18 / 32
1章 始まりの街
10話 帰還
しおりを挟む
設定した通りトウジョウ君は、18時に始まりの街へと戻ってきた。そう、戻ってきたのだ。街の中に…。
「すっごい見られてるね」
「そうだな…」
動きが止まり、時刻が18時になっていたので、リサは立ち上がり箱から顔を出した。すると、その場所は、始まりの街に中であり、入り口の門の傍だった。周りには、興味深く見つめるプレイヤーや、武器を構えるプレイヤーがいた。
「取り合えず、下ろして」
トウジョウ君に命令すると、しゃがんでくれたので、アヤネの手を引いて地面に降り立つ。目立つトウジョウ君をさっさと消し去る。石の山が出来たので、邪魔にならない様にインベントリへと仕舞う。
「ねぇ、あの娘、ギルドの…」
「そうだ。ギルドで見たプレイヤーだ!」
「すげぇ…ゴーレムに乗ってる」
野次馬から様々な声が聞かれたが、リサはそれを無視して、アヤネを連れて歩き出す。武器を構えていたプレイヤーも、リサがギルドで騒動を起こした人物だと知ると、慌てて武器を仕舞い込んだ。
「今度は、街の外で待機するように設定しないとな」
「そ、そうだね」
苦笑いを浮かべ、リサはギルドへと向かう。ゴブリンをメインに倒したのは、上限数達成報酬で得られる祝福の指輪を手に入れたいからだ。その指輪さえあれば、もう1体追加で、MPゴーレムが作れる。
1体辺り、1分間に10ずつMPを消費する。本来、仕様では1分間に10ずつMPが回復するが、リサの場合、MPゴーレムの維持費に使用している為、回復しない。
2体目を作るとなると1分間に20ずつMPが減る。今のままだとマイナスになるので、早急に、MPが回復する指輪が欲しかった。
尚、ゴーレムBOTを残してログアウトした場合の維持費は、キャラがいなくても反映される。ログアウト中も減ったMPは回復する仕様で、これはタワーを攻略する時に合わせての設定だった。
どうしてもタワーを攻略している時に、ログアウトしなくてはいけない用事がある。その時に、ログアウトすると、ログインした時、その場からスタートできる。これは、ソロで挑んでいても、PTを組んでいても同じ仕様であり、時には、ログインした時にPTメンバーがいなくて、死ぬプレイヤーもいた。
ログアウト中の回復はMPだけで、HPは回復しない。ポーションを使用するか、回復魔法を受けるか、宿屋に泊まるしか回復しない。そう考えると、リサの職業、ゴーレムクリエイターはチート級だと考えられる。
ゴーレムBOTを使えば、ログアウト中でも経験値やドロップアイテムを得られる。只、このスキルには隠された制限がある。リサはまだ知らないが、課金をすると、このスキルは消えてしまう。
無課金でプレイしているからこそ使えるスキルである。リサは課金をしない設定をしたので、偶然にも、ゴーレムBOTを効率よく使える。本人はまだ自覚は無いが、本当の無課金プレイヤーはごくわずかである。低額でも課金すれば、その時点で無課金プレイヤーではなくなる。
アヤネの様に、課金プレイヤーからガチャの装備を貰ったプレイヤーも、無課金のプレイヤーになる。自分から課金しなければ無課金。なので、本当の強者は、無課金でありながら、課金プレイヤーからアイテムを譲り受けているプレイヤーだ。
アヤネもいずれ、大物になる資質を持っている。見た目と性格のギャップから、ファンが集まり、貢がれる事もあるが、本人は気づいていない。
リサはアヤネと並んでギルドへと入る。昼過ぎの決闘が目立ったのか、リサ達に注目する視線が増えた。そのまま、気にせずにリサは歩き、受付カウンターの列へと並ぶ。
「リサちゃん、本当に貰っていいの?」
「いいよ。今は、ゴブリンの討伐部位が欲しいから、それ以外は必要ない。それに、いつでも狩れるから」
リサはゴブリンの討伐部位、左耳以外のドロップアイテムをアヤネに渡した。
「あ…魔石は、貰うけど」
「うん、それは良いよ。狩ったのはリサちゃんだし」
魔石を残し、アヤネに渡した事で、彼女はクエストの収集数が上がった。Eランクのクエストも受注しており、対象のドロップアイテムも集まった。ホクホク顔で嬉しそうにしている。
アヤネのにやけ顔を見ながら、リサはインベントリを確認する。モンスターは低確率で、倒した時、魔石がドロップする。その魔石は売れば資金源になり、魔道具を作成する素材にも使用されている。
低確率で得られる魔石が、リサの場合トウジョウ君のLUKが反映し、100%ドロップしていた。LUKが高い程、魔石が手に入り、レアなドロップアイテムを得る事が出来る。リサのインベントリには大量の、ゴブリン以外のモンスターの魔石が入っていた。
その魔石は、当然、ゴーレムクリエイターのスキル、ゴーレムクリエイトにも使用できる。問題なのは、最強のゴーレムを作るのに、魔石の数が足らない事だ。リサはゴーレムを作るのなら、最強の物を作りたい。そう思っていた。
(全然足らない)
現時点でゴーレムクリエイトで作成できるゴーレムは2種類で、それは現在いる場所によって異なる。始まりの街周辺で得られる素材で作れるゴーレムが表示されていた。行く先々で、作れるゴーレムが変わるのだと、思いながら、リサは、作成できるゴーレムのリストを見て、待ち時間を潰す。
現在、リサが作れるゴーレムは、ゴブリンを素材にしたゴーレムと、ウルフ系モンスターを素材にしたゴーレムの2種類だった。始まりの街でドロップするアイテムが素材として使われる。
ゴブリンゴーレム
ゴブリンの魔石:100個
鉄鉱石:10個
ゴブリンキングの骨格:1体
最低でも、これだけの素材があれば作る事が出来る。プレイヤーのステータスポイントと同じで、ポイントを振り分けてステータスを決める。そのポイントは魔石の数で決まっており、魔石1=1ポイントと計算されていた。只、モンスターの強さにより、魔石1つから得られるポイントは異なる。
つまり、リサの様な初めて就く職業を選ばないプレイヤーと同じ強さになる。違う事は、ゴーレムは成長しない。作ればその強さに固定されるが、魔改造強化等のスキルを使えば、鍛える事は出来る。
(元が弱かったら意味がないしな)
いくらスキルで底上げしても、元が弱いと意味がない。リサは、作るのなら上限までの魔石や素材を使用して、ゴブリンゴーレムを作成しようと考えた。
ゴブリンゴーレム
ゴブリンの魔石:10000個
鉄鉱石:1000個
ゴブリンキングの骨格×10
作る事が出来るか不明だが、ゴブリンゴーレムの上限の強さに必要な素材の数だ。集めるのに苦労するが、その代わり得られる物も多い。問題があるとすれば、ゴーレムクリエイトの使用時に必要なMPが不足している事だ。
もし、10000個のゴブリンの魔石を使うのなら、魔石と同じ10000のMPを消費する。現時点で上限までの個数を使用してゴーレムを作る事は不可能であり、MPを上げる必要がある。簡単に最強は手に入らないという仕組みだ。運営も考えている。
「次の方どうぞ」
「ん?」
いつの間にか、人がいなくなり誰も並んでいなかった。
「リサちゃん…」
振り返ると、アヤネの後ろにも人は並んでいない。何故か、リサの並んでいる列のカウンターだけ、避けられていた。リサは怪訝そうな顔をすると、受付嬢に話しかける。
「クエストの更新をお願いしたいのだけど」
「畏まりました。依頼書を提出してください」
依頼書をインベントリから取り出す。依頼書は、上限達成報酬を得るまで持つ事が出来、最後は、依頼書の返却で、達成報酬が貰える。そして、依頼書が更新されて、現在の討伐数や、回収したドロップアイテムの数が記載される。
「依頼書の更新、完了しました。達成した各ポイントは称号として、プレイヤーに反映しましたので、ステータス画面にて確認してください」
預けた依頼書を受け取ると、アヤネも受付で依頼書を提出していた。彼女の作業が終わると満面の笑みで、リサに近づいてきた。
「リサちゃん、上限達成報酬、貰えたよ!」
嬉しそうにアヤネはリサに抱き着く。彼女の胸にリサの顔が埋もれる。何とか引きはがすと、アヤネはインベントリから茶色い毛皮のコートを取り出した。
「ハンターウルフの毛皮の収集の上限達成報酬だよ。リサちゃん、毛皮余ってるけど、返そうか?」
