【完結】聖騎士を死なせた聖女は平民として生きる?

みやちゃん

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「ノアから手紙が来たそうだな。」
神殿にノルディ皇子が飛び込んできた。

大神官がノルディを睨む。
「神殿に監視をつけていたのですか?自分だって護衛から報告を受けているでしょうに…」

ノルディは大神官の睨みなど無視し、手紙の内容を教えるように急かした。

「皇子、レピア様はもう限界のようです。だからあんな街に行くべきではなかったのだ。」
ギリギリと歯ぎしりが聞こえてきそうなくらい大神官は顔をしかめ歯を食いしばり、ノルディに手紙を見せた。

手紙を奪い取るように受け取ったノルディも手紙を握りつぶしそうになっていた。

「レピア様らしい…」
他人の事を常に優先させる優しく美しいレピアを思い出していた。
そう言いながらもノルディは薄情でも良いからレピアにアールの事を早く忘れて欲しかった。

「ノルディ様」
そうやって笑いかけるレピアをノルディは思い出していた。

あの笑顔を守る為にレピア様の事を諦めることにしたのに。
アールにレピア様を委ねたのに…
全てが間違っていた。

あの時無理矢理でも自分の妃にしておけば良かった。
レピア様を愛し続けたらきっと彼女は応えてくれた筈だ。今みたいに苦しみ続けるとわかっていたら諦めなかった。
あの時嫌われるのが嫌で手放してしまった自分が悔やまれて仕方がない。

「ノルディ様、レピア様を迎えに行こうかと思います。」
大神官は真剣な顔でノルディを見た。

「ああ、それがいい。レピア様の居場所はあの街ではない。だが…」

レピア様の悪評が広がっている。
あの街はレピア様への反感が強い。
辛い思いをする必要はない。
レピア様は何も悪くないのだから。

「私が迎えに行く。今度こそ私の妃として迎える。もう誰にも譲らない。」
ノルディはまっすぐに大神官を見つめ決意を伝える。

「それが良いかもしれませんね。レピア様を守れる者が必要です。今、こんな醜態を起こした神殿では無理です。アールを聖騎士としてレピア様に付けたのは間違いでした。」
大神官はノルディに頭を下げた。
レピアの事件で大神官の権威は地に落ちていた。
神殿内も皇族からも冷たい批判と待遇を受けている。

だが、それを大神官は受け入れている。

アールをレピアの聖騎士にし、二人の関係を認めた。
自分の行いがあんなに心優しい聖女の心を壊し、この国を危険に晒す事になってしまった。

それを誰よりも後悔しているのは大神官だった。

過去に戻れるのなら…
レピア様とアールを会わせないようにできるのなら…

毎日そう願うが、もう過去に戻るすべはない。

ノルディ様がレピア様を救えるのならば今度こそ全力で応援する。
大神官はそう誓った。
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