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俺の学園生活、そして趣味
日常、学園、趣味のサイクル
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「ご苦労様ー。今日はここまでにしましょう。」
「はーい。」
いつものようにライン仕事が終わると、俺は固くなった首やら背中やらをグッと伸ばす。ある程度身体をグリングリン回した後は自分の作業場の後片付けをして、作業着からサクッと着替えて帰る準備に取り掛かった。
「もう帰っちゃうの?」
「すみません、この後は定時制の学園があるんです。」
「そうだったわね。」
作業チーフが帰る俺に声を掛けると、俺は申し訳なさそうに返事をする。この後は――、俺の学園生活の時間だった。俺はとっくに成人しているが、俺の勤めている会社はアルコールやアルコールジェルをポンプに詰める仕事をしていて。俺にはある期間、学園生活を送るはずだった時間は通信教育などですっぽり抜け落ちていた。
それだけだったら教養自体はあるのだが、無いのは学園生活での行事などの記憶である。共同作業自体だったらこうして工場で作業を行う事で身に付けられるし、これはこれで参考になると思うのだが、学園生活が無いと、俺にはありふれた一般職である、ある事が行えないのだった。
・・・・・・。
「はい、それでは今日は、体育祭の準備を計画する。」
定時制学園に来て。今度は学園行事の計画を立てる事となった。ここでは俺と同じく学園生活を送れなかったもののために行事やら何やらも取り入れていて、サークル活動まで希望者向けに用意されている。そういう施設もあったのだった。
「体育祭か。これも身に付けておかないとな。」
俺は興味深そうにメモを取りながら様子を確認している。取材だと思えばまたとない機会である。
「おお、熱心だな、沙幹(さき)。」
「へへへ、はい。」
教官の言葉に愛想笑いで返す俺。俺の趣味にもこれは関係していた。俺の趣味、それは――創作活動である。今は小説だけだが、イラストだって描き始めているし、ゆくゆくは漫画だって描けるようになりたいし、他にもゲームだって音声作品だって、朗読小説にだって表現媒体はある。その、スタートといえる小説書きだが、更にその一般職である学園物――その記憶も経験も俺には存在していなかった。ある一定の時期の子供には俺以外の子供にもあるのだが、様々な事情があるという事で割愛しておこう。
ジュブナイル向け小説が書けないという致命的な経験不足により俺は定時制学園で学園生活まで送り直せるところを見つけ、こうして通っている訳だった。学費は自分の仕事と支援金でまかなえているが、それにしても改めて成人してから送る学園生活というのは実に体力とコミュニケーション能力と。そして学習に耐えられる忍耐力が必要だと改めて思い知る事となった。学園生ってこういうのを息を吸うように日常的に経験しているのか、凄いなと思っている。
「まあ、これも経験だからな……。後でまたネタ帳作っとこう。」
とりあえず一、ニ年くらいの行事を経験するまでは大人しくしておこう、と思っている俺は家に帰った時の執筆活動で何をするかを頭に思い描いていた。
「はーい。」
いつものようにライン仕事が終わると、俺は固くなった首やら背中やらをグッと伸ばす。ある程度身体をグリングリン回した後は自分の作業場の後片付けをして、作業着からサクッと着替えて帰る準備に取り掛かった。
「もう帰っちゃうの?」
「すみません、この後は定時制の学園があるんです。」
「そうだったわね。」
作業チーフが帰る俺に声を掛けると、俺は申し訳なさそうに返事をする。この後は――、俺の学園生活の時間だった。俺はとっくに成人しているが、俺の勤めている会社はアルコールやアルコールジェルをポンプに詰める仕事をしていて。俺にはある期間、学園生活を送るはずだった時間は通信教育などですっぽり抜け落ちていた。
それだけだったら教養自体はあるのだが、無いのは学園生活での行事などの記憶である。共同作業自体だったらこうして工場で作業を行う事で身に付けられるし、これはこれで参考になると思うのだが、学園生活が無いと、俺にはありふれた一般職である、ある事が行えないのだった。
・・・・・・。
「はい、それでは今日は、体育祭の準備を計画する。」
定時制学園に来て。今度は学園行事の計画を立てる事となった。ここでは俺と同じく学園生活を送れなかったもののために行事やら何やらも取り入れていて、サークル活動まで希望者向けに用意されている。そういう施設もあったのだった。
「体育祭か。これも身に付けておかないとな。」
俺は興味深そうにメモを取りながら様子を確認している。取材だと思えばまたとない機会である。
「おお、熱心だな、沙幹(さき)。」
「へへへ、はい。」
教官の言葉に愛想笑いで返す俺。俺の趣味にもこれは関係していた。俺の趣味、それは――創作活動である。今は小説だけだが、イラストだって描き始めているし、ゆくゆくは漫画だって描けるようになりたいし、他にもゲームだって音声作品だって、朗読小説にだって表現媒体はある。その、スタートといえる小説書きだが、更にその一般職である学園物――その記憶も経験も俺には存在していなかった。ある一定の時期の子供には俺以外の子供にもあるのだが、様々な事情があるという事で割愛しておこう。
ジュブナイル向け小説が書けないという致命的な経験不足により俺は定時制学園で学園生活まで送り直せるところを見つけ、こうして通っている訳だった。学費は自分の仕事と支援金でまかなえているが、それにしても改めて成人してから送る学園生活というのは実に体力とコミュニケーション能力と。そして学習に耐えられる忍耐力が必要だと改めて思い知る事となった。学園生ってこういうのを息を吸うように日常的に経験しているのか、凄いなと思っている。
「まあ、これも経験だからな……。後でまたネタ帳作っとこう。」
とりあえず一、ニ年くらいの行事を経験するまでは大人しくしておこう、と思っている俺は家に帰った時の執筆活動で何をするかを頭に思い描いていた。
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