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閑話:ある生徒の話
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つらつらと読み上げられる内容に目の前の3人は段々と顔色をなくしていく。幼児虐待から始まったそれはこの3人の罪状だ。先生がノエル先生が把握している事として読んでいるのだけどノエル先生がこう把握しているというのが大きいよね。
だってノエル先生といえば王、王妃、皇太子様が目にいれても痛くないほど可愛いと……溺愛してる人だ。そして今や殆どのαはノエル先生に頭が上がらない人。そんな人が[これだけ罪があるよ?]といってきているのだから顔色を失くすのも当然か。
「[大事な生徒の将来に関わる事ゆえに、生徒自身に委ねる]」
先生は読み終わると僕を見て「ノエル様から許可がありました。好きになさい。」という。
……えっと、スミマセンがよくわかりません。
「ノエル先生が王族の立場で訴えを了承したからあとは好きにして良いよって言っているんだ。」
困惑してた僕に番から助け船がでた。どうやらある程度は僕が思うようにしてもらえるらしい。
そして先生が証人となって法的な手続きもしてもらえるとか。
それならば僕が望むのは[関係ない人になる、二度と会いたくない]という事だ。
そう伝えると先生からは「それだけで良いのですか?望めばこの人達を鉱山労働に出すことも可能ですよ」と言われた。
「いえ、この先僕と会うことがなく手紙や人を介しての接触等もなくなればそれで良いです。だって鉱山なんて行ったらほぼ廃人決定でしょう?僕はこの人達と違って普通の精神ですから廃人になるとわかってる所には……。この人達に対して罪悪感とかもちたく無いので。」
僕は正直に答えた。この十数年の間一度もこの人達について考えた事などなかった。この先もそうでありたい。
僕の答えに先生は鞄から何かを取り出し……あ、立派な装飾がされた紙だ。そこにサラサラっと書き上げ僕にサインを求めた。
サイン前に書いてある事を把握するのはとても大事な事だ。
……僕への謝罪は目に見える形で行う。
王都、王都に隣接する土地からの追放。財産も王都の物は没収し遠い地方の屋敷、土地を残す。僕との接触は禁止、僕の周りの人への接触も禁止。
なるほど、これなら今後は会うこともなく僕はすっかり忘れていられるだろう。
僕は大満足でサインをした。……極薄い2枚目の紙があることも知らずに。
「はい結構。大変結構です。では…」
と先生が先程サインをした内容を読み上げ3人に聞かせる。この邸や財産は取り上げられるが別宅が2つあるらしくそこは大丈夫と知って父はホッとしていた。
「……続けます。」と2枚目の紙が目の前で出され僕はギョッとして目をむく。これが故意だとわかったのは先生の笑顔が悪かったからだ。
「なお、没収された土地邸は被害者に所有権をかえる。」
だってノエル先生といえば王、王妃、皇太子様が目にいれても痛くないほど可愛いと……溺愛してる人だ。そして今や殆どのαはノエル先生に頭が上がらない人。そんな人が[これだけ罪があるよ?]といってきているのだから顔色を失くすのも当然か。
「[大事な生徒の将来に関わる事ゆえに、生徒自身に委ねる]」
先生は読み終わると僕を見て「ノエル様から許可がありました。好きになさい。」という。
……えっと、スミマセンがよくわかりません。
「ノエル先生が王族の立場で訴えを了承したからあとは好きにして良いよって言っているんだ。」
困惑してた僕に番から助け船がでた。どうやらある程度は僕が思うようにしてもらえるらしい。
そして先生が証人となって法的な手続きもしてもらえるとか。
それならば僕が望むのは[関係ない人になる、二度と会いたくない]という事だ。
そう伝えると先生からは「それだけで良いのですか?望めばこの人達を鉱山労働に出すことも可能ですよ」と言われた。
「いえ、この先僕と会うことがなく手紙や人を介しての接触等もなくなればそれで良いです。だって鉱山なんて行ったらほぼ廃人決定でしょう?僕はこの人達と違って普通の精神ですから廃人になるとわかってる所には……。この人達に対して罪悪感とかもちたく無いので。」
僕は正直に答えた。この十数年の間一度もこの人達について考えた事などなかった。この先もそうでありたい。
僕の答えに先生は鞄から何かを取り出し……あ、立派な装飾がされた紙だ。そこにサラサラっと書き上げ僕にサインを求めた。
サイン前に書いてある事を把握するのはとても大事な事だ。
……僕への謝罪は目に見える形で行う。
王都、王都に隣接する土地からの追放。財産も王都の物は没収し遠い地方の屋敷、土地を残す。僕との接触は禁止、僕の周りの人への接触も禁止。
なるほど、これなら今後は会うこともなく僕はすっかり忘れていられるだろう。
僕は大満足でサインをした。……極薄い2枚目の紙があることも知らずに。
「はい結構。大変結構です。では…」
と先生が先程サインをした内容を読み上げ3人に聞かせる。この邸や財産は取り上げられるが別宅が2つあるらしくそこは大丈夫と知って父はホッとしていた。
「……続けます。」と2枚目の紙が目の前で出され僕はギョッとして目をむく。これが故意だとわかったのは先生の笑顔が悪かったからだ。
「なお、没収された土地邸は被害者に所有権をかえる。」
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