フサフサした腰辺りまである茶色い毛皮コートは、見た目に反して、VITが高い。無課金でプレイするなら、最適な装備だと思える。リサは、余った毛皮を受け取った。
「このコート、炎属性に弱いみたい。でも、氷属性の耐性はあるみたいだけど」
アヤネ曰く、弱点の炎に晒されると燃えて消えるらしい。装備破壊と言う現象が起きる設定らしい。課金装備と同じ性能を持つ装備だから、何か裏があると思っていたが、まさか、装備が壊れるとは思っていなかった。
(だからか? コートを身に着けているプレイヤーが少ない)
初心者ですら身に着けていない。否、ハンターウルフに挑む推奨レベルはLV:20からであり、初心者には倒せない。それをリサは軽々と倒していた。おかげれ、リサも、アヤネも経験値を得て、レベルが上がっていた。リサはLV:15、アヤネはLV:25にまで上がっている。
PTを組んだ事で経験値が均等に配布され、少し減ったが、それでも初日にしては上々のスタートだった。
「アヤネ、これからどうする?」
「私は…ログアウトするかな? 早速、リサちゃんを主人公にした漫画のプロットを描きたいし」
照れながら話すアヤネに、リサは苦笑いを浮かべる。
「主人公なのは確定なのか」
「当然だよ! だって、ネタの塊だもの。逃すわけないでしょ」
ネタ扱いされて肩を落とす。
(まぁ、アヤネと楽しく遊べたし、話も聞けたし別にいかな?)
変に描かなければ問題ないと思い、リサとアヤネはギルドの2階へと向かう。ログアウトはどんな場所でも出来るが、ログインの時に、その場所にプレイヤーがいれば、入る事が出来ない。
それを避ける為に、2階の個室を利用する。個室はそれぞれプレイヤー毎に隔離された空間が与えられ、ログイン時の失敗を防ぐ事が出来る。扉の入り口前でアヤネと別れると、リサは中へと入り、備え付けのベッドに横になる。
時刻は18時30分過ぎで、ログアウト後、夕食を取るつもりだった。20時の待ち合わせに間に合うように、支度をし、冷房を入れていても汗を流していたので、シャワーを浴びる。
ログイン前に、亜里沙にLINEを送り、返事を確認した後、20時前に再度、ログインをするのだった。
「すっごい見られてるね」
「そうだな…」
動きが止まり、時刻が18時になっていたので、リサは立ち上がり箱から顔を出した。すると、その場所は、始まりの街に中であり、入り口の門の傍だった。周りには、興味深く見つめるプレイヤーや、武器を構えるプレイヤーがいた。
「取り合えず、下ろして」
トウジョウ君に命令すると、しゃがんでくれたので、アヤネの手を引いて地面に降り立つ。目立つトウジョウ君をさっさと消し去る。石の山が出来たので、邪魔にならない様にインベントリへと仕舞う。
「ねぇ、あの娘、ギルドの…」
「そうだ。ギルドで見たプレイヤーだ!」
「すげぇ…ゴーレムに乗ってる」
野次馬から様々な声が聞かれたが、リサはそれを無視して、アヤネを連れて歩き出す。武器を構えていたプレイヤーも、リサがギルドで騒動を起こした人物だと知ると、慌てて武器を仕舞い込んだ。
「今度は、街の外で待機するように設定しないとな」
「そ、そうだね」
苦笑いを浮かべ、リサはギルドへと向かう。ゴブリンをメインに倒したのは、上限数達成報酬で得られる祝福の指輪を手に入れたいからだ。その指輪さえあれば、もう1体追加で、MPゴーレムが作れる。
1体辺り、1分間に10ずつMPを消費する。本来、仕様では1分間に10ずつMPが回復するが、リサの場合、MPゴーレムの維持費に使用している為、回復しない。
2体目を作るとなると1分間に20ずつMPが減る。今のままだとマイナスになるので、早急に、MPが回復する指輪が欲しかった。
尚、ゴーレムBOTを残してログアウトした場合の維持費は、キャラがいなくても反映される。ログアウト中も減ったMPは回復する仕様で、これはタワーを攻略する時に合わせての設定だった。
どうしてもタワーを攻略している時に、ログアウトしなくてはいけない用事がある。その時に、ログアウトすると、ログインした時、その場からスタートできる。これは、ソロで挑んでいても、PTを組んでいても同じ仕様であり、時には、ログインした時にPTメンバーがいなくて、死ぬプレイヤーもいた。
