54 / 708
領主のお仕事
しおりを挟む
塔からはさっさと引き上げた。だって僕こういうの苦手で暗がりから呼ばれたりなんかしたら悲鳴とかあげちゃうもの。
でも、環境改善しないといけないよね。とりあえず今はアーノルドを呼んでもらおう。
「アーノルド、彼は…なんでいきなり僕に?
あの場所が厳重警戒だからとか?それとも不審者と間違えたとか?」
彼の様子、言葉からそれは無いと思ったけど、僕が思ってる理由が間違っていてほしくて半分祈る気持ちで聞いてみた。
だけど、アーノルドの雰囲気から僕の思ってる理由が正しいとわかりとても残念になる。
「彼はβだね。ここでの経歴などを教えて。」
「彼は25才、10年程この領主館の見回り兵をしていた。賞罰は特になし、家族もなし、評判はよくいる悪ガキが力自慢の末、兵士になった人間の代表的な人。酒癖は悪くないというが現にそうとう酔っていた。そしてノエルの考えるように彼はα至上主義……
詳しくは報告書に書いてあるが…」
「読まない方が良い」と続けられるのを遮って僕は「読みますよ、大丈夫。」と続けた。
だってこれから色々と変えていこうと思っているんだからね。
こんな事があったけど、僕の領地を作るには都合の良い材料になった。
アーノルドや爺は僕を心配して気づかってくれるけど本当に大丈夫。…反対に都合の良い材料を作ってくれた彼の罪状を軽くしてあげたいくらいだよ。
あ、出来るねぇ…領主だから。
彼の事は僕の領地改革の判断材料にしたいからとしばらく保留にさせてもらうことにした。
(……領地改革……偉そうな言葉だ!)
ちゃんと周りにもそう言ったよ。だってΩだから判断出来ないんだろうなんて思われるとこれからやりにくいからね。
どこから進めていこうかなぁ~、やっぱり考え方を変えるという建て前を上手に使っていこう。
僕がこれから進めていこうとする事はまず、Ωの子ども達を集める。
ここに来て目についたのは整った街並みに対して幼い子どもが多い事だった。
朝市で見かけた子達はどうにか食べていられるといったくらいの痩せ方で暮らしはきつそうだった。
王都でもそうだったけど、能力的にも身体的にも恵まれていない人は単純労働や賃金の低い仕事にしかつけない、そしてまたその子達も暮らし的に学べずにまた賃金の低い仕事と負のループに迷い込む。それがΩ性の人だったらなおのこと。
それなら全部の子供を対象にと思うだろうけど、経済的問題があるんだ。それにどうせだからΩの子供専用の寄宿学校にしようと思ってる。今は幼稚園と小学校のみだけど行く行くは大学まで…どうかな?
これらはとりあえず孤児の子は全て、家族が手放したくないと言わなければΩ性の子は普通の家の子も対象。
将来的にも、Ωの子供を育てるのは有益なんだけど何故皆やらないんだろう?
ふふふ~ん。さぁ~がんばろ!
でも、環境改善しないといけないよね。とりあえず今はアーノルドを呼んでもらおう。
「アーノルド、彼は…なんでいきなり僕に?
あの場所が厳重警戒だからとか?それとも不審者と間違えたとか?」
彼の様子、言葉からそれは無いと思ったけど、僕が思ってる理由が間違っていてほしくて半分祈る気持ちで聞いてみた。
だけど、アーノルドの雰囲気から僕の思ってる理由が正しいとわかりとても残念になる。
「彼はβだね。ここでの経歴などを教えて。」
「彼は25才、10年程この領主館の見回り兵をしていた。賞罰は特になし、家族もなし、評判はよくいる悪ガキが力自慢の末、兵士になった人間の代表的な人。酒癖は悪くないというが現にそうとう酔っていた。そしてノエルの考えるように彼はα至上主義……
詳しくは報告書に書いてあるが…」
「読まない方が良い」と続けられるのを遮って僕は「読みますよ、大丈夫。」と続けた。
だってこれから色々と変えていこうと思っているんだからね。
こんな事があったけど、僕の領地を作るには都合の良い材料になった。
アーノルドや爺は僕を心配して気づかってくれるけど本当に大丈夫。…反対に都合の良い材料を作ってくれた彼の罪状を軽くしてあげたいくらいだよ。
あ、出来るねぇ…領主だから。
彼の事は僕の領地改革の判断材料にしたいからとしばらく保留にさせてもらうことにした。
(……領地改革……偉そうな言葉だ!)
ちゃんと周りにもそう言ったよ。だってΩだから判断出来ないんだろうなんて思われるとこれからやりにくいからね。
どこから進めていこうかなぁ~、やっぱり考え方を変えるという建て前を上手に使っていこう。
僕がこれから進めていこうとする事はまず、Ωの子ども達を集める。
ここに来て目についたのは整った街並みに対して幼い子どもが多い事だった。
朝市で見かけた子達はどうにか食べていられるといったくらいの痩せ方で暮らしはきつそうだった。
王都でもそうだったけど、能力的にも身体的にも恵まれていない人は単純労働や賃金の低い仕事にしかつけない、そしてまたその子達も暮らし的に学べずにまた賃金の低い仕事と負のループに迷い込む。それがΩ性の人だったらなおのこと。
それなら全部の子供を対象にと思うだろうけど、経済的問題があるんだ。それにどうせだからΩの子供専用の寄宿学校にしようと思ってる。今は幼稚園と小学校のみだけど行く行くは大学まで…どうかな?
これらはとりあえず孤児の子は全て、家族が手放したくないと言わなければΩ性の子は普通の家の子も対象。
将来的にも、Ωの子供を育てるのは有益なんだけど何故皆やらないんだろう?
ふふふ~ん。さぁ~がんばろ!
141
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる