Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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開校式2

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 「知っての通りご領主様も王族だ。ご領主様は皇太子様の兄上でいらせられる為、我々とは違う礼をとられる。今は身分の違いでとる礼の方も違うと覚えれば良い。」

 うん、“兄上”の部分はいらなかったかな。ほら、余計な疑問持っちゃった子がいるじゃない。

『この寄宿学校に名を与える。』

 ん!?何を言い出した?
王からの手紙と言って差し出された物を受け取る。こんなの聞いてないよ父様!?

 ガサガサと正式に王から下賜された文箱の中の手紙を開けて読む。あ、これそのまま読んじゃダメなやつだ。

【愛するノエル、やっとこの学校が始まるね。お父様はノエルを誇りに思うよ。心配な事、困った事があったらすぐに言いなさい。それからノエルの為にお父様から学校の名前を贈るよ。お母様からはこの名前を刻んだレリーフが届くはずだ。本当はお父様が開校式に出たかったのだが皆が止めた為に出席が出来ない。本当に残念だ、だからローランドによく言いつけておいた。安心してやりたいことをやりなさい。学校の名前は“聖ハイゼル学院”とする。】

 ……こんな私的感満載の手紙をここで渡さないで欲しかった。皆、僕が手紙を読み上げるのを待ってるけど読み上げる事なんて出来ない……ご・誤魔化さなきゃ!

 どうやって誤魔化すか?王都の方を向いて礼をとり時間稼ぎをする。手紙を元に戻し…一番安全な場所ここでは僕の胸ポケットへしまう。

「ありがたいことにこの学校に名を賜りました。名は“聖ハイゼル学院”。更に王妃様より学院の名を刻んだレリーフを賜ります。生徒がより良い日々を過ごす事をお望みです。期待に応えられるよう精一杯学んで下さい。」

 ザワザワと口々に“聖ハイゼル学院”と言っている。
……父様、……僕の本名……セカンドネームだけどそれつけちゃったんだ……。
 列席者の何人かはその事に気づいていたが知らん振りを決め込む。爺を始めノエルに近い者も気づいたがやはり表には出さない。

 世の中知らない方が幸せな事がある例えば普通に“ハイゼル学院”で良かったものを何故に“聖”をつけたのか……。溺愛もここまでくれば立派だと何人もが思ったが己の保身を優先した。

「皇太子殿下のお言葉を賜った!《聖ハイゼル学院の生徒、教員総てはその名を汚さぬよう努力を重ねるように。》とのお言葉だ。」

 一瞬にして静かになる。ローランドの言葉はこのローランドの侍従を通して発せられる事になっている。一応、公共事業ではあるがまだまだ賛同を得たものでは無いので箔付けでお願いしたが世間を慮って直接言葉をかけるのではなく、こういう形をとった。

「兄上!本当におめでとうございます!やっとこの日を向かえられたのですね。どんな事でも仰って下さい!兄上の為ならば…モガガッ!」

 すべての気遣いを一瞬のうちにムダにしたローランドは学友に連れ去られた。良かった、あの人をローランドの横に置いといて。

 生徒はこのあたりのことがわかっていなかったので、話が終わり来賓席に戻る途中とはいえいきなり連れ去られた皇太子に驚いている。教員の一部と列席者はここでも知らん振りをした。




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