【完結】闇落ちした聖女候補は神様に溺愛される

みやちゃん

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第1章

リーナの旅立ち

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リーナの旅立ちの日。
「リーナ、あなたならできるわ。私の大切な自慢の娘だもの。みんなを助けてあげて。」

大好きなお母さんは目に少し涙を浮かべているが、笑いながら頭を撫でてくれた。
もう頭を撫でられる歳でもないんだけどなと思いながらも嬉しくて、目を閉じる。

「お姉ちゃん!行かないで!」
7歳のルートと5歳のネマの弟2人は泣いて抱きついてくる。
こんな風に2人が泣くのは珍しい。
ここを離れたら次いつ戻ってこれるのかもわからない。
行かないって言ってあげたいけど‥
そう言う代わりに2人をギューと抱きしめる。

「ごめんね、お姉ちゃんは行かなくちゃいけないの。ルート、ネマ、2人とも大好きだよ。」
彼らに泣かれるのは辛い。

「ほら、2人とも笑って送り出してあげて。リーナはみんなを助ける凄い人になる為にここを出るんだから。応援してあげなくちゃ。泣き顔で別れるのは嫌でしょう?笑って。」
お母さんが弟2人に声をかける。

お母さんに言われて無理に笑おうとしている2人を見ると心が痛んだ。
お母さんが働いている間は私がこの年の離れた2人の面倒を見ていたのだ。
姉というより、親のような感じが近いかもしれない。

私も2人にニコッと笑った。

そうやって笑顔で送り出してくれたお母さんや弟達、そして村の人たち。

「お母さん、みんな。私立派な聖女になるからね!みんなを助けられるように頑張るから!」

今日、リーナは村を出る。
聖女になる為に王都にある神殿に向かうのだ。

泣きたくない。
せっかくみんなが笑って送り出してくれたのに。
私が聖女になるって決めたのをみんなが応援してくれたのに。
目に溜まった涙を手でゴシゴシとふく。

「皆、素敵な方々ですね。」
歩きながら神官は私に話しかけてきた。

「はい、私の自慢の家族と村です。早くみんなに恩返しがしたいです。」
リーナはニッコリ笑う。

聖女になれば世界を救う‥

リーナは自分がそんな大それた存在だとは思えず、最初は断った。

聖女になればお金がたくさんもらえるようになると神官は言った。
この村に仕送りができる。
その事が嬉しくて、何も考えず、聖女になると言ってしまった。

仕送りができるだけではなくて、聖女として穢れを浄化できれば穢れの森に怯えなくて良くなるらしい。

私がみんなの幸せを守るんだから。
自分がみんなの役に立てることが嬉しかった。

「そうですか。きっとリーナ様の望みは叶いますよ。」
神官は微笑む。


神官は村でリーナの母と話したのを思い出していた。
リーナを聖女候補として王都に連れていきたいと伝えるとリーナの母は驚いていた。
そんな母親にお金を渡し、許可を取ろうとした。
働いているリーナを連れて行くのだ、その分の保証のつもりだったが‥
母親は拒否をした。
貧しくても娘を売り渡すようなマネはできないと。
母親はリーナの意思を尊重するといい、リーナと話し合う時間をくれた。
リーナを説得できれば構わないと約束してくれた。

あの母だからこそ、この子ありか‥
心がとても澄んでいる。
自分の為ではなく、人の幸せを考えられる人だ。

神は穢れを嫌う。
聖女は神と結ばれる必要があるため、一番大切な条件だ。

神官はリーナの浄化を体感しており、他の聖女と違うと感じていた。
この方が聖女様になれば、きっと世界は救われる。
神官はそんな期待をしていた。

これから待ち受ける悲劇も知らずにリーナ達は期待を胸に歩き始めていた。



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