Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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珍しい果物(安全)

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 久し振りに4人集まった夕食は一部分がおかしいが和気あいあいと和やかな雰囲気で進む。
 お分かりだと思うがおかしい一部分というのはマオの前にだ。いや、コウが向かいにいるからコウとマオのテーブルというべきだろう。普通ならお誕生席に僕とサミュが着いて横にトータ、コウ、マオが着くんだけど皿数の関係上お誕生席にサミュを座らせ僕とトータがその両横に居て僕らの隣にコウとマオを座らせている。だってそうしないとサラダ、スープメイン、に好きな料理一皿とデザートの僕らに比べて5品くらいプラスされた皿は乗りきらない。

 そんな賑やかなテーブル上が一度片付けられ、トータがお土産として持って来た果物が出された。

 「ん~?こういう果物だったんだ~。」

 「え?トータ見て買ってきたんじゃないの?」

 呑気に平和な会話がサミュとトータでされている。……僕とコウは先に爺によって知らされているから今、テーブル上にあるのはトータの土産でないのは知ってるが知らない振りをしている。

 「ああ、僕はねなんか最近すっごく売れた果物だって聞いて買ってみたの。なんかお店では箱を開けちゃいけない決まりとかで中は見てないんだ。」

 「えぇ~何それ。大丈夫?騙されたとかしてない?」

 サミュ……君の今の言葉は確かにそう思うよ。『中を確かめずに買え』って事だもんね。でもそれはつい最近、ええ本当につい最近できた決め事なんだよ。何がどうしてとは言わないが被害が大きかったからだ。

 「ん~大丈夫だよ。だっていつものおばちゃんだもん。」

 トータはよく見るおばちゃんだから大丈夫と言い、その答えに「そっかぁ~なら平気だね」とニコニコしている2人は……良いのか?本当にそれで良いのか?と聞きたいけどグッと我慢だ。

 『十数年後にはこの国の正妃と側妃がこれで良いのか?』とコウの表情が物語っているけど知らん顔して果物を進めた。これは大丈夫、安全な果物です。

 「ああーこれ!これ、ハートサボテンじゃん!」

 最後まで両手に持っていた料理を食べ終え、ここでやっと果物を見たマオは叫んだ。流石、知っていたか!各国を食べ歩いてるだけある。

 ハートサボテンとは形はハート型だが鋭い刺と硬い殻に守られた果物だ。
 そう、これなら危険だから店で開けちゃいけない理由になり得るからこれにしたらしい。
 そのうちちゃんとあのトークトーンの事は教えるけど今教えるとトータはともかくサミュの行動力を削ぐことになりかねないので。

 ハートサボテンは見た目はそんならしいけどお味の方はサッパリとした甘さでツルンっとのど越しが良い。……これ!気に入った!
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