Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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本気ですか父様?

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 汽車の道の許可は予想通りすぐにおりた。あれでダメだったらおねだり第2段も用意していたんだけど使わずにすんでよかったよ。
 第2段を使うと僕のメンタルがごっそり持っていかれてしまうからね。

 ただ…予想外な事が起こってしまった。

「急ぐのだ!あと1刻で出発するぞ!」

 父とローランドがスサエナに来ると言い出した。
明日、この離宮から王都へ戻る筈だったのだが、母だけ王都へ返し2人はついて来るんだって!

 一応、表向きは成人の祝の返礼として僕が2人を招待したという形を取ったけど、本当に形だけ!!

 今だって、僕とアーノルドがノロノロしていると「ノエル、疲れたのかい?父様が手伝ってあげよう」と手を出してくる。
 アーノルドには「急ぎなさい!これも持って行きなさい。」と正面ホールまで荷物を運ばせる。この差にちょっと顔がヒク付いたけど、父にとっては正常運転だよね。

 説明は充分した筈なんだけど、説明すればするほど2人の顔はポカンとしたり頭の上に?マークが見えたりしていた。そうしたら「実際の物を見たい」と言い出した。はぁ~、なんで?

「ノエル様、お急ぎ下さい。王様がノエル様をお迎えに来ようとしていたローランド様を馬の所まで連れていかれました。今のうちに……」

「待って!待って!…馬?ローランド、馬に乗るの?1人で?」

「そうでございます。今のうちにお支度を終わらせなければ、王様の抱っこで移動になりますよ?」

ぉおぅ……。そうだね、さっきから急かされていたし僕がノロノロしてるのが疲れてしまったからと思ってるから抱っこ移動されそうだ。

 でも!ちょっと確かめないと!
急いで正面ホールまで降りる。自分でドア開けて外へ飛び出した。

 馬3頭…、すでにローランドの前に馬が引いて来られてる。ローランドは僕とそんなに身長は変わらない。僕は馬に乗ろうとしたら「美しくない」と許可されなかった。ローランドはどうやって乗るのか。
 本当に…本当に!大事な事だ!

 ローランドの馬だろう、とても馴れてるようだ。顔を撫でて挨拶している姿が「慣れてますよ~」って言ってる。
 ローランドの侍従が馬の横に並び、片膝をついたと思ったらその膝にローランドが足をかけた。階段を登るようにローランドはそのままもう片足を踏み出した。するとその踏み出した足を支えるように侍従の手のひらがあり、手のひらに足が乗ったと同時に侍従が立ち上がりローランドが押し上げられ、馬に跨がった。その間約4秒ほど!
 実にスマートだ!美しい、これならいける!

 隣にいた爺を見ると、少し間があったがアーノルドと話をして厩の方に行った。帰りは颯爽と馬に乗って帰ろう~。
 ルンルン気分でいるとアーノルドが来た。
 
「ノエル、ローランド様を真似てみるの?」

「そうだよ。ああいう風にスマートに乗れたら乗っても良いのでしょう?」

……また間が開く。何?この2人の間は。













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