Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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店舗候補

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 噴水広場についた。レナードの管理する空き店舗はここには2件あるらしい。人気の場所に空いた店舗を持つとは相当余裕があるのか、条件が厳しいのかどちらだ?

「此方の店舗がまず1つ目ですね」

案内されたのは噴水を目の前にしたカフェ風の店舗だ。散歩中の方々の良い休憩所になっていただろうに前の店はダメだったのか?

「此方の前の店はご覧の通りカフェだったのですが、年齢により引退しまして…私も好きな味だったのに残念です。」

…歳では仕方ないか。
中も見せてもらったが少し大きいな…。窓も多すぎるから向かない。

 2つ目の場所へ案内してもらう。
噴水の水が大きな水路になり、通りの中央を流れていく水路通りと呼ばれている場所だ。噴水からそう遠くないので水の確保も楽だな。人の流れも僕の条件に当てはまる。

 ここは2階もあり店の奥ににもスペースがあるため使いやすそうだが…?

「此方の店舗はちょっと条件が厳しいので借り手を選ぶのですが、男爵様のお店ならば大丈夫です。」

「条件というのはどういった内容ですか?」

もし、称号持ちと言うのが条件に入ってるならば、父役は亡くなる設定にしてるから早々に追い出されかねない。

「ええ、ご覧のようにここは富裕層の方々よく通られますので、その方々に望まれるような店でなければなりません。そして治安を維持する為にここに店主が住めるのが条件です。」

「なるほど、それなら私達なら丁度良いですね。」

 その通りです、という声を背にグルリと見渡す。
店舗の灯りは当然ランプなのでその位置や形、高さ窓の位置と防犯性。奥の部屋の大きさ階段の様子に2階の作り。特にある場所は念入りに見た。
 解るよね?バスルームとトイレ、台所だ。

 この国の街ではちゃんとトイレの管理はされている。水で流す訳でなく土を被せていくタイプだから長年使うと別の場所に長い縦穴を掘りそこがトイレになるのだが、大抵トイレより建物の方が先に限界を迎えるためトイレを掘り直したとは聞かない。

 衛生面も土と炭を混ぜた物を落とすので微生物が活躍してくれてるし、時にはわざと火のついた薪を落とすこともあるから大丈夫だ。…ぼっとん便所の怖さについては考えちゃいけない。

 バスルームは石畳の部屋に大きめの盥か……。
水の行き先は……。倉庫にする予定のドアの更に奥のドアを開けると、裏庭があった。ここにしよう!

「レナードさん決めました。ここが良いですね。」

「ハハハ。お早い決断ですが、まだお家賃を申し上げてませんぞ?」

「ああ、そうでした。此方なら1月どれほどでしょうか?」

「…此方は本来は1月で金5枚戴いてるのですが、そろそろ、空店舗のままではと周りの方からも声がありましたし…。すぐに営業されますか?」

 直ぐは無理だろうと見渡す。僕の視線にレナードも気付き、そうですよねと悩み始めた。

「では、如何でしょう。少しお安めにしていただけるなら住むのは後になりますが、直しながら店の準備を進めますよ。」 

 ピタッとレナードの動きが止まる。
これで決めてほしい。
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