68 / 87
第3章
ヴォルティスの過去(マークバルダ&ヴォルティス視点)
しおりを挟む
復活?復讐?なんの話だ?
ヴォルティス様の話がわからず、マークバルダは混乱していた。
リーナ様を探しにいきたいのに状況を知っていると思われるヴォルティス様がこの状態では‥
「ヴォルティス様!しっかりしてください。リーナ様を探しましょう!時間がありません!」
ヴォルティス様に駆け寄った。
ヴォルティス様の加護を破る力だ。早く見つけなければ‥
「マークバルダ‥」
私の名を呼ぶが、まだヴォルティス様は放心状態から抜け出せていない。
どうしたらいい?話が進まない。
ノルアが近づいてきてパーンとヴォルティス様の頬を叩いた。
大きな音が広い部屋の中を響き渡った。
「ノルア‥」
ヴォルティス様は目を見開いてノルアを見た。
「お父さん、しっかりしろ。こんな所でグダグダしてる場合じゃない。」
「ノルア、ヴォルティス様になんて失礼な事を!」
いくらなんでもヴォルティス様を叩くなんて、あり得ない。私がノルアに攻撃の姿勢をとったのをヴォルティス様が手を前に出し止めた。
「マークバルダ、よい。ノルアには許可していた。私がリーナやノルアを苦しめる事をしたらちゃんと教えてほしいとな。まさか、叩かれるとは思わなかったが。」
苦笑するが、ヴォルティス様は冷静さをとり戻していた。
「それでも許されるのが家族なんだろう?お母さんも大切な家族だ。自分からいなくなるわけがない。さらわれたんだろ?」
ノルアは真剣な顔でヴォルティス様を見る。
「そうだ。追いながら話そう。ブレスレットの力は切られたが、行き先ならわかっている‥」
皆、ヴォルティス様についていく。
「どういう事なのですか?」
ヴォルティス様が向かった先は命の泉だった。どうしてここにきた?
リーナ様を助けにいく筈だったのに‥
「キースの力に介入できて、私の力を無効にできる存在などあの方を除いてはないんだ。」
「あの方?」
ヴォルティス様は最高神だ。そのヴォルティス様をもってしてもあの方と言わしめるその存在とは何だ?
ヴォルティス様はフッと苦しそうに笑う。前によく見せていた作られた笑い。
「私は命の泉でうまれたんだ。あの方とは私をうみだした存在だ。」
太古な世界‥もうそれはどれだけ前の事であったのかすらわからない。
真っ暗の中、優しく包み込まれながら「ヴォルティス」と何度も呼ばれた。
だんだんと周囲が明るくなるとあたたかい真っ青な泉の中に私はいた。
「ここは?」
うまれたばかりのヴォルティスには状況がよくわからなかった。
目の前の真っ青な泉の中でぼんやりと周囲の様子を見ていた。
泉以外何もないどこまでも続く大地。
「やっとうまれたんだね、ヴォルティス。会えるのを楽しみにしていた。」
泉の中で声が聞こえる。
正確に言えば、耳で聞こえるのではなく頭に直接響いてくるのだが。
「誰だ?」
「私か?お前をうんだ創世主かな?」
姿があるわけではない。ただ私の周りで気配を感じる。
しばらくその声と一緒にいてわかった。この大地もこの泉も全てこの方そのものなのだと。
「私は何をしたらいい?何のためにうまれてきた?」
求めているものが何か私にはわからない。
「そんなに構えなくてもいいよ。私のそばにずっといてくれたらいい。そうすれば、お前の望みを叶えよう。」
それからその声とどのくらい一緒にいたのかわからない。
ずっと命の泉にいた。
その方は私に何かを求めるわけでもなく、言葉の通りただそばにいてほしいだけのようだった。
