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第3章「消失」⑨
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北川と名乗る看護師は、まずは自分のことを語り出した。中学生のときに大病を患い、この病院に入院した。入院は1年近くに及んだらしい。その間に恵美さんが入院し、手術をし、そして亡くなった。自分は運良く退院することが出来たが、その経験から自分も看護師になった。だから入院していた時のことはとても良く覚えている、と。
そして、病室も近く、年齢も近かったために、恵美さんとは良く話をした。恵美さんは学校のことや友達のことを良く話してくれた、と。だから彼氏の名前も聞いていたし、顔も覚えている、と。
僕はその話のどこが悪い話なのか、と訊いた。彼女は、そうそう慌てずに、と僕を制す。そして、基本的には良い子だったんだけどさ、と言った後でこう加えた。
「病気のせいかわからないけど、
ちょっと変な趣味っていうの、
そういうのがあって」
変な趣味と言われても何もピンと来なかった。もちろん何も覚えていないからなのだが。僕はそれがどんな趣味なのかを訊く。
「占いっていうのかな・・・
うん、おまじない、みたいなやつ、
知らない?」
僕は正直に知らない、と答えた。
「池崎さんが『疲れが取れた』
って言ってたでしょ、
あれ、おまじないのおかげなのよ」
と少し眉をしかめて言った。クレープ店でも聞き、不思議には思っていた。一種のカウンセリングのようなものかと感じていたが、それにしては奇妙だ。話した内容を覚えていないことも気になった。けれど、それでも「おまじない」とはちょっと論理が飛躍している。にわかには信じられなかった。
「そりゃ、私も信じられなかったけど、
実際そうなんだもの」
と言い、詳しく教えてくれた。
病室に入る看護師さんが軒並み笑顔で出てくる姿を見た彼女は、看護師さんに、どうしたのか、と訊いてみた。そうすると、誰もが曖昧な返事で、何となく疲れが取れた、理由はわからない、と言う。とうとう恵美さんに訊いてみたら、最初は教えてくれなかったけれど、他言無用という条件で教えてくれたそうだ。
「私ね、おなじないが使えるのよ」
おまじない? と訊くと、目を見て相手にあることを唱えたら、その人の思考を操れるのだ、と言った。不思議に思わないように前後の記憶も消せるのだ、と。前から興味があってそういう本ばかり読んでいたけれど、入院して時間ができてからはいよいよ本格的にできるようになった、と言う。自分にもやってあげようか、と言われて、怖くなって断った、と。その時の恵美さんの顔は今でも忘れない、と彼女は言った。笑顔なんだけど、底知れぬ不気味さが見えて、身の毛がよだつ思いをした。それから少し距離を置くようになったけれど、気になって様子は見ていた。亡くなった後で、恵美さんは自分が治ることはない病気であることを知っていたことを聞かされた。あの不気味な顔には、だって私、死ぬんだもの、少しくらい好き勝手やってもいいでしょ? という気持ちが現れていたのではないか、と今では思う、と。
「どう、そんなに良い話じゃないでしょ」
彼女は僕から目を逸らして言った。
「いいえ、まだ信じられないけれど、
ちょっと安心しました」
と僕は正直に言った。恵美さんのことを忘れてから、僕はずっと心のどこかで自分がろくでなしの人間であることに嫌気が差していた。どうして亡くなった同級生のことを思い出せないんだろう、そして色々な人の話を聞き、その度に恵美さんが良い人だったということを知り、自分を責める気持ちがあった。それでも知らないといけない、と思って旅を続けてきたけれど、正直辛かった。だから、初めて彼女を少し悪く言う人がいて、僕は安心したのだ。彼女のことを忘れていいという理由にはならないけれど、少しだけ自己弁護できる気がした。
それを聞くと彼女は、変な人、と言って笑った。
「私の記憶だと、あなたが最後に来た日、あなたはすごく怒った顔で出て行ったわ。私は驚いて部屋の中にいた恵美ちゃんを見たの。そしたら『別れちゃった』って」
当然覚えていないのだけれど、僕は恵美さんと喧嘩別れをしていたのか。
「だから覚えてないんじゃないの」
そう言われると、そうなのかも知れなかった。そう思うことにした。
僕は最後に質問をした。池崎さんが、恵美さんと最後にあったのは女の子だ、と言っていたが、誰のことだか知っているか、と。彼女は、もちろん、と言った。
「青山さん・・・真奈っていう名前だったかな、彼女のことも恵美ちゃんから良く聞いていたわ」
想定していた時刻の新幹線に乗ることができた。始点からの乗車だから自由席で良いだろうと思っていたが、それも目論見通りだった。自由席は貸し切りと言ってもいいくらいの人の無さだった。席に座り、ひと段落すると、僕は芽以からの連絡をもう一度確認した。芽以から観るように言われていたので、時間を間違えたくはなかった。タイムテーブルに間違いがないか確認して、この感じだと名古屋の辺りで時間が来るな、と時計を見る。予定通りだった。ここ数日、ずっと頭の中が混乱していた。昨日の夜も満足に眠ることができなかった。僕はイヤホンをつけ、アラームをセットすると、しばらくぶりの眠りに落ちた。
アラームで目が覚める。時計を確認し、安心をすると、僕はたまたま通りかかった売り子さんに声を掛け、コーヒーとビールを注文した。口に含むと熱いコーヒーが身体をつたっていくのがわかる。普段は砂糖を多めに入れるのだが、芽以に入れ過ぎを注意されていたことを急に思い出してブラックのままで飲む。苦味が眠気を刺激する。そう言えば感染症に罹ると味覚がなくなってしまうと聞いた。苦味を感じているということはまだ大丈夫なのだろう。そうして僕はスマートフォンを取り出し、芽以から送られてきたサイトにアクセスした。パスワードを入力すると、動画が再生される。歌っているのは芽以ではなかった。知っている事務所の子だったのでタイムテーブルを確認する。芽以の1つ前。次が芽以の番だ。画面の向こうで歌って踊っているアイドルと時々目線が合うように思う。彼女はカメラを見て、僕は画面を見ているのだから当然だろう。しかし、彼女は誰に向かって歌っているのだろうか。僕に向けてではないと思うし、特定の誰かに向けてではないように思う。不特定多数の画面の向こうにいる誰かに向かって歌っているのだろうか。でも、それは不安ではないか。自分が歌い、オーディエンスの反応があって、演者は演者でいられる。歌っている彼女は自分が演者であることを実感しているのだろうか。そう考えると、芽以がこの場でもうすぐ歌うことが不安になった。芽以はは誰のために歌うのだろう。芽以の歌う先に未来はあるのだろうか。
そんなことを考えているうちに芽以の番になる。配信時間の都合で持ち時間は15分、暗転した照明がつくと、彼女は『ミラージュ』を歌い始める。歌い始めた芽以を観て、僕は驚いた。さっきのアイドルとはまるで違った。芽以は明らかに「誰か」に向けて歌っていた。それが誰かはわからないけれど、はっきりとその言葉が僕の胸に届いてくる。芽以の一挙一動に釘付けになる。僕はとんでもないタレントを抱えているのではないか、と思った。
歌い終わり、お辞儀をし、自己紹介を済ませると、彼女は静かに話し出した。
「残り2曲は初披露する新曲です。初めて作詞にチャレンジしました。この歌が届いてほしい人にきっと届くと信じて、歌います」
新曲を歌うことは聞いていなかった。そして、それがどんな詞かも僕は知らない。
「聴いてください、『二目惚れ』」
『二目惚れ』
夏が近づくと 急に春が名残惜しくなる
君のことは いつもそんな感じ
季節の変わり目に 流行り病で
何度も何度も咳をしても
吐き出せない 肝心な言葉
忘れたのは 思い出すため
忘れないのは 忘れるため
君を残しておくわけにはいかない
そうじゃなきゃいけないの
私の一目惚れ
ちょっとした雨を厭う夏が
私と君を少し遠ざけた
もう一度会えたとき
もう一度会えたなら
私の会いたい君に会えるかな
来るはずのないその日まで
またね ばいばい
忘れたのは 忘れるため
忘れないのは 忘れないため
君のことは私が忘れたかったの?
そんなふうにして終わる
私の一目惚れ
もう一度会えたとき
もう一度会えたなら
私の会いたい君に会えるかな
そのときまで そのときはきっと
ずっと私は二目惚れ
不思議な感覚はずっと続いていた。自分が自分に戻っていくような感覚だった。経験したことが胸にふつふつと湧き上がってくる。ふと知らない子の声が脳裏によぎる。
「ほんとさ、君は忘れっぽいな。
そこが好きだったんだけど」
そして僕はその声の主が恵美さんであることがわかった。わかったのかもわからなかった。だって僕は恵美さんを知らないはずだった。でもその声は恵美さんだった。そしてその声の主が僕の方を見て笑っている。恵美さんだ、僕はもう自然に恵美さんがわかっている。わかっている、という感覚もないほどに、それは恵美さんだった。
画面の向こうでは芽以が次の曲を歌い始めた。
気がつくと僕は泣いていた。
何に泣いているのかがぼんやりと輪郭を成して言葉になる。記憶になる。
消失していたものが、戻ってくるような声が聴こえた。
そして、病室も近く、年齢も近かったために、恵美さんとは良く話をした。恵美さんは学校のことや友達のことを良く話してくれた、と。だから彼氏の名前も聞いていたし、顔も覚えている、と。
僕はその話のどこが悪い話なのか、と訊いた。彼女は、そうそう慌てずに、と僕を制す。そして、基本的には良い子だったんだけどさ、と言った後でこう加えた。
「病気のせいかわからないけど、
ちょっと変な趣味っていうの、
そういうのがあって」
変な趣味と言われても何もピンと来なかった。もちろん何も覚えていないからなのだが。僕はそれがどんな趣味なのかを訊く。
「占いっていうのかな・・・
うん、おまじない、みたいなやつ、
知らない?」
僕は正直に知らない、と答えた。
「池崎さんが『疲れが取れた』
って言ってたでしょ、
あれ、おまじないのおかげなのよ」
と少し眉をしかめて言った。クレープ店でも聞き、不思議には思っていた。一種のカウンセリングのようなものかと感じていたが、それにしては奇妙だ。話した内容を覚えていないことも気になった。けれど、それでも「おまじない」とはちょっと論理が飛躍している。にわかには信じられなかった。
「そりゃ、私も信じられなかったけど、
実際そうなんだもの」
と言い、詳しく教えてくれた。
病室に入る看護師さんが軒並み笑顔で出てくる姿を見た彼女は、看護師さんに、どうしたのか、と訊いてみた。そうすると、誰もが曖昧な返事で、何となく疲れが取れた、理由はわからない、と言う。とうとう恵美さんに訊いてみたら、最初は教えてくれなかったけれど、他言無用という条件で教えてくれたそうだ。
「私ね、おなじないが使えるのよ」
おまじない? と訊くと、目を見て相手にあることを唱えたら、その人の思考を操れるのだ、と言った。不思議に思わないように前後の記憶も消せるのだ、と。前から興味があってそういう本ばかり読んでいたけれど、入院して時間ができてからはいよいよ本格的にできるようになった、と言う。自分にもやってあげようか、と言われて、怖くなって断った、と。その時の恵美さんの顔は今でも忘れない、と彼女は言った。笑顔なんだけど、底知れぬ不気味さが見えて、身の毛がよだつ思いをした。それから少し距離を置くようになったけれど、気になって様子は見ていた。亡くなった後で、恵美さんは自分が治ることはない病気であることを知っていたことを聞かされた。あの不気味な顔には、だって私、死ぬんだもの、少しくらい好き勝手やってもいいでしょ? という気持ちが現れていたのではないか、と今では思う、と。
「どう、そんなに良い話じゃないでしょ」
彼女は僕から目を逸らして言った。
「いいえ、まだ信じられないけれど、
ちょっと安心しました」
と僕は正直に言った。恵美さんのことを忘れてから、僕はずっと心のどこかで自分がろくでなしの人間であることに嫌気が差していた。どうして亡くなった同級生のことを思い出せないんだろう、そして色々な人の話を聞き、その度に恵美さんが良い人だったということを知り、自分を責める気持ちがあった。それでも知らないといけない、と思って旅を続けてきたけれど、正直辛かった。だから、初めて彼女を少し悪く言う人がいて、僕は安心したのだ。彼女のことを忘れていいという理由にはならないけれど、少しだけ自己弁護できる気がした。
それを聞くと彼女は、変な人、と言って笑った。
「私の記憶だと、あなたが最後に来た日、あなたはすごく怒った顔で出て行ったわ。私は驚いて部屋の中にいた恵美ちゃんを見たの。そしたら『別れちゃった』って」
当然覚えていないのだけれど、僕は恵美さんと喧嘩別れをしていたのか。
「だから覚えてないんじゃないの」
そう言われると、そうなのかも知れなかった。そう思うことにした。
僕は最後に質問をした。池崎さんが、恵美さんと最後にあったのは女の子だ、と言っていたが、誰のことだか知っているか、と。彼女は、もちろん、と言った。
「青山さん・・・真奈っていう名前だったかな、彼女のことも恵美ちゃんから良く聞いていたわ」
想定していた時刻の新幹線に乗ることができた。始点からの乗車だから自由席で良いだろうと思っていたが、それも目論見通りだった。自由席は貸し切りと言ってもいいくらいの人の無さだった。席に座り、ひと段落すると、僕は芽以からの連絡をもう一度確認した。芽以から観るように言われていたので、時間を間違えたくはなかった。タイムテーブルに間違いがないか確認して、この感じだと名古屋の辺りで時間が来るな、と時計を見る。予定通りだった。ここ数日、ずっと頭の中が混乱していた。昨日の夜も満足に眠ることができなかった。僕はイヤホンをつけ、アラームをセットすると、しばらくぶりの眠りに落ちた。
アラームで目が覚める。時計を確認し、安心をすると、僕はたまたま通りかかった売り子さんに声を掛け、コーヒーとビールを注文した。口に含むと熱いコーヒーが身体をつたっていくのがわかる。普段は砂糖を多めに入れるのだが、芽以に入れ過ぎを注意されていたことを急に思い出してブラックのままで飲む。苦味が眠気を刺激する。そう言えば感染症に罹ると味覚がなくなってしまうと聞いた。苦味を感じているということはまだ大丈夫なのだろう。そうして僕はスマートフォンを取り出し、芽以から送られてきたサイトにアクセスした。パスワードを入力すると、動画が再生される。歌っているのは芽以ではなかった。知っている事務所の子だったのでタイムテーブルを確認する。芽以の1つ前。次が芽以の番だ。画面の向こうで歌って踊っているアイドルと時々目線が合うように思う。彼女はカメラを見て、僕は画面を見ているのだから当然だろう。しかし、彼女は誰に向かって歌っているのだろうか。僕に向けてではないと思うし、特定の誰かに向けてではないように思う。不特定多数の画面の向こうにいる誰かに向かって歌っているのだろうか。でも、それは不安ではないか。自分が歌い、オーディエンスの反応があって、演者は演者でいられる。歌っている彼女は自分が演者であることを実感しているのだろうか。そう考えると、芽以がこの場でもうすぐ歌うことが不安になった。芽以はは誰のために歌うのだろう。芽以の歌う先に未来はあるのだろうか。
そんなことを考えているうちに芽以の番になる。配信時間の都合で持ち時間は15分、暗転した照明がつくと、彼女は『ミラージュ』を歌い始める。歌い始めた芽以を観て、僕は驚いた。さっきのアイドルとはまるで違った。芽以は明らかに「誰か」に向けて歌っていた。それが誰かはわからないけれど、はっきりとその言葉が僕の胸に届いてくる。芽以の一挙一動に釘付けになる。僕はとんでもないタレントを抱えているのではないか、と思った。
歌い終わり、お辞儀をし、自己紹介を済ませると、彼女は静かに話し出した。
「残り2曲は初披露する新曲です。初めて作詞にチャレンジしました。この歌が届いてほしい人にきっと届くと信じて、歌います」
新曲を歌うことは聞いていなかった。そして、それがどんな詞かも僕は知らない。
「聴いてください、『二目惚れ』」
『二目惚れ』
夏が近づくと 急に春が名残惜しくなる
君のことは いつもそんな感じ
季節の変わり目に 流行り病で
何度も何度も咳をしても
吐き出せない 肝心な言葉
忘れたのは 思い出すため
忘れないのは 忘れるため
君を残しておくわけにはいかない
そうじゃなきゃいけないの
私の一目惚れ
ちょっとした雨を厭う夏が
私と君を少し遠ざけた
もう一度会えたとき
もう一度会えたなら
私の会いたい君に会えるかな
来るはずのないその日まで
またね ばいばい
忘れたのは 忘れるため
忘れないのは 忘れないため
君のことは私が忘れたかったの?
そんなふうにして終わる
私の一目惚れ
もう一度会えたとき
もう一度会えたなら
私の会いたい君に会えるかな
そのときまで そのときはきっと
ずっと私は二目惚れ
不思議な感覚はずっと続いていた。自分が自分に戻っていくような感覚だった。経験したことが胸にふつふつと湧き上がってくる。ふと知らない子の声が脳裏によぎる。
「ほんとさ、君は忘れっぽいな。
そこが好きだったんだけど」
そして僕はその声の主が恵美さんであることがわかった。わかったのかもわからなかった。だって僕は恵美さんを知らないはずだった。でもその声は恵美さんだった。そしてその声の主が僕の方を見て笑っている。恵美さんだ、僕はもう自然に恵美さんがわかっている。わかっている、という感覚もないほどに、それは恵美さんだった。
画面の向こうでは芽以が次の曲を歌い始めた。
気がつくと僕は泣いていた。
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