの事で…まだ書斎といってもスペースがあるからベッドを運べばそれで良いと…。」

 だからって一国の王様を書斎で寝泊まりさせちゃダメじゃない。

「そう申し上げたのですが……。」

 はぁ~。父様は僕が関わると、自分が決めた事は一切引かない。僕が説得して4割の説得成功率だ。
…爺では無理だろう。いいや、今日の昼過ぎには帰るって言ってたし。


 昼過ぎ父の見送りに行くと盛大のお髭スリスリ付きのお別れをした。頬の腫れが引いた僕に安心したのだろうけどやっぱり痛いからね?

 さて、父様がいる所で絶対に聞いちゃいけないと思っていた事を聞いてみる。デジレの件があるからね…火に油のまねはしたくない。

「爺、僕を襲った人は?」

「……申し訳ございません。ノエル様がお怪我をされていたこともあり、あの者はアーノルド様が取り調べをなされています。」

「アーノルドが?ああ、婚約者だからか。」

「はい。アーノルド様との婚約は王様がお認めになったものですし他領のとはいえご領主様ですから取り調べも慣れてらっしゃるでしょう。」

 ……だからといって当事者で領主の僕が「じゃぁ、お任せします」では済ましちゃ駄目だろう。

「いえ、ノエル様は荒事に関わらない方が良いとおっしゃいまして…。」

……ねぇ、アーノルドまで過保護になってるよ。

「それでは済まないよ。何処にいるの?案内して。」

渋る爺を急かして連れてきてもらったのはあの白い塔の所だった。

「ここが牢屋だったの?」

「はい。この塔は地下の作業場の煙突を兼ねた牢屋となっております。」

…地下の作業場?煙突を兼ねた牢屋?この窓一つ無い所が?環境劣悪じゃないか。ここの前領主はどんな人だったんだろう……色々と直さないといけない事が多すぎる。アーノルドの所に行った後、前領主の事を調べないとね。

 
 











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