Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
438 / 708

どうでもいい1日

しおりを挟む
 ☆後半に爬虫類が出てきます。苦手な方は跳ばして下さい。このお話は本編に影響はありません。




地獄の日焼けから数日後、あの大騒ぎの結果から僕たちの遊び場には日除けがついた。何故かトータはお尻の皮まで剥けたらしくローランドから苦情がきたらしい。いやいや、お尻の皮が剥けるような遊び方なんてしてませんよ?うつ伏せでお昼寝してたとしてもお尻を丸出しにしてたわけじゃあるまいし?
 まぁ日除けは嬉しいけどね。
……そんな日除け付きの遊び場を横目に僕はお仕事をしてるわけなんですが、リリーの海賊ごっこが気になって仕方ない。

「……掟やぶりはご法度!!報いをうけなさい!」

 格好は女海賊なんだけど、台詞の言い回しがなんだか何処かのご老公様みたいだ。手下として付き人2人を引き連れているし、剣のつもりで棒を持ってるから杖に見えちゃうし、今にも「カクさんスケさんやっておしまいなさい!」って言いそうだよ。

 因みに配役はというと、女海賊で頭領はリリー。手下その1はコウ。その2が爺。怒られてるのがザサ。報いという罰を与える役はエンジュが担当。もちろんエンジュがそんな動きができるわけ無いじゃない?だからエンジュはマオに抱えられて動き回ってる。あ、報いってお馬さんになることなんだ。なんだかまとまりがないな。

「さぁ、私はお城のパーティーにいかなくちゃ!」

 ああ話が全然別の方向にとんだ。髪にそこら辺に咲いてる花をさしてそれで良いんだ?あ、エンジュからお馬のザサを取り上げた。

「赤ちゃんは寝る時間ですよ~。」

 ん?エンジュは赤ちゃん役に変更?リリーはパーティーに行くお姫様役になったの?あっという間に別のお話になったのかな?

「リリーはパーティーに行く女海賊で、エンジュは赤ちゃんなの。エンジュはパーティーに行けないからお留守番でリリーはお馬でお城に駆けつけるのよ?」

 というリリーの説明に頭を抱えた。これは日頃の出来事が混乱させているのだろうか。『パーティに女海賊はお城に馬で駆けつけない。』と言いたいがぐっと飲み込む。なぜなら女海賊はいないけど、『世が世なら私は女海賊で頭領だったのよ』とのたまう自分の母親が頭を過ったからだ。ドレスで馬を駆り王都とスサエナを自由に往き来する自身のお婆様がお話の元だろう。

「……爺、どう考えても悪影響が……。」

「ええ。後ほど訂正しなければなりません。」

 哀しそうに呟きそっと目頭を抑える爺に「苦労かけてばかりでごめんね」とお茶を注いで手渡した。


 ポン、ポンと判子を押して残りが無いことを確認。
うーーーん、と伸びをして外を見るともう夕暮れだ。今日は何事もなく平穏な1日だった。離れた所にいるはずのトータの悲鳴が聞こえた事もあったがマオが蛇をもって追いかけたせいだと知って何事もなかった事にした。
 ……しかし、さすがマオだ。蛇捕まえちゃうんだね。今度捕まえたら持たせてもらおうかな?冷たくて気持ちいいらしい。
しおりを挟む
感想 199

あなたにおすすめの小説

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

処理中です...