Ωの僕がお偉いさん

やっぱり僕は母様の子供だ

　ムスッとした僕にすかさず差し出されたのは猫の着ぐるみを着たシモン！なんと三毛猫模様！可愛らしさが半端ない！普通に抱かれていたシモンが僕が抱っこした途端にニコーーって笑うのも最強に可愛い！フフフン～母の特権～。機嫌直っちゃうよ～。

　読んでと差し出されたアーノルド宛てのグリフウッド領からのお手紙は非常に同情する無茶ぶりが書かれていた。

【シモンのお披露目は1月後、最後の夜はダンスパーティとして3日間かけてお祭りにする。ダンスパーティでは夜、花火を打ち上げる手配をしたから町の人も楽しめるでしょう。最初の日はやはり親子3人揃って姿を見せる場面が必要。安全面を完璧にしながらなるべく街の人達と触れ合えるのが理想的。パレードの場合、生花で彩りを添えると良い。中日は昼にご馳走とお酒を振る舞うべき。グリフウッド領の後継者としてシモンの評判をあげるように。】

　……あんまりです。母様。

　そして僕は急いでお手紙を返した。
【お披露目の用意が1月というのは前例がなく無茶です。もっと時間が必要です。】
　これに対して母様は隼で、大丈夫！ノエルはできる子！と返してきた。

　……母様酷い！物事には段取りという物が必要なのにと零す僕を爺とアーノルドが生暖かい目で見ていた……。ん？なんで？

　えーと、過去の僕の我が儘という無茶ぶりは置いといて……母様が手配している物とは何だろう？爺に聞くと今調べているから明日の朝一番で報告してくれるという。それならばそれまでにやることは色々あるな。
　…え？この無茶ぶりを受け入れるのかって？うん…まぁそうです。母様はこうと決めたら動かない人だ。懇願という名の脅しも有り得る。
　え？僕に対しての脅しは無いだろう？そうだね。でもアーノルドに対しては有り得るし僕には泣き落としを使うからね。時間が無いんだから無駄な抵抗はしないで時間を有効に使うよ。

　まずは母様の手紙の内容から、1月後に開催ができる場所は？……領主館と迎賓館も使える。それならば問題なさそうだ。賓客の宿泊は？領主館もしくは港に客船を浮かべても良いと……なら大丈夫だね。それと、食料の確保は？……幸いにして港町だから集まってくるね。それらを買い付けるお金は？……え？なんとかするって…ちょっと待って！考える。

　……うーーーーー。できるな。……行って…帰ってくる時期が……。うん、快速艇出してどこら辺にいるか調べてもらおう。
　さて、続いてダンスパーティは問題ないね？
え？グリフウッドは花祭りのような祭りが無い？！
うーん、まぁ大丈夫でしょ。楽団を王都から呼び寄せて載せればなんとかなる！次！

　…………なに？アーノルドと爺の目が…。

「本当に、ノエル様は王妃様によく似ておいでです決断力…判断力は王様似でしょうか。」