Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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頑張るアーノルド

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 「爺?このご馳走の数々は何?」

 そう、今僕の目の前にはところ狭しと置かれてる料理達がいる。まぁ、盛り付けがフランス料理のような感じなので大皿の真ん中オシャレに料理が乗ってるので皿の面積の方が多いのだけど、それでも多いよ?

 「こちらのスープ、と魚の蒸し物、肉の角煮はアーノルド様のお手作りだそうですよ。」

 爺が僕のての届きやすい場所へそれらの皿を持ってきた。スープは昼の時のような数種類の野菜を煮込んだ物のようだ。魚は鯛なのかな?白身のあっさりした味だけど酒蒸しになっているので臭みもなく生姜の餡掛けでさっぱりといただける。肉の角煮はこっくりとした味わいだけど油がちゃんと抜けているのにパサついた感じはなくちょうどよい味加減だった。それらにいつものパンとサラダ類、鳥料理があってテーブルの上が凄い事に。

 「……爺……。」

 今、アーノルドは匂いを落とすからとお風呂に行っているので言えるのだが……こんなに食べられないよ?いくら3人分でも無理だよね?
 え?大丈夫かも?

 「お酒も入りますし、私もご相伴に預かるとなると。」

 このくらいの量がいると。そうなのね。でもこれ僕は……え?僕のためのだから全部食べるの?……じゃあ今日はパンとアーノルドが作ってない鳥料理は無しで良いよね?あ、デザートが別に?

 「大丈夫だよノエル、ノエルのはこの半分づつの量にしてある。」

 クスクス笑いながら帰ってきたアーノルドは心配する事ないと教えてくれた。
 3人分の皿の並ぶテーブルはまるで中華料理の満願全席だと思った。最初に食前酒を……僕は食前酒を炭酸で割った物を飲んで、先ずはお魚に。

 「ん~、美味しい~!凄く油がのってて甘いのに優しい味!身がホクホク~。」

 元々お魚は好きだけどこれは気に入った!本当にアーノルドが作ったの?と聞けば、さすがに捌くのは任せたけど、下ごしらえの臭みとりからちゃんとやったらしい。

 「気に入ってくれて良かったよ。スサエナは内陸部だけど私は海を目の前にして育ってるからね、意外と海の遊びも知っている。子供の頃はよく釣りにも行っていたんだ。」
 
 本当に意外な事だよ。アーノルドが魚釣り?思ってもみなかった!もっとアーノルドの小さい頃の事教えて?

 魚料理から意外な事を知って、その後も話が尽きることなく、でも料理が美味しくて食も進み楽しい時間を過ごしていると、いつの間にか爺が消えていた。びっくりだよ。いつの間に?

 「ん?さっきだよ。ノエルが食べ終わるの待って庭の用意に行ってくれたんだ。少し外で涼みながら月を眺めてはどうかって。」

 風流だよね。と外に続くドアを開ける。
昼間は無かった大きいカウチに小さいテーブルの上にはお酒の用意がしてあった。本当にいつの間に用意したの爺。

 ・・本館料理人の日誌・・
 突然お客様が料理場に来られた。どうしてもやらなければならない!と必死の様子だった。作っている最中なぜか『夫たるもの!』『αたるもの!』と繰り返し呟いていた。どうやら番さんに良いところを見せたいらしい。……αも大変なんだな。
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