雨の小径

白石華

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ユッコちゃんと先生

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「ただいまー。ユッコちゃん。」
「ああ、お帰りなさい……カコ。」

 ナツミの家庭教師であるカコが家庭教師のバイトから自分の下宿先へ帰宅し。同じアパートの部屋に住んでいるユッコに帰宅の声を掛けていた。

「あのね、家庭教師をしているナツミちゃんなんだけど、とうとう好きな人とキスしたんだって。」
「ふーん。」

 ユッコは気のない返事で返していた。

「なんだ、興味なかったの?」
「興味がないって言うか、カコって、その子とはキスしてないでしょうね?」
「うん。」

 カコはキッパリと答えていた。

「本当かなあ。」
「本当だよ。あいさつしただけで。」
「したでしょ。」
「ううん。」

 また、カコはキッパリと答えていた。

「キスなら私がするから、他の子とはしないで。」
「やだー。ユッコちゃんってば、そんなに私が好きなの?」
「そうよ。」
「えっ。」

 冗談交じりで聞いた言葉にストレートで返されて、呆気にとられるカコだった。何しろユッコは面倒見がよく。キス魔の自分の面倒を見るためにカコと同居まで決意しているため、自分とそういう関係なのか尋常じゃない面倒見なのか分からなかったのだった。

「私もユッコちゃん、スキー! キスしよ、キス。」
「はいはい。」

 ユッコはカコから雨あられのようなキスを受けていて。

「ねえ、どうして急に私の事、そういう風に答えてくれるようになったの?」
「素直にならないと、どこに行くか分からない子のことを好きになったからよ。」
「えへへ。」
「全く。」

 ユッコは前途多難な相手を好きになってしまったと改めて思い返していたのだった。
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