ログアウト中の回復はMPだけで、HPは回復しない。ポーションを使用するか、回復魔法を受けるか、宿屋に泊まるしか回復しない。そう考えると、リサの職業、ゴーレムクリエイターはチート級だと考えられる。
ゴーレムBOTを使えば、ログアウト中でも経験値やドロップアイテムを得られる。只、このスキルには隠された制限がある。リサはまだ知らないが、課金をすると、このスキルは消えてしまう。
無課金でプレイしているからこそ使えるスキルである。リサは課金をしない設定をしたので、偶然にも、ゴーレムBOTを効率よく使える。本人はまだ自覚は無いが、本当の無課金プレイヤーはごくわずかである。低額でも課金すれば、その時点で無課金プレイヤーではなくなる。
アヤネの様に、課金プレイヤーからガチャの装備を貰ったプレイヤーも、無課金のプレイヤーになる。自分から課金しなければ無課金。なので、本当の強者は、無課金でありながら、課金プレイヤーからアイテムを譲り受けているプレイヤーだ。
アヤネもいずれ、大物になる資質を持っている。見た目と性格のギャップから、ファンが集まり、貢がれる事もあるが、本人は気づいていない。
リサはアヤネと並んでギルドへと入る。昼過ぎの決闘が目立ったのか、リサ達に注目する視線が増えた。そのまま、気にせずにリサは歩き、受付カウンターの列へと並ぶ。
「リサちゃん、本当に貰っていいの?」
「いいよ。今は、ゴブリンの討伐部位が欲しいから、それ以外は必要ない。それに、いつでも狩れるから」
リサはゴブリンの討伐部位、左耳以外のドロップアイテムをアヤネに渡した。
「あ…魔石は、貰うけど」
「うん、それは良いよ。狩ったのはリサちゃんだし」
魔石を残し、アヤネに渡した事で、彼女はクエストの収集数が上がった。Eランクのクエストも受注しており、対象のドロップアイテムも集まった。ホクホク顔で嬉しそうにしている。
アヤネのにやけ顔を見ながら、リサはインベントリを確認する。モンスターは低確率で、倒した時、魔石がドロップする。その魔石は売れば資金源になり、魔道具を作成する素材にも使用されている。
低確率で得られる魔石が、リサの場合トウジョウ君のLUKが反映し、100%ドロップしていた。LUKが高い程、魔石が手に入り、レアなドロップアイテムを得る事が出来る。リサのインベントリには大量の、ゴブリン以外のモンスターの魔石が入っていた。
その魔石は、当然、ゴーレムクリエイターのスキル、ゴーレムクリエイトにも使用できる。問題なのは、最強のゴーレムを作るのに、魔石の数が足らない事だ。リサはゴーレムを作るのなら、最強の物を作りたい。そう思っていた。
(全然足らない)
現時点でゴーレムクリエイトで作成できるゴーレムは2種類で、それは現在いる場所によって異なる。始まりの街周辺で得られる素材で作れるゴーレムが表示されていた。行く先々で、作れるゴーレムが変わるのだと、思いながら、リサは、作成できるゴーレムのリストを見て、待ち時間を潰す。
現在、リサが作れるゴーレムは、ゴブリンを素材にしたゴーレムと、ウルフ系モンスターを素材にしたゴーレムの2種類だった。始まりの街でドロップするアイテムが素材として使われる。
ゴブリンゴーレム
ゴブリンの魔石:100個
鉄鉱石:10個
ゴブリンキングの骨格:1体
最低でも、これだけの素材があれば作る事が出来る。プレイヤーのステータスポイントと同じで、ポイントを振り分けてステータスを決める。そのポイントは魔石の数で決まっており、魔石1=1ポイントと計算されていた。只、モンスターの強さにより、魔石1つから得られるポイントは異なる。
つまり、リサの様な初めて就く職業を選ばないプレイヤーと同じ強さになる。違う事は、ゴーレムは成長しない。作ればその強さに固定されるが、魔改造強化等のスキルを使えば、鍛える事は出来る。
(元が弱かったら意味がないしな)
いくらスキルで底上げしても、元が弱いと意味がない。リサは、作るのなら上限までの魔石や素材を使用して、ゴブリンゴーレムを作成しようと考えた。
ゴブリンゴーレム
ゴブリンの魔石:10000個
鉄鉱石:1000個
