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6章 雪山での遭難
5話 魚釣りと着替え。
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「あとは二時間ほど流水に晒したら、精肉に入(はい)れますね」
沢はそこまで大きいものではなく、かと言って小さ過ぎるわけでもないちょうどいいものだった。特に縛り付けたり重しを置かなくても流される事はなく、また水が不十分だという事もない。
ここではダニやノミなどの寄生虫の除去、鮮度を保つための低温処理を目的とするので、あとは時間が経つまで暇を潰すだけである。
「二時間か……今日食べるのは無理かもな」
ただでさえ陽が傾いているのだ。それに山中だと陽の光は遮られ、余計に日没が早くなる。
暗い中で作業が出来ないわけではないが、やらない方が無難だろう。しかし沢に置いたままだといるかどうかは不明だが、狼などに横取りされる可能性もある。
「……二時間経ったらテントに持って行って、精肉作業は明日するか。肉は雪の中に埋めておこう」
「そうですね」
異論はなかったのかクロは頷くが、その顔には「また携帯食料か……」という表情が浮かんでいる。もちろんカムイにも不満はあるのだが、そこばかりは仕方がない。
「改めて何か食料でも探すけど、期待は出来ないな」
仮にまた鹿を見付けたところでそれは食えないのだ。食べられるものといえば果実、野菜、キノコ類、魚……そこまで考えて、今自分がどこにいるのか気が付いた。
「クロ、喜べ。今から魚を釣るぞ」
「魚ですか!? 鯛ですか!?」
鯛がこんなところにいるわけがないのだが、カムイは特にツッコム事はせずに流した。
「取り敢えず魚を釣るけど、手製の木彫りルアーはちょっと川魚にはでか過ぎる。……というわけで、今から餌を採取に行きます、おー!」
「よく分かりませんが、おー!」
右手を天にかざし、今度はカムイを先頭にして歩き出す。既に餌となり得るものは見付けていたのだ。
川で魚を釣る場合は虫などを餌にするのだが、ここは雪山。餌になるような虫を見付けるのは困難だろう。だから運良く餌を見付けられた幸運にカムイは感謝する……そして巡り巡って早速魚が食べられる事にクロも喜んでいるのだが、その笑顔はすぐに凍り付く事になる。
「あれだよ、魚の餌になるのは」
カムイは指を差す。クロは瞳を輝かせながらその先に視線をやり、理解する事を拒んでか首を傾げた。
「……え?」
そこには屍肉を漁り、蠢く虫がいた…………その名もウジ虫である。
「あれ、ですか」
「あれ、だな」
ウジ虫とはつまり、蠅の幼虫だ。その機敏に肉を抉る様子ははっきり言って気持ちの良いものではない。それがいくら好物である魚の餌であったとしても、受け入れられない程度には。
「ーーーーご主人、無理です。あれは無理です。まず間違いなく、無理です」
そのおぞましさに語彙力を奪われたクロは、懸命にその存在を否定する。
「冷静に考えて下さい、ご主人。あれを餌にするという事は、私たちも間接的にあれを食すという事になります」
「いやいや、内蔵は取ればいいじゃん。それにそんな事言ってたら、肥料撒いて作ってる野菜を食べたら、間接的にうんこ食ってるのと一緒になるじゃないか」
「死んで下さい」
その理論が正しいとか正しくないとか、そんな意見はどうでも良かった。ただ今はカムイが憎たらしくて仕方がなかった。
その憎悪の目を向けられ、流石のカムイも不味い対応だと気が付いたのか、頬をぽりぽりと掻きながら肩を落とした。
「じゃあ魚は諦めるしかないか……」
となれば今日の晩ご飯は携帯食料オンリーである。もちろん料理人であるカムイが用意するのだから、携帯食料といえどもバリエーションに富み、味も悪くはない。だがどうしても新鮮な食材には負けてしまう。
しかし他に打つ手はないため、カムイは脳内で作れそうなレシピを浮かべる……が、その前にクロが言葉を挟んだ。
「ご主人、それとこれは別です。魚は食べます。でもあれは駄目です」
「我がまま猫め。魚を諦めるかあれを食べるかの二択だ」
「いえ、そもそもあれを食べるというのは選択肢になり得ません。従って我がままではなく、ただ魚を食べたいという要望です」
「だからそんな事を言っても、他に餌がないんだから…………あ」
カムイは閃いてしまった。その方法なら餌が探す必要もなく、もちろんウジ虫を餌にする事もない。あまり褒められた行動ではないかも知れないが、サバイバル中にそんな事は言ってられない。
「一旦戻るぞ」
「何か思い付いたんですか?」
「まあな」
ウジ虫を背に二人は再び沢に戻る。
鹿を洗い流している場所は魚が住めるほど深さがあるわけじゃないため、そこからさらに上流に向かう。
上流になると少しずつ水深が大きくなっていく。といっても腰ほどではあるが、魚が住むには十分だ。住処となり得る大きな石も沢山ある。カムイは無数にある石の中から手頃なものを一つ選ぶと、そこに飛び乗った。
そして腰の剣を抜く。念のため硬度で勝るロングソードを持って来ていたのだが、その判断は間違いではなかった。
カムイは剣を上段に構え、全力で振り下ろした!
