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70話 堕落
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運命を変える。
その言葉は、元勇者であるカルツにあまりにも甘美な響きを持っていた。
「運命を、変えるんだと……?」
「ああ、ヴェンデッタになるのだ」
「ヴェン……デッタ?」
「自分のすべてをかけて行う復讐を、ヴェンデッタと言う」
カルツの両目が見開かれる。自分のすべてをかけて行う復讐。
それは、今の自分が待ち望んでいることではないか。
「……その前に、一つ聞こう。お前は誰だ?何故俺と同じ顔をしてやがる?」
「当たり前なことをわざわざ聞くな。俺がお前だからに決まってるだろ」
「……………………は?」
「俺はお前だ、カルツ」
目の前のもう一人のカルツはニヤリと笑いながら、続けて言う。
「お前が抱いてきたすべての劣等感、嫉妬、絶望、苦痛……その塊が俺なのだよ。俺はお前の本能だ。俺はお前の本質だ。誰だって心の中に一匹くらいは、悪魔を飼ってるからな」
「は……?悪魔って!貴様、今なにを言って―――」
「あいつをぶっ殺したいだろ?」
カルツがなにかを言い出そうとしたその瞬間、もう一人のカルツが言葉を遮る。
「地下の実験室でやられたみたいに、あいつをぶん殴って蹴り飛ばしてボコボコにしたいだろ?最悪の苦痛を味合わせたいんじゃないのか?カルツよ」
「……………………………」
「悪魔。そう、あいつは悪魔なのになんで勝つのかな?なんで、あいつが幸せになるのが運命なのかな?答えは決まっている―――あいつがお前の運命を呑み込んだからだ」
さっきも似たような言葉を聞いたことを、カルツは思い出す。
お前の運命も、お前の光も、お前の名誉もすべてあいつのものなんだよ。
お前が手に入れられなかった、仲間たちの心まで――――
「お前は奪われたんだよ。なにもかも奪われたんだ!さっきも見ただろ?この物語の主人公はお前だった!!悪魔を倒し、仲間たちと親密な関係を保ちながらも騎士団長として活躍する。すべての、この大陸のすべての人に敬われる絶対的な英雄。それがお前なのだ!!」
「…………」
「なのに、さっきの光景を思い出してみろ!このままだと、お前が享受すべきだったすべての尊敬と名誉をあいつに奪われてしまう!アルウィンやブリエンといった仲間たちの心まで、すべて!」
「………………………………………………………………」
「復讐したいだろ?ヤツをズタズタに切り刻んで、仲間たちまで皆殺しにしてお前の正しさを証明したいだろ?」
「………それは」
「なら、この手を握れ。そうすればお前に力を与えてやろう」
もう一人のカルツは、自信満々な顔で手を差し伸べてくる。しかし、カルツはただただ沈黙を保っていた。
言葉にはできなくても、彼も薄々気づいているのだ。これは悪魔との取引だと。
もう二度と元には戻れなくなりそうな強い予感。完全に堕ちていくことに対しての、漠然とした恐怖。
しかし、その迷いを取り払うように。
もう一人のカルツは、別の手で人差し指を立てながら言う。
「一つだけアドバイスをしよう、カルツ」
「……は?アドバイスって?」
「復讐は最高に気持ちいい」
その言葉に、再びカルツの目が見開かれる。
「復讐は甘い。復讐ほど素敵な快楽はない。想像してみろ。お前からすべてを奪い取ったヤツを徹底的に潰した時の快感を。実際、狂ったようにダンジョンに閉じこもっていたのもそのためだっただろ……?ヤツを殺すために」
「………………………………………」
「奪われたものを、奪い返しに行くだけだ。カルツ、なにを迷っている?」
もう一人のカルツは、差し伸べた手をぶんぶん振りながらしれっと言った。
「どうせ、今のお前にはもう何も残ってはいないのに」
「………………ははっ、あははっ」
何も残っていない。
その言葉は、的確にカルツの胸に刺さって、大きな波紋を作る。そうだった。
今更、なにを迷っているんだろう?自分も薄々気づいてたじゃないか。
いつの間にか、悪魔だからヤツを倒すという大義名分より、自分の個人的な感情が先走っていたことを。
ヤツの苦しむ顔が見たい。苦痛に歪む顔も、絶望に満ちた顔も、暴力と剣で体がボロボロになった時の顔も。
それを見るために、ダンジョンで閉じこもっていたじゃないか。勇者だから悪魔を倒さなければ、と都合よく自分を正当化して。
「そうだな……確かに、俺にはなにも残っていない」
カルツはもう一度、さっき見た光景を思い出す。
悪魔の前で、幸せそうに笑っていたアルウィンとブリエン。そして、最後に見えた僅かな恋心まで。
「……………………………………………裏切り者ども」
復讐は甘い。復讐は最高に気持ちいい。
確かに、その通りだとカルツは思った。
だって、今も――――
「…………ふふっ」
もう一人の自分と握手をしているこの瞬間さえも。
カルツの頭の中には、苦痛で泣き叫ぶカイの姿が浮かんでいるから。
「そうだ……これが本当のお前だ」
「……あはっ、あはははっ」
「本能のまま復讐を遂げろ。ヤツを殺せ、カルツ」
そして、もう一人のカルツの体が急に薄まったと思うと―――
「ヴェンデッタになって、道を阻むやつらを全員、殺すんだ」
完全にカルツの体の中に溶け込んで、消えてしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「………………………………………………っ、ぁ……」
「ふうん、起きたか。思ってた以上にペースが速いな」
「こ…………………こ…………………は?」
「悪魔の実験室だ」
「…………………」
薄暗い施設の中。
第2皇子アドルフは、半分グールと化したカルツを見ながら狂ったように叫ぶ。
「ははっ、あははっ……!!これで、ようやく偽物の悪魔を殺せる……!!」
元々、こういう計画を立てていたわけではないけど。
有意義に使えそうな駒をもらって、カルツは歓喜に打ち震えていた。
その言葉は、元勇者であるカルツにあまりにも甘美な響きを持っていた。
「運命を、変えるんだと……?」
「ああ、ヴェンデッタになるのだ」
「ヴェン……デッタ?」
「自分のすべてをかけて行う復讐を、ヴェンデッタと言う」
カルツの両目が見開かれる。自分のすべてをかけて行う復讐。
それは、今の自分が待ち望んでいることではないか。
「……その前に、一つ聞こう。お前は誰だ?何故俺と同じ顔をしてやがる?」
「当たり前なことをわざわざ聞くな。俺がお前だからに決まってるだろ」
「……………………は?」
「俺はお前だ、カルツ」
目の前のもう一人のカルツはニヤリと笑いながら、続けて言う。
「お前が抱いてきたすべての劣等感、嫉妬、絶望、苦痛……その塊が俺なのだよ。俺はