Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
554 / 708

※生徒、最後の大事な授業

しおりを挟む
 生徒視点です
 長いので2話になります
・・・・・・・

 僕はルートハーブといいます。この学校へは6才の時に来ましたのでもう12年間もお世話になりました。数ヶ月前に行われたお見合いでフールフーガの皇太子殿下の側近に見初められた僕はその後文通でお付き合いを初め、先日のフールフーガからいらしている王弟のサミュエル様のお茶会でプロポーズをお受けしました。ノエル先生をはじめ色々な先生からお祝いの言葉や品物をいただいたのですが、ノエル先生から『最後にとても大事な授業があります』と言われ今日そうの授業を受けて来ました。

 内容は…とても……ためになると思います。
 教室にはノエル先生、トータ先生、校長先生がいらっしゃいました。

 「ルートハーブ君、こんにちは。私と対面でお話をするのは初めてですね。私はαなので基本的に君達の授業を持つこともありませんでしたが、卒業を控えた最後のこの時間は私はαの立場で参加致します。これから君はαと暮らしαの社会を垣間見る事になります。授業でも少しは触れていたようですがそれは言葉を優しくしているので今日はαの本音を聞かせましょう。」

 そして先生方はαと暮らすにあたって、どんな事になるかを教えて下さいました。
 ……今さら?と思ったのは間違いでした。

 「番のαと暮らすという事はとても幸せな事も多いけど苦しい事も多い。特に君達の場合は立場が関係してくると思う。」

 最初にそう言われたのはノエル先生だったのでそれは貴族の番という立場を指すのだろうと察した。
ところが話されているうちに何か違うような気もしてくる?……ん、これはもっと突っ込んで聞いた方が良いのではと思い始めたくらいでトータ先生かが口を開いた。

 「君は今ノエル様が話していた内容が掴みきれていないでしょ?それで会ってるんだよ。君達のこれからはこういう解釈によってどうとも取れる会話が多くなる。これは王公貴族社会独特の言い回しなんだ。僕も苦労してるよ。」

 「……どこが苦労してるの?僕を振り回してるのに。」

 「ん?そうかなぁ。まぁ置いといて~。今のノエル様の内容は2つ……だよね?」

 ノエル先生とトータ先生の会話はとても仲の良い友人同士の会話なのだけど立場だけで考えるとあり得ないと聞いたこともある。

 「僕は今意図してあやふやに言っていた事は、貴族社会の立場とαの番としての立場、それからフールフーガに嫁いだ人間の立場の3つだよ。
 詳しく話すね。貴族社会については授業を通してやってきたから良いとして、αの番という事はどういうことか……校長先生どうぞ。」

 「……私から言うと非常に生々しいのですが?生徒に言う内容ですか?」

 「だから“最後の授業”なんですよ。これ知らないと大変なんですから。αとして言って下さい。」

 校長先生は非常に言い辛そうに話し出した。

 「αは番を片時も離したく無いのが本音です。何時でも隣に置いて手の届く位置にいてほしい。知らない所で辛い目に会ってないか悲しい思いをしていないかと心配なんです。全てにおいて私を頼ってほしいし側にいてほしい。でもそれだと束縛しすぎで重いので嫌われない為に自由にしてもらいます。」

 うわー、話しには聞いていたけど本当なんだ。校長先生の番って保健の先生の1人だったよね?……確かにちょっと生々しいかな。
しおりを挟む
感想 199

あなたにおすすめの小説

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

処理中です...