Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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マオさん?

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 お土産の中身は……ものすごく大変な物だった。

「……でね、こっちが南方の民俗が使ってる媚薬。この草を燃やして煙を吸うと……。
……これはその奥にある部落に伝わるお薬で~、傷口に塗ると何故か身体中が感じるように……。
……それからこの細い棒は、濡れると膨らむ性質を持ってるから、その土地では前に入れて栓として使うらしいよ~。」

 ちょ、ちょっと!待って、待って!

「わぁ~すごい~!」

 トータ!きみもちょっと待ちなさい!何が「わぁ~すごい~!」ですか!キラキラした目で物色しないで!こんな怪しいもの。

「この黒い壺には?」

「これ?これはちょっと取扱注意の薬草でね、数種類の薬草を練って乾燥させてから油で丸めた丸薬で、これを体内に入れられるとどんな淑女も娼婦になっちゃうという……」

 そんな危ない薬は持ってちゃダメでしょ!

「更に、この丸薬の凄いところは~」

 まだ続きあるの?もう十分な薬効わかったからいいよ?

「この丸薬は一度体内に入ると精液でしか中和できないうえに、一度中和されても一定時刻たつと中和が切れてまた効き目が現れると!しかも、三日三晩続いた!」

『本当?!』

 トータと僕でハモった。
2人で“まさかねぇ~”って言ってると……今回最大級の爆弾発言が落とされた。

「信じてないな~。でも本当だよ。だってデジレ様がヤバイ事になってたもん。」

 …………え?
 …………デジレ様?……え?……いや……あの……いや知ってるけど。……いや、知ってるけどね?!そういう関係って!……いや、でもさ、あの……え?言っちゃうの?言っちゃって良いの?
 僕の戸惑いを気にもせずにマオの言葉は続く。

「もうホントにヤバかったよ。どうしても艦長やデジレ様が自分で出来ないときは俺が手伝うんだけど。ああ…出来ないって、エッチの後の事ね。
 足を洗ってるだけなのに感じちゃって、アレ絶対イッてた。シャツですら着られなくってずっとベッドから出てこられないし、替えのシーツもなくなっちゃって大変。しかも普段は体拭くのは海水なんだけどもう無理でさ、至るところ真っ赤に腫れてるんだもの。
 それで真水を用意するはめになって~その為に島に寄ったんだよ?艦長もちょっと考えてほしいよ~。ああでも、あの地域だから使ったのか?ちょうど真水の調達しやすい地域だったからなぁ。」

 最後の方はぶつぶつと呟いてる内容だけど地声が大きいからちゃんと僕達にも聞こえている。
 だけど……ああ、そうですか……仲がよろしい様で、大変結構ですね。……なんか僕、疲れたよ。何が悲しくて一応、姑に当たる人の艶話を聞かされなければならないんだ……。
 
「話変わるんだけどいい?」

 目の前の怪しいお土産は無視してちょっと聞いてみたい事がある。
 あっちこっちと旅をするマオはそれぞれの国の様子を見ているはずだ。そしてマオのような子だからこそ政治面を考えずに感じたままの様子を話してほしい。

 トータも察してお土産物の事を聞くのは黙ってくれたので、隣国ポーリシア帝国の知ってる事を教えてと言う。……トータ……黙ってくれてるのはありがたいんだけど、どうせならその手に持ってる怪しい物で遊ぶのもやめようか。目がいっちゃうでしょ!
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