Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
149 / 708

心穏やかにしたいのに…。

しおりを挟む
 やっと交渉が終わった!デジレ様はのらりくらりと此方の提示した価格の返答をさけた。いっそのこと全てお金で買い取りしてもらおうかとも思ったけど、これだけの量の取引ではお金と合わせて素材や宝石類など物品で取引されるのが普通という事だから仕方ないか。

 でも最後は「産まれる子供への祝だ」と言ってヤエカマドという木材をつけてくれた。ヤエカマドはナナカマドという木の改良種で燃えにくい性質を持った高木樹だ。ある地域にしか育たないこの木はその性質から最高の建築素材といわれている。
 やはり産むのが僕でも自分の孫には違いないからねぇ…楽しみなのかな??

 そんなこんなでやっと大きな事が1つ片付いたけどもう1つ面倒な事が残っている。
 ほら、誘拐の犯人の親友??っていうサムスプリグ領の元領主。いや、【元】ではないか……なんかサムスプリグ領の現領主が元サムスプリグ領主とその友人の管理ができていなかったと領主の地位を返還してきたと聞いた。

「めんどくさい」

まだグリフウッドのアーノルドの館で紅茶を飲みつつ王都からの手紙を読んでいる。正直な気持ちを言ったまでだったんだけど、爺をはじめて周りの人達までも“そうでしょうね”という表情で僕を見ていた。
 ついさっきデジレ様を送り出して「さぁのんびりしようかなぁ~」なんて言ってたら届いたのだ。

「タイミング良すぎだよ~、誰か僕のこと見張ってて『次のお仕事の指令』出してるんじゃないの?!」

「お気持ちはわかりますがノエル様、体を起こして下さい。お腹に負担がかかりますよ。」

 グズグズとテーブルに突っ伏して愚痴を言ってたら爺に注意された。いけないいけない…気をつけないと。

「お手紙の内容をお聞きしても宜しいですか?」

 爺の質問に答える為もう一度手紙を見る。溜め息満載の内容だけどこの手紙を書いた人も溜め息満載だったと思うよ。

「元サムスプリグ領主 ペドロ・サムスプリグよりの訴え……スサエナ領主……僕のことだね。スサエナ領主は拉致事件を捏造し怨みを持つサムスプリグ領の貴族を陥れる事で元サムスプリグ領主に怨みを晴らそうとした。またΩである自身の身体的特徴でαを落とそうとしたが貴族等が靡かなかった為、自身の領民に暴力を奮わせた。
 これらはサムスプリグ領の貴族を誘拐するなどの複数の犯罪が関与すると思われるため全国民が承知するよう大法廷に訴える。……という訴えがなぜか貴族議会に出されたんだって。」

 あ、爺が何でもないように笑ってるけど目が遠くを見ている。うん、そうだよね……また訳の分からない理屈?いや、今回のはもう思い込みで事件が全く逆になっちゃってるよ。僕が拉致されたのに逆に拉致した事になってる!
 ははは……もう笑ちゃうよ。

「この王都からのお手紙はどなた様からだったのですか?」

「うん…貴族議会のまとめ役をされてるイエイガー老が笑い死にしそうな程大笑いされてるらしい。イエイガー老の側近の方がお手紙下さってるけど、イエイガー老が『面白いから教えてやれ』と………。」

 イエイガー老、話にしか聞いたこと無かったけど相当の変わり者らしい。




しおりを挟む
感想 199

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

起きたらオメガバースの世界になっていました

さくら優
BL
眞野新はテレビのニュースを見て驚愕する。当たり前のように報道される同性同士の芸能人の結婚。飛び交うα、Ωといった言葉。どうして、なんで急にオメガバースの世界になってしまったのか。 しかもその夜、誘われていた合コンに行くと、そこにいたのは女の子ではなくイケメンαのグループで――。

処理中です...