Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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爺の頼み

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 初めて爺から公務の口利きがあった。なんでもちょっとした出来事で影で護衛をしている人達が5日程居ないのでその間は領主館か予定の場所意外に僕たちが出向くのを避けてほしい。できればその間にサミュエルの結婚式の衣装を進めたい。という。
 言われてみればサミュエルとローランドの成婚の衣装はもうそろそろ手を付けなければならない。

 サミュエルとローランドのとはいっても実際はサミュエルとカドラさんの結婚式になる。一応、対外的の事もあるからローランドと馬車パレードはあるけど式場で誓うのはカドラさんだ。
 これは僕ら王家4人、サミュエル、カドラさん、に元老院のおじ様達とフールフーガ側から提督を筆頭に6人の方と話し合って決めた事。

 まぁローランドが言い出した事なのでフールフーガ側は……特にデジレ様は目を向いていたけどね。
 だって同じ場所で同じ日、同じ時間に2組で結婚式すれば良いって、何をどうしようと言わなくても言ってるも同じようなものだ。確かに双方納得済みの政略婚だからそれで良いのかもだけどって呆れたけど当事者の4人が良いと言ってるので……ん、まぁ良いかってなった。



 「サミュはどんなドレスが良いとかある?」

 さっそく、サミュをこちらに呼んで意見を聞く。流石にローランドと全く違う衣装という訳にはいかないので共通点は持たせてもらうができるだけ当人の意思を反映したい。

 「ん~、そうですね~。海のイメージ……というのはどうでしょうか?」

 サミュエルのアイデアは意外と良いものだった。サミュエルはフールフーガからの人だから海のイメージなら違和感はない。というかあっていると思う。色的にもローランドは青い目なので、相手の色を纏ってるようにみえて良いだろう。でも内情を知ってる人から見れば海はカドラさんを差しているのは明らかなんだな。
 よし、これで色は決まった。青になるか碧になるかなど細かい点は詰めていけば良い。後は歴代のΩ男性の正装から王妃に相応しい形を選んで……あれ?意外と大変かも。

 「ねぇノエル?もし可能ならで良いんだけどトータとお揃いなんて出来ないかなぁ。」

 
 ノエルの私室で仲良く話す声を聞きつつ爺は報告書に目を通していた。今回、こんな事になったのはサミュエルの大冒険という名のお買い物のせいだ。食べ歩きをして満足して帰るだけだと思われたが最後にトークトーンという世界で3本の指に入るであろう臭い食べ物を土産に買おうとしていた。
 それを食い止めたのは護衛していた影の者なのだが、買い占めたあと熟したトークトーンが潰れ汁が付着するという災難に見回れた。
 思いの外、数があった為に5人で手分けして持っていた為その5人が被害に会い任務につけなくなったのだ。
 その5人からの報告書には『現在山奥で滝行をしているも野生の動物に臭いのため逃げられ1人が落ち込み中』とあり復帰はまだ先かとため息をついた。
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