Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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アンリ最大のおもてなし

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 Ω3人の体力が尽き果て、転がりそうになった頃遊び疲れたマオを担いだコウが帰ってきた。とうとうマオは一番高い台からサーフィンのように滑り、後方2回宙返りを決めながら着水するまでに至ったらしい。どんだけやったんだか。

 「皆様、お疲れの様ですのでお休み場に参りましょう。ノエル様には内緒でアンリ様がご用意をなさったんですよ。」

 僕を抱っこしながら爺が先導する。
うん、僕は聞いてないね。なんだろう?どうやら爺はアンリから相談を受けてアドバイスや資材の手配をしたらしい。爺はそこにつけばすぐにわかる、皆が喜ぶものだと笑っていた。

 「あれじゃないですかノエル。とても立派な屋根ですね!」

 その場にはなんとなく異質な日本の瓦屋根が見えてサミュエルがあれではとウキウキ声をあげた。
……ええ、あれは僕がスサエナの田舎の方に作った湯宿にそっくりじゃないですか?という事はあそこは湯屋?!

 「ええ、アンリ様はあの湯宿を秘かに気に入っているらしく、本当はそのまま持ってきたいけどもう宿屋はいっぱい在るので、疲れた体を解す湯屋を作ると言われたんですよ。」

 
 中に入ると直ぐに靴を脱ぐだけにしては広い玄関…いや、もうこれはホールだね。
 すると湯屋の人がホールのすぐ横に僕たちを案内した。そこはなんと!脱衣場!ここで汚れに汚れた服、下着、靴を脱いで靴以外を手渡された篭に入れる。着替えは作務衣のような物でこれも僕の湯宿で出してる着替えだ。着替えたら篭を持ってランドリーへ。今回僕ら一行は特別の洗濯屋を入れたが普通はこの湯屋の洗濯屋かセルフで洗う。洗濯屋に頼んだ場合は半日程で返却可能だそうだ。

 湯屋とはいうがアンリはいろんなお店も出していた。着替え用の服、下着、靴はもちろん軽食、マッサージ等もあった。うーん、痒い所に手が届く様なサービス素晴らしいですよアンリ君。
 しかし!ここからが問題だ!と厳しい目でこの先のメインともいえる湯殿へ向かう。

 「『アンリ様より家族風呂を用意』と承っております。」と湯屋の人が鍵を3つ持ってきた。この湯屋は家族風呂が3つしかないのでと言っていたが、いやいや十分な気遣いだねアンリ君。とりあえずは提督デジレ様ペアへ1つ渡す。サミュエルは……あ、僕たちと一緒に?あ、そう。うーんあとは?
 ここはちゃんと男女ともバース別に分けて湯殿が用意されてるからやっぱり陛下に1つ?と思って居たら陛下は父様達と大浴場へ行きたいと言う。
 だからコウとマオに渡そうとしたらマオも大浴場が良いと言うので2つの鍵はついてきてくれたクリア者の人達に回した。……後で聞いたら王族の人達と一緒の入浴を回避できるからと希望者全員で入ったらしい。哀れな。



 「どーしてここにマオがいるの?」

 いつも一緒にいて忘れがちだけどマオはβだ。だからヒョイヒョイとついてきたマオに気づいてストップをかけた。

 「だって……ここ……βの風呂になってるんだもん。よく見てよ。オレ1人じゃん。」

 へ?Ω…サミュエル、トータ、僕。α…陛下、カドラさん、父様、アーノルド、コウ、爺。β………マオ。
あらまぁ本当だ。だから寂しいって?

 「私は別に構いませんよ?トータは?」

 僕が困ってるとサミュエルが良いと言ってくれる。トータも全然良いよとこの事。
…じゃあ、いっか。
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