【完結】聖騎士を死なせた聖女は平民として生きる?

みやちゃん

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「聞いたか?聖女様の話」

「ああ、男に溺れて力を無くしたってやつだろう?」

「その男は聖騎士らしい。勝手に惚れられて殺されるなんて迷惑な話だな。」

民衆達の間では追放された聖女の話で持ちきりだった。

国始まって以来の力を持つ聖女がいた。
彼女は癒しの力だけではない。魔の封印や先読みの力もあり、国をあげて必死に守っていた。

神殿の中で大切に育てられた聖女はある時、護衛になった年近い美男子の聖騎士に一目惚れをしてしまった。
神殿の中で隔離され温室培養のお姫様。

男性との関わりなんて自分を敬ってまともに目も合わない老神官くらいしかいなかった聖女にとって聖騎士の存在はとても大きなものになっていった。

聖女としての力をその聖騎士を手に入れるために使った。禁忌の力を使い我がものにしようとしたのだ。

その過程で聖騎士は亡くなり、聖女も力を失った。

国や神殿は聖女を失った焦りと怒りを聖女ではなく、その聖騎士に向けた。
その聖騎士は聖女をそそのかした者として葬式すらなくひっそりと葬られることになった。

それが史上最高の力を持つ聖女と聖騎士のスキャンダルとして騒がれたが、その噂話もすぐに消えていった…

というよりお偉い人たちによって無理やりもみ消されたというのが正解だろう。

そしてその聖女がどうなったのか、皆その行方を知る者はなかった。
聖女を失うことは国にとっての大きな損害だ。
これから国はどうなっていくのだろうか。





だが、お偉い方々を無視して聖女の悪口を言う者がいた。

「そんな勝手なことかあるか?あまりにアールが可哀想だ!」
その聖騎士アールが生まれ育った街では元聖女への怒りを爆発させていた。

本来なら聖女は王族と同じ扱いを受けている。
そんなことを言うのは不敬罪で問われても不思議はない。しかし、元聖女であり犯した罪があまりに大きかったため、誰も不敬罪で問うものはいなかった。

「レピアもそう思わないか?」
食堂のシェフでもあるアビーは気のいい率直なおじさんだ。
自分の街から初めて出た聖騎士への思い入れは強かった。
何よりその聖騎士の実家はこの街の有力者の家系。
皆アールの事を子どもの頃から知っていたから余計だ。

その分聖女のした行為がどうしても許せなかった。

「そうですね…すみません、もう行かないと!」
レピアは時計を見るふりをしてアビーとの会話を終わらせた。

「それは申し訳なかったな。あんまり腹が立ってよ!」

この話を何回きいただろう。
アビーだけではない。
何度も色々な所できく話。

「そうですね…私もそう思います。その聖騎士様は聖女と共にいなければ今でもきっと活躍していたはずです…」

「よくわかってるな、レピア。聖女様は本当に人の命をなんだと思っているんだ!そんな事をしても聖女様は許されるのだからな。」

この街で聖女をよく言うものはいない。それだけ聖騎士アールの存在が大きいかった。

店を出てレピアは呟いた。

「許されるはずがないわ、ねぇアール」

レピアは空を見上げた。

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