「わわっ!」
クロが歓声をあげる。
何故かと言うとカムイが振り下ろした剣の衝撃は下へ下へと伝わり、石の影で休憩中だった魚を襲いーーーーこれを気絶させたのだ。すると当然だが気絶した魚は浮力に従い、水面に顔を出す。
カムイの一撃により、二桁近くの魚が無防備にもその身を晒しているのである。
クロは嬉しそうに沢に飛び込むと、気絶して浮かぶ魚を一匹ずつ丁寧に袋へ詰めて行く。
氷点下の山奥で行うには正に暴挙とも言えるものではあるが、クロは寒さを知らないかのように水の中を歩く。最悪回復魔法という便利なものもあるし、火もいつでも熾せるためカムイは何も言わずに石を叩き続ける。
一匹もいない時もあれば、同時に五匹以上浮き上がって来る時もある。それを小さいものは獲らず、食べ頃なものだけを獲って行く。もう二度と来る事はないだろうが、それでもそれがマナーというものである。それに万が一何日も帰れなかった場合はまたお世話になるかも知れないのだ。
「よし、これだけあれば十分だろう」
「はいです」
満足そうにクロも頷く。今回獲得した魚は全部で二十二匹。全てイワナというサケ科の魚だ。カムイは専門家ではないため、イワナの種類は流石に分からなかったが、食べられるし美味しい魚と分かればそれで良かった。
(やっぱり刺身か。あとは大胆にもそのまま焼いちゃって、残ったのは燻製にするか)
頭の中で料理の手順を組み立てて行く。
刺身は寄生虫の恐れもあるが、いちいち心配なんてしていられない。どれだけ新鮮でも寄生虫の可能性はあるし、酢で締めたところで食べて「美味しい!」なんて思う程度だったら効果は薄い。
寄生虫は内蔵に寄生している事が多いため、殺してすぐに内蔵を取り出せば寄生虫の危険に晒される確率はさらに減るだろう。カムイは気にせず刺身で食べる事にする。
「早く戻りましょう」
魚が食べたくて仕方がないのか、クロがカムイの手を引いて走る。しかしよくみればその唇は紫色になっていた。やはり寒かったのか。
クロはテントに着くとすぐに用意してあった枝に火を点け、震える指で着ている服を脱ごうとする……が、指がかじかんでいる所為か上手く脱げないようだ。それに焦りも加わって余計手間取っている。雪山で凍死する人間のお決まりパターンだ。
「手伝うよ」
拒否されるかもと思うカムイだが、意外にもクロはカムイをじっと見つめると無言でこくりと頷いた。
カムイはそれを確認すると、まずは羽織っている防寒具を取り、次にハルと色違いである着物を脱がせて行く。
家が道場を営んでいた身ではあるが、袴は履いても着物とは縁がなかった。しかしハルと過ごす事で着付けも完璧になった。イアンパヌの着物は日本のものと少し違って特殊な構造をしているが、手慣れたものである。
「……ぁ」
しかし帯を取り、いざ着物を脱がす段階で真っ白な肌着に指が触れ、クロのささやかな胸と桜色の頭頂部が露になる。もしも肌着が上から着るシャツやブラのようなものであれば起こらなかった事だが、クロが下に着ていたのは腰紐で縛るタイプのものであり、それがいつの間にか開(はだ)けていたのだ。つい真っ白な雪の上に乗る、淡いイチゴを凝視してしまう。
「……ん」
普段の言動を顧みるにここで罵倒されていてもおかしくないのだが、クロは僅かに身じろぎして胸を隠すだけで、カムイに何かを言う事はなかった。
さらりと流れる短い黒髪が影になり、その表情は見て取れない。
だからカムイも何かを口にする事はせず、無言で腕に触れて着物の袖からそれを抜き取った。
沢はそこまで大きいものではなく、かと言って小さ過ぎるわけでもないちょうどいいものだった。特に縛り付けたり重しを置かなくても流される事はなく、また水が不十分だという事もない。
ここではダニやノミなどの寄生虫の除去、鮮度を保つための低温処理を目的とするので、あとは時間が経つまで暇を潰すだけである。
「二時間か……今日食べるのは無理かもな」
ただでさえ陽が傾いているのだ。それに山中だと陽の光は遮られ、余計に日没が早くなる。
暗い中で作業が出来ないわけではないが、やらない方が無難だろう。しかし沢に置いたままだといるかどうかは不明だが、狼などに横取りされる可能性もある。
