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お前は全然だめだ!
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街道を走る俺たちの前に一人の男が道を塞ぐように現れた。
「そこにいられると邪魔なんだが?」
その男はニヤリと笑うと俺を指差す。
「お前が今代の龍魔王か?」
「は? 俺は竜勇者だが?」
俺がそう言うと男は腹を抱えて笑う。
「プハハハ、お前が竜勇者? バカを言え。お前は龍魔王だよ。なぜならな――」
その男は剣を抜くと空剣を掲げる。その剣はみるみる大剣になっていく。
「俺が竜勇者だからだ!」
そいつは大剣が変化しただけで俺のように龍にならない。まるで絵本で見た伝説の竜勇者のように輝いていた。
俺はすぐさま魔導具を装着して迎撃の準備をする。
「なんだ変身しないのか龍魔王、そんな魔導具では俺の本気には耐えられんぞ」
「なぜ俺を狙う」
「お前、この国に宣戦布告したろう。だから竜勇者の俺が呼ばれた。正直お前が魔導具屋をやっていてくれたら戦わなくて済んだんだがな」
「まて、竜勇者は一人じゃないのか?」
「一人だぞ、俺が竜勇者だ。お前聞いてないのか?」
「なにがだ」
男はやれやれと剣を地面に突き刺す。
「少し昔話をしてやろう」
竜勇者は代々性欲の強いものが受け継ぎ、常に一人だけが生まれる存在だった。
だが、ある時を境に勇者の力は二つに割れた。
二つに割れた力は勇者の系譜と魔王の系譜に別れ、それ以後常に二つの龍が存在するようになった。
そして龍魔王の中には本物の魔王の血も流れているのだと言う。
「だから魔王として復活した、お前を全身全霊で止めなきゃならんのだ」
そう言うと竜勇者の力がグンと上がる。
「別に魔王を名乗ったつもりはないんだが」
俺は防御用魔導具を展開する。
「お前、王国に宣戦布告したろ?」
「それはこの娘を手込めにしようとしたからだ。落とし前をつけなきゃならん」
そう言うと俺はフィリアを抱き寄せた。それを見た竜勇者は少し考え大笑いする。
「ブハハハ。なんだあの糞王、俺を騙したのか。よし、なら休戦だ」
そう言うと大剣から手を離し武器を持たないで俺の側に来ようとする。
「そこから動くな!」
こいつが何をするのか信用できない、近づかせちゃだめだ。
「大丈夫だなにもしない。一応親戚になるわけだしな」
「だからと言って――」
俺の言葉が終わらないうちに、いつのまに馬車の中へと入り三人を見回す。
「ずいぶん美人ばかり集めたな」
見られた三人はガクガクと身体を震わせる。みんなは逃げるように俺の後ろに隠れる。みんなの頬が赤らみ体が熱くなっている。
「お前、何をした?」
「ああ、すまない。本当にお前のことを愛しているのか試させてもらった。お前愛されてるな」
「だから何をしたんだ!」
「目で快楽を与えた。普通ならそれだけで俺の虜になるんだが。抵抗されたわ」
「お前!」
俺は竜勇者となのる男にパンチを食らわせた。
男は避けることなくパンチを受け吹き飛ばされる。
「いや、本当にすまない。俺も本当の俺を愛してくれる人を探しているんだが。みんな性の虜になってしまうんだ。正直羨ましいよ……」
「遺言はそれだけか?」
俺はいつのまにか大剣を作り出し竜勇者となり、そいつに禍々しい大剣を突きつけた。
なぜかは分からないが赤黒い鎧と禍々しい大剣を装着しているが龍化はしていない。
どういうことだ。
だが、そんなことより竜勇者は絶対に許せない言葉を次々に喋り出す。
「いやいや、待てって別に手を出した訳じゃないだろ?」
「は? 人の嫁に快楽を与えるって、お前それで本当に手を出してないと思ってるの?」
「ああ?」
なるほど竜勇者と言うのは本当にネジが一本飛んでるんだな。
「急に自分語りした上に自分勝手なことを言いやがって。お前がやったことはレイプなんだよ」
「いや、別に挿入してないだろ?」
「もうお前はしゃべるな」
俺は剣を捨て素手でボコボコに殴った。だが竜勇者は反撃せずにただ殴られているだけだった。