うまれたばかりの私はその状況にすぐに飽きてしまった。何をするわけでもなく、泉に浮いている。何のためにうまれてきたのかわからない。この声だけとこのまま一緒にいても良いのか?そんな疑問が湧いてくる。
「他の神を創りたい?」
私が声をかければ何でも答えてくれる。最初に言われたとおり望みは何でも叶えてくれた。
命の泉の周りには木々や花畑が広がっている。もう前のような寂しい景色ではなくなっていた。
どうしてそれらの知識があるのか、私にもわからない。この方は自分の知識を私に最初から与えていたようだ。
「そうだ。そうすれば、貴方も寂しくなくなる。」
命の泉がチャプンと揺れる。
「お前さえいれば私は良いのだがな。お前が望むのなら構わない。」
私は許しが出ると神々を創った。
とても興味深くて面白かった。自分の必要とする神達を創るその行為が楽しくてあの方を完全に忘れ去ってしまっていた。
しばらく神々を創り、色々な役割を与えると神々は自分の役割をきちんと果たした。
神達を創るのにも飽きてきた頃、いい事を思いつく。
真面目で言われた役割をきっちり果たす神だけではなく、別の存在をつくったらどうなるだろうと‥
自己中心的な存在が面白い。命も短かければ、生き急ぐだろう。私の暇つぶしとなる存在、色々と問題があればあるほど楽しめるだろう。
そう考えながら創り出すのが楽しかった。
そうやって人はうまれた‥
私の勝手な思いつきから穢れはうみ出されるようになった。
ヴォルティス様の話がわからず、マークバルダは混乱していた。
リーナ様を探しにいきたいのに状況を知っていると思われるヴォルティス様がこの状態では‥
「ヴォルティス様!しっかりしてください。リーナ様を探しましょう!時間がありません!」
ヴォルティス様に駆け寄った。
ヴォルティス様の加護を破る力だ。早く見つけなければ‥
「マークバルダ‥」
私の名を呼ぶが、まだヴォルティス様は放心状態から抜け出せていない。
どうしたらいい?話が進まない。
ノルアが近づいてきてパーンとヴォルティス様の頬を叩いた。
大きな音が広い部屋の中を響き渡った。
「ノルア‥」
ヴォルティス様は目を見開いてノルアを見た。
「お父さん、しっかりしろ。こんな所でグダグダしてる場合じゃない。」
「ノルア、ヴォルティス様になんて失礼な事を!」
いくらなんでもヴォルティス様を叩くなんて、あり得ない。私がノルアに攻撃の姿勢をとったのをヴォルティス様が手を前に出し止めた。
「マークバルダ、よい。ノルアには許可していた。私がリーナやノルアを苦しめる事をしたらちゃんと教えてほしいとな。まさか、叩かれるとは思わなかったが。」
苦笑するが、ヴォルティス様は冷静さをとり戻していた。
「それでも許されるのが家族なんだろう?お母さんも大切な家族だ。自分からいなくなるわけがない。さらわれたんだろ?」
ノルアは真剣な顔でヴォルティス様を見る。
「そうだ。追いながら話そう。ブレスレットの力は切られたが、行き先ならわかっている‥」
皆、ヴォルティス様についていく。
「どういう事なのですか?」
ヴォルティス様が向かった先は命の泉だった。どうしてここにきた?
リーナ様を助けにいく筈だったのに‥
「キースの力に介入できて、私の力を無効にできる存在などあの方を除いてはないんだ。」
「あの方?」
ヴォルティス様は最高神だ。そのヴォルティス様をもってしてもあの方と言わしめるその存在とは何だ?
ヴォルティス様はフッと苦しそうに笑う。前によく見せていた作られた笑い。
「私は命の泉でうまれたんだ。あの方とは私をうみだした存在だ。」
太古な世界‥もうそれはどれだけ前の事であったのかすらわからない。
真っ暗の中、優しく包み込まれながら「ヴォルティス」と何度も呼ばれた。
だんだんと周囲が明るくなるとあたたかい真っ青な泉の中に私はいた。
「ここは?」
うまれたばかりのヴォルティスには状況がよくわからなかった。
目の前の真っ青な泉の中でぼんやりと周囲の様子を見ていた。
泉以外何もないどこまでも続く大地。
「やっとうまれたんだね、ヴォルティス。会えるのを楽しみにしていた。」
泉の中で声が聞こえる。
正確に言えば、耳で聞こえるのではなく頭に直接響いてくるのだが。
「誰だ?」
「私か?お前をうんだ創世主かな?」
姿があるわけではない。ただ私の周りで気配を感じる。
しばらくその声と一緒にいてわかった。この大地もこの泉も全てこの方そのものなのだと。
「私は何をしたらいい?何のためにうまれてきた?」
求めているものが何か私にはわからない。
「そんなに構えなくてもいいよ。私のそばにずっといてくれたらいい。そうすれば、お前の望みを叶えよう。」
それからその声とどのくらい一緒にいたのかわからない。
ずっと命の泉にいた。
その方は私に何かを求めるわけでもなく、言葉の通りただそばにいてほしいだけのようだった。
うまれたばかりの私はその状況にすぐに飽きてしまった。何をするわけでもなく、泉に浮いている。何のためにうまれてきたのかわからない。この声だけとこのまま一緒にいても良いのか?そんな疑問が湧いてくる。
「他の神を創りたい?」
私が声をかければ何でも答えてくれる。最初に言われたとおり望みは何でも叶えてくれた。
命の泉の周りには木々や花畑が広がっている。もう前のような寂しい景色ではなくなっていた。
どうしてそれらの知識があるのか、私にもわからない。この方は自分の知識を私に最初から与えていたようだ。
「そうだ。そうすれば、貴方も寂しくなくなる。」
命の泉がチャプンと揺れる。
「お前さえいれば私は良いのだがな。お前が望むのなら構わない。」
私は許しが出ると神々を創った。
とても興味深くて面白かった。自分の必要とする神達を創るその行為が楽しくてあの方を完全に忘れ去ってしまっていた。
しばらく神々を創り、色々な役割を与えると神々は自分の役割をきちんと果たした。
神達を創るのにも飽きてきた頃、いい事を思いつく。
真面目で言われた役割をきっちり果たす神だけではなく、別の存在をつくったらどうなるだろうと‥
自己中心的な存在が面白い。命も短かければ、生き急ぐだろう。私の暇つぶしとなる存在、色々と問題があればあるほど楽しめるだろう。
そう考えながら創り出すのが楽しかった。
そうやって人はうまれた‥
私の勝手な思いつきから穢れはうみ出されるようになった。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜
鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。
そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。
秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。
一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。
◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ヒロインと結婚したメインヒーローの側妃にされてしまいましたが、そんなことより好きに生きます。
下菊みこと
恋愛
主人公も割といい性格してます。
アルファポリス様で10話以上に肉付けしたものを読みたいとのリクエストいただき大変嬉しかったので調子に乗ってやってみました。
小説家になろう様でも投稿しています。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
【完結】召喚された2人〜大聖女様はどっち?
咲雪
恋愛
日本の大学生、神代清良(かみしろきよら)は異世界に召喚された。同時に後輩と思われる黒髪黒目の美少女の高校生津島花恋(つしまかれん)も召喚された。花恋が大聖女として扱われた。放置された清良を見放せなかった聖騎士クリスフォード・ランディックは、清良を保護することにした。
※番外編(後日談)含め、全23話完結、予約投稿済みです。
※ヒロインとヒーローは純然たる善人ではないです。
※騎士の上位が聖騎士という設定です。
※下品かも知れません。
※甘々(当社比)
※ご都合展開あり。
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
聖女の任期終了後、婚活を始めてみたら六歳の可愛い男児が立候補してきた!
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
23歳のメルリラは、聖女の任期を終えたばかり。結婚適齢期を少し過ぎた彼女は、幸せな結婚を夢見て婚活に励むが、なかなか相手が見つからない。原因は「元聖女」という肩書にあった。聖女を務めた女性は慣例として専属聖騎士と結婚することが多く、メルリラもまた、かつての専属聖騎士フェイビアンと結ばれるものと世間から思われているのだ。しかし、メルリラとフェイビアンは口げんかが絶えない関係で、恋愛感情など皆無。彼を結婚相手として考えたことなどなかった。それでも世間の誤解は解けず、婚活は難航する。そんなある日、聖女を辞めて半年が経った頃、メルリラの婚活を知った公爵子息ハリソン(6歳)がやって来て――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる