Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
227 / 708

ローランドちょっとおいで

しおりを挟む
 図書室の奥の個人的な読書部屋にローランドを呼び出した。……どうやって聞く?単刀直入にスッパリと「トータを好き?」と聞くか、貴族らしく回りくどい表現で聞くか…どちらにしようかな?
 どちらでもローランドはトータを好きと答えるだろうと思うけど、自分の身分を考えると非常に難しい事だと解っているはずだ。そこにわざわざ追い討ちをかけるように僕がたたみかける?それも可哀相かなぁ。

 答も聞かないうちに困ってしまっているとドアをノックする音が聞こえた。開けてやるとローランドがちょっと緊張した顔で立っている。

「いらっしゃいローランド。ここはめったに爺も入らないから遠慮しないでどうぞ。」

 読書室とはいえお茶を入れる道具は揃っている。お茶を淹れてだすとローランドは居心地悪そうに座って頭を下げた。
 この様子だと何の為に呼ばれたのかは察しがついているね。

「さぁローランド、お兄様の目を見なさい。」

 正面に回って両手でこめかみの辺りを抑えて上を向かせる。こうすると身長差があっても無理なく目をあわせられます。
 いつもならジッと見返してくるはずの目が泳いでいる。ハイ決まり~!

「お兄様がなんでここに呼んだのかわかってるよね?説明しなさい。」

 気まずそうに泳ぐ目を追いかけて会わせると観念したのかフゥ…とため息をついてやっと口を開いた。

「……わかってはいるのですよ。年上なのは良いとしてもトータは子持ちです。運命でもない。……立場的に簡単に付き合えないのもわかっているんです。…でもどうやって……」

「気持ちをセーブするのか…わからない?」

 こくん、と頷くローランドを可愛いと思った。いくらαでも皇太子でもローランドはまだ子供の年齢だ。立場上、大人の対応をする必要があったりするので模範的回答は知っている。でも気持ちがついていかないのだ。それでもトータが僕に近い人間でなければ無理矢理我慢もしたのかもしれない。でも実際、トータは僕に近い人間だ……だから甘えたんだよね?ローランドは僕に甘えたんだ。“兄様が助けてくれる”って。

 ……そんな弟を見捨てられるお兄様じゃないよ!

「……じゃぁね、ローランド……君に課題を与えます。」

 将来王様になるローランドに決して忘れないでいてほしい、綺麗に整備された王都にも闇と呼ばれる部分がありそこにも人は存在すること。それを身を持って知ってもらう為、この課題をやり遂げてもらいたい。そしてこれはね、トータを知るため、もし気持ちが変わらないとしたら今後のトータを守る為にも必要な経験……になるかもしれない。

「この国には奴隷は存在しないけど、刑罰労働以外で自分の意思に関係なくそのように扱われている人達が存在します。それについてローランドなりの答えで良いから答えを出して。」

 どういう形でも良いんだよ。考えてみてね。
しおりを挟む
感想 199

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

起きたらオメガバースの世界になっていました

さくら優
BL
眞野新はテレビのニュースを見て驚愕する。当たり前のように報道される同性同士の芸能人の結婚。飛び交うα、Ωといった言葉。どうして、なんで急にオメガバースの世界になってしまったのか。 しかもその夜、誘われていた合コンに行くと、そこにいたのは女の子ではなくイケメンαのグループで――。

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...