殴るのをやめると竜勇者は一言呟いた。
「何がいけないのかわかんねぇよ」
「そこにいられると邪魔なんだが?」
その男はニヤリと笑うと俺を指差す。
「お前が今代の龍魔王か?」
「は? 俺は竜勇者だが?」
俺がそう言うと男は腹を抱えて笑う。
「プハハハ、お前が竜勇者? バカを言え。お前は龍魔王だよ。なぜならな――」
その男は剣を抜くと空剣を掲げる。その剣はみるみる大剣になっていく。
「俺が竜勇者だからだ!」
そいつは大剣が変化しただけで俺のように龍にならない。まるで絵本で見た伝説の竜勇者のように輝いていた。
俺はすぐさま魔導具を装着して迎撃の準備をする。
「なんだ変身しないのか龍魔王、そんな魔導具では俺の本気には耐えられんぞ」
「なぜ俺を狙う」
「お前、この国に宣戦布告したろう。だから竜勇者の俺が呼ばれた。正直お前が魔導具屋をやっていてくれたら戦わなくて済んだんだがな」
「まて、竜勇者は一人じゃないのか?」
「一人だぞ、俺が竜勇者だ。お前聞いてないのか?」
「なにがだ」
男はやれやれと剣を地面に突き刺す。
「少し昔話をしてやろう」
竜勇者は代々性欲の強いものが受け継ぎ、常に一人だけが生まれる存在だった。
だが、ある時を境に勇者の力は二つに割れた。
二つに割れた力は勇者の系譜と魔王の系譜に別れ、それ以後常に二つの龍が存在するようになった。
そして龍魔王の中には本物の魔王の血も流れているのだと言う。
「だから魔王として復活した、お前を全身全霊で止めなきゃならんのだ」
そう言うと竜勇者の力がグンと上がる。
「別に魔王を名乗ったつもりはないんだが」
俺は防御用魔導具を展開する。
「お前、王国に宣戦布告したろ?」
「それはこの娘を手込めにしようとしたからだ。落とし前をつけなきゃならん」
そう言うと俺はフィリアを抱き寄せた。それを見た竜勇者は少し考え大笑いする。
「ブハハハ。なんだあの糞王、俺を騙したのか。よし、なら休戦だ」
そう言うと大剣から手を離し武器を持たないで俺の側に来ようとする。
「そこから動くな!」
こいつが何をするのか信用できない、近づかせちゃだめだ。
「大丈夫だなにもしない。一応親戚になるわけだしな」
「だからと言って――」
俺の言葉が終わらないうちに、いつのまに馬車の中へと入り三人を見回す。
「ずいぶん美人ばかり集めたな」
見られた三人はガクガクと身体を震わせる。みんなは逃げるように俺の後ろに隠れる。みんなの頬が赤らみ体が熱くなっている。
「お前、何をした?」
「ああ、すまない。本当にお前のことを愛しているのか試させてもらった。お前愛されてるな」
「だから何をしたんだ!」
「目で快楽を与えた。普通ならそれだけで俺の虜になるんだが。抵抗されたわ」
「お前!」
俺は竜勇者となのる男にパンチを食らわせた。
男は避けることなくパンチを受け吹き飛ばされる。
「いや、本当にすまない。俺も本当の俺を愛してくれる人を探しているんだが。みんな性の虜になってしまうんだ。正直羨ましいよ……」
「遺言はそれだけか?」
俺はいつのまにか大剣を作り出し竜勇者となり、そいつに禍々しい大剣を突きつけた。
なぜかは分からないが赤黒い鎧と禍々しい大剣を装着しているが龍化はしていない。
どういうことだ。
だが、そんなことより竜勇者は絶対に許せない言葉を次々に喋り出す。
「いやいや、待てって別に手を出した訳じゃないだろ?」
「は? 人の嫁に快楽を与えるって、お前それで本当に手を出してないと思ってるの?」
「ああ?」
なるほど竜勇者と言うのは本当にネジが一本飛んでるんだな。
「急に自分語りした上に自分勝手なことを言いやがって。お前がやったことはレイプなんだよ」
「いや、別に挿入してないだろ?」
「もうお前はしゃべるな」
俺は剣を捨て素手でボコボコに殴った。だが竜勇者は反撃せずにただ殴られているだけだった。
殴るのをやめると竜勇者は一言呟いた。
「何がいけないのかわかんねぇよ」
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