ゴブリンキングの骨格×10
作る事が出来るか不明だが、ゴブリンゴーレムの上限の強さに必要な素材の数だ。集めるのに苦労するが、その代わり得られる物も多い。問題があるとすれば、ゴーレムクリエイトの使用時に必要なMPが不足している事だ。
もし、10000個のゴブリンの魔石を使うのなら、魔石と同じ10000のMPを消費する。現時点で上限までの個数を使用してゴーレムを作る事は不可能であり、MPを上げる必要がある。簡単に最強は手に入らないという仕組みだ。運営も考えている。
「次の方どうぞ」
「ん?」
いつの間にか、人がいなくなり誰も並んでいなかった。
「リサちゃん…」
振り返ると、アヤネの後ろにも人は並んでいない。何故か、リサの並んでいる列のカウンターだけ、避けられていた。リサは怪訝そうな顔をすると、受付嬢に話しかける。
「クエストの更新をお願いしたいのだけど」
「畏まりました。依頼書を提出してください」
依頼書をインベントリから取り出す。依頼書は、上限達成報酬を得るまで持つ事が出来、最後は、依頼書の返却で、達成報酬が貰える。そして、依頼書が更新されて、現在の討伐数や、回収したドロップアイテムの数が記載される。
「依頼書の更新、完了しました。達成した各ポイントは称号として、プレイヤーに反映しましたので、ステータス画面にて確認してください」
預けた依頼書を受け取ると、アヤネも受付で依頼書を提出していた。彼女の作業が終わると満面の笑みで、リサに近づいてきた。
「リサちゃん、上限達成報酬、貰えたよ!」
嬉しそうにアヤネはリサに抱き着く。彼女の胸にリサの顔が埋もれる。何とか引きはがすと、アヤネはインベントリから茶色い毛皮のコートを取り出した。
「ハンターウルフの毛皮の収集の上限達成報酬だよ。リサちゃん、毛皮余ってるけど、返そうか?」
フサフサした腰辺りまである茶色い毛皮コートは、見た目に反して、VITが高い。無課金でプレイするなら、最適な装備だと思える。リサは、余った毛皮を受け取った。
「このコート、炎属性に弱いみたい。でも、氷属性の耐性はあるみたいだけど」
アヤネ曰く、弱点の炎に晒されると燃えて消えるらしい。装備破壊と言う現象が起きる設定らしい。課金装備と同じ性能を持つ装備だから、何か裏があると思っていたが、まさか、装備が壊れるとは思っていなかった。
(だからか? コートを身に着けているプレイヤーが少ない)
初心者ですら身に着けていない。否、ハンターウルフに挑む推奨レベルはLV:20からであり、初心者には倒せない。それをリサは軽々と倒していた。おかげれ、リサも、アヤネも経験値を得て、レベルが上がっていた。リサはLV:15、アヤネはLV:25にまで上がっている。
PTを組んだ事で経験値が均等に配布され、少し減ったが、それでも初日にしては上々のスタートだった。
「アヤネ、これからどうする?」
「私は…ログアウトするかな? 早速、リサちゃんを主人公にした漫画のプロットを描きたいし」
照れながら話すアヤネに、リサは苦笑いを浮かべる。
「主人公なのは確定なのか」
「当然だよ! だって、ネタの塊だもの。逃すわけないでしょ」
ネタ扱いされて肩を落とす。
(まぁ、アヤネと楽しく遊べたし、話も聞けたし別にいかな?)
変に描かなければ問題ないと思い、リサとアヤネはギルドの2階へと向かう。ログアウトはどんな場所でも出来るが、ログインの時に、その場所にプレイヤーがいれば、入る事が出来ない。
それを避ける為に、2階の個室を利用する。個室はそれぞれプレイヤー毎に隔離された空間が与えられ、ログイン時の失敗を防ぐ事が出来る。扉の入り口前でアヤネと別れると、リサは中へと入り、備え付けのベッドに横になる。
時刻は18時30分過ぎで、ログアウト後、夕食を取るつもりだった。20時の待ち合わせに間に合うように、支度をし、冷房を入れていても汗を流していたので、シャワーを浴びる。
ログイン前に、亜里沙にLINEを送り、返事を確認した後、20時前に再度、ログインをするのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる