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待ち合わせには予定よりも少し早めに到着した。今まで女の子とは待ち合わせという待ち合わせをしたことが無かったので、橋本はどういう手順を踏んで待ち合わせ場所に行かなければならないかが分からなかった。とりあえず、そういう雑誌を読んでみようと思いコンビニに行った。年頃の男が見るような雑誌を今まで読んだことがなく、雑誌の名前すらおぼつかない橋本は、コンビニにでの品揃えの豊富さにまず驚いた。女性が読むような雑誌は母親の影響もあり知っていた。けれども、橋本は今までそうしたことに興味が無く、周りの友人もそうだったこともあって、そうした雑誌がたくさんあることを知らなかったのだ。如何わしい雑誌がたくさんあることは知っていた。年頃の男が最も興味のある文化だからだ。並んでいるうちのファッション雑誌を一冊手に取り、背表紙の値段を見る。買えなくはないけれども、映画に行くことを考えると痛い出費となる金額だった。橋本は買うのを諦め、気合でその場で読むことにした。その雑誌の中に「デートには少し早めか、少し遅めにいくべし。」という記述があったのだ。橋本の性格上、一刻も早く平河さんと話したいこともあり、また、「少し待たせて気になる存在にする位がちょうど良い」という待たせる理屈も理解できなかったため、橋本は少し早めに到着するという選択肢を取ったのだ。橋本が到着すると、程なくして大川も到着した。大川もそうしたことには疎く、雑誌で得た知識で早めに来ようと思ったのだった。
「いよいよだな。」
笑顔の後の大川は興奮しているようだった。これまでそうした行動をしようとしなかった橋本にヤキモキしていたのか、大川の方が嬉しそうだった。橋本ももちろん楽しみにしていたし、今でも映画に誘った自分が信じられない。興奮していないはずがなかった。けれども、橋本は大川の興奮に緊張が加わっていた。何を話せば良いのだろうか、何を話すべきなんだろうか。(いや、何を話してはいけないんだろうか)ということや。そもそも平河さんは私服で来るはずで、平河さんの私服を見ることは初めてだった。どんな格好をしてくるのだろう。平河さんは背は小さかったけれど、顔つきや考え方は随分大人だった。気持ちが大人な分が顔や雰囲気に出ているのかもしれない。きっと派手な格好ではないだろう。それが良い。橋本は派手な格好の女性が好きではなかった。きっと似合っているんだろうな、と思った。けれど、似合っているのも問題だ。服装が似合っていたときに、果たして自分は自然にそれを褒めることができるだろうか。雑誌にあったように、「センスが良いね」と軽く自然に言うことができるだろうか。恋を進めていくことは、そうしたことをもっとちゃんと、もっと自然に出来るということが必要なのだと思う。橋本はこれまでそんなことをしたことが無かったから、全く自信がなかった。
「まず服装だ、服装を褒めろよ」
大川ももしかすると同じ雑誌を読んだんじゃなかろうか、と思った。大川は自分の言葉のように消化して使うけれども、橋本が読んだ雑誌とほとんど一緒だった。もしそうだとすると、さも知っているかのような口調の大川はとても滑稽だった。思わず噴出しそうになってしまい、大川に怪しまれたけれど、橋本はおかげで緊張が解けた。橋本は冷静に、平河さんが来た時の練習用に、グループの女子が来た祭に服装を褒めてみた。案外上手くいって、橋本は驚いた。もしかするとそうした才能が自分の中に眠っていたのかもしれない。そういえば父親がビールを片手に高校時代にモテていたことを自慢していたことを思い出した。案外その血を継いでいるのかもしれない。普段そんなことを滅多に言わない橋本に、メンバーの女子はとてつもなくいぶかしんだけれど、橋本は自信をつけていた。これで大丈夫、平河さんが早く来ればいいのに、と思っていた。
「いよいよだな。」
笑顔の後の大川は興奮しているようだった。これまでそうした行動をしようとしなかった橋本にヤキモキしていたのか、大川の方が嬉しそうだった。橋本ももちろん楽しみにしていたし、今でも映画に誘った自分が信じられない。興奮していないはずがなかった。けれども、橋本は大川の興奮に緊張が加わっていた。何を話せば良いのだろうか、何を話すべきなんだろうか。(いや、何を話してはいけないんだろうか)ということや。そもそも平河さんは私服で来るはずで、平河さんの私服を見ることは初めてだった。どんな格好をしてくるのだろう。平河さんは背は小さかったけれど、顔つきや考え方は随分大人だった。気持ちが大人な分が顔や雰囲気に出ているのかもしれない。きっと派手な格好ではないだろう。それが良い。橋本は派手な格好の女性が好きではなかった。きっと似合っているんだろうな、と思った。けれど、似合っているのも問題だ。服装が似合っていたときに、果たして自分は自然にそれを褒めることができるだろうか。雑誌にあったように、「センスが良いね」と軽く自然に言うことができるだろうか。恋を進めていくことは、そうしたことをもっとちゃんと、もっと自然に出来るということが必要なのだと思う。橋本はこれまでそんなことをしたことが無かったから、全く自信がなかった。
「まず服装だ、服装を褒めろよ」
大川ももしかすると同じ雑誌を読んだんじゃなかろうか、と思った。大川は自分の言葉のように消化して使うけれども、橋本が読んだ雑誌とほとんど一緒だった。もしそうだとすると、さも知っているかのような口調の大川はとても滑稽だった。思わず噴出しそうになってしまい、大川に怪しまれたけれど、橋本はおかげで緊張が解けた。橋本は冷静に、平河さんが来た時の練習用に、グループの女子が来た祭に服装を褒めてみた。案外上手くいって、橋本は驚いた。もしかするとそうした才能が自分の中に眠っていたのかもしれない。そういえば父親がビールを片手に高校時代にモテていたことを自慢していたことを思い出した。案外その血を継いでいるのかもしれない。普段そんなことを滅多に言わない橋本に、メンバーの女子はとてつもなくいぶかしんだけれど、橋本は自信をつけていた。これで大丈夫、平河さんが早く来ればいいのに、と思っていた。
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