「……二時間経ったらテントに持って行って、精肉作業は明日するか。肉は雪の中に埋めておこう」
「そうですね」
異論はなかったのかクロは頷くが、その顔には「また携帯食料か……」という表情が浮かんでいる。もちろんカムイにも不満はあるのだが、そこばかりは仕方がない。
「改めて何か食料でも探すけど、期待は出来ないな」
仮にまた鹿を見付けたところでそれは食えないのだ。食べられるものといえば果実、野菜、キノコ類、魚……そこまで考えて、今自分がどこにいるのか気が付いた。
「クロ、喜べ。今から魚を釣るぞ」
「魚ですか!? 鯛ですか!?」
鯛がこんなところにいるわけがないのだが、カムイは特にツッコム事はせずに流した。
「取り敢えず魚を釣るけど、手製の木彫りルアーはちょっと川魚にはでか過ぎる。……というわけで、今から餌を採取に行きます、おー!」
「よく分かりませんが、おー!」
右手を天にかざし、今度はカムイを先頭にして歩き出す。既に餌となり得るものは見付けていたのだ。
川で魚を釣る場合は虫などを餌にするのだが、ここは雪山。餌になるような虫を見付けるのは困難だろう。だから運良く餌を見付けられた幸運にカムイは感謝する……そして巡り巡って早速魚が食べられる事にクロも喜んでいるのだが、その笑顔はすぐに凍り付く事になる。
「あれだよ、魚の餌になるのは」
カムイは指を差す。クロは瞳を輝かせながらその先に視線をやり、理解する事を拒んでか首を傾げた。
「……え?」
そこには屍肉を漁り、蠢く虫がいた…………その名もウジ虫である。
「あれ、ですか」
「あれ、だな」
ウジ虫とはつまり、蠅の幼虫だ。その機敏に肉を抉る様子ははっきり言って気持ちの良いものではない。それがいくら好物である魚の餌であったとしても、受け入れられない程度には。
「ーーーーご主人、無理です。あれは無理です。まず間違いなく、無理です」
そのおぞましさに語彙力を奪われたクロは、懸命にその存在を否定する。
「冷静に考えて下さい、ご主人。あれを餌にするという事は、私たちも間接的にあれを食すという事になります」
「いやいや、内蔵は取ればいいじゃん。それにそんな事言ってたら、肥料撒いて作ってる野菜を食べたら、間接的にうんこ食ってるのと一緒になるじゃないか」
「死んで下さい」
その理論が正しいとか正しくないとか、そんな意見はどうでも良かった。ただ今はカムイが憎たらしくて仕方がなかった。
その憎悪の目を向けられ、流石のカムイも不味い対応だと気が付いたのか、頬をぽりぽりと掻きながら肩を落とした。
「じゃあ魚は諦めるしかないか……」
となれば今日の晩ご飯は携帯食料オンリーである。もちろん料理人であるカムイが用意するのだから、携帯食料といえどもバリエーションに富み、味も悪くはない。だがどうしても新鮮な食材には負けてしまう。
しかし他に打つ手はないため、カムイは脳内で作れそうなレシピを浮かべる……が、その前にクロが言葉を挟んだ。
「ご主人、それとこれは別です。魚は食べます。でもあれは駄目です」
「我がまま猫め。魚を諦めるかあれを食べるかの二択だ」
「いえ、そもそもあれを食べるというのは選択肢になり得ません。従って我がままではなく、ただ魚を食べたいという要望です」
「だからそんな事を言っても、他に餌がないんだから…………あ」
カムイは閃いてしまった。その方法なら餌が探す必要もなく、もちろんウジ虫を餌にする事もない。あまり褒められた行動ではないかも知れないが、サバイバル中にそんな事は言ってられない。
「一旦戻るぞ」
「何か思い付いたんですか?」
「まあな」
ウジ虫を背に二人は再び沢に戻る。
鹿を洗い流している場所は魚が住めるほど深さがあるわけじゃないため、そこからさらに上流に向かう。
上流になると少しずつ水深が大きくなっていく。といっても腰ほどではあるが、魚が住むには十分だ。住処となり得る大きな石も沢山ある。カムイは無数にある石の中から手頃なものを一つ選ぶと、そこに飛び乗った。
そして腰の剣を抜く。念のため硬度で勝るロングソードを持って来ていたのだが、その判断は間違いではなかった。
カムイは剣を上段に構え、全力で振り下ろした!
「わわっ!」
クロが歓声をあげる。
何故かと言うとカムイが振り下ろした剣の衝撃は下へ下へと伝わり、石の影で休憩中だった魚を襲いーーーーこれを気絶させたのだ。すると当然だが気絶した魚は浮力に従い、水面に顔を出す。
カムイの一撃により、二桁近くの魚が無防備にもその身を晒しているのである。
クロは嬉しそうに沢に飛び込むと、気絶して浮かぶ魚を一匹ずつ丁寧に袋へ詰めて行く。
氷点下の山奥で行うには正に暴挙とも言えるものではあるが、クロは寒さを知らないかのように水の中を歩く。最悪回復魔法という便利なものもあるし、火もいつでも熾せるためカムイは何も言わずに石を叩き続ける。
一匹もいない時もあれば、同時に五匹以上浮き上がって来る時もある。それを小さいものは獲らず、食べ頃なものだけを獲って行く。もう二度と来る事はないだろうが、それでもそれがマナーというものである。それに万が一何日も帰れなかった場合はまたお世話になるかも知れないのだ。
「よし、これだけあれば十分だろう」
「はいです」
満足そうにクロも頷く。今回獲得した魚は全部で二十二匹。全てイワナというサケ科の魚だ。カムイは専門家ではないため、イワナの種類は流石に分からなかったが、食べられるし美味しい魚と分かればそれで良かった。
(やっぱり刺身か。あとは大胆にもそのまま焼いちゃって、残ったのは燻製にするか)
頭の中で料理の手順を組み立てて行く。
刺身は寄生虫の恐れもあるが、いちいち心配なんてしていられない。どれだけ新鮮でも寄生虫の可能性はあるし、酢で締めたところで食べて「美味しい!」なんて思う程度だったら効果は薄い。
寄生虫は内蔵に寄生している事が多いため、殺してすぐに内蔵を取り出せば寄生虫の危険に晒される確率はさらに減るだろう。カムイは気にせず刺身で食べる事にする。
「早く戻りましょう」
魚が食べたくて仕方がないのか、クロがカムイの手を引いて走る。しかしよくみればその唇は紫色になっていた。やはり寒かったのか。
クロはテントに着くとすぐに用意してあった枝に火を点け、震える指で着ている服を脱ごうとする……が、指がかじかんでいる所為か上手く脱げないようだ。それに焦りも加わって余計手間取っている。雪山で凍死する人間のお決まりパターンだ。
「手伝うよ」
拒否されるかもと思うカムイだが、意外にもクロはカムイをじっと見つめると無言でこくりと頷いた。
カムイはそれを確認すると、まずは羽織っている防寒具を取り、次にハルと色違いである着物を脱がせて行く。
家が道場を営んでいた身ではあるが、袴は履いても着物とは縁がなかった。しかしハルと過ごす事で着付けも完璧になった。イアンパヌの着物は日本のものと少し違って特殊な構造をしているが、手慣れたものである。
「……ぁ」
しかし帯を取り、いざ着物を脱がす段階で真っ白な肌着に指が触れ、クロのささやかな胸と桜色の頭頂部が露になる。もしも肌着が上から着るシャツやブラのようなものであれば起こらなかった事だが、クロが下に着ていたのは腰紐で縛るタイプのものであり、それがいつの間にか開(はだ)けていたのだ。つい真っ白な雪の上に乗る、淡いイチゴを凝視してしまう。
「……ん」
普段の言動を顧みるにここで罵倒されていてもおかしくないのだが、クロは僅かに身じろぎして胸を隠すだけで、カムイに何かを言う事はなかった。
さらりと流れる短い黒髪が影になり、その表情は見て取れない。
だからカムイも何かを口にする事はせず、無言で腕に触れて着物の袖からそれを抜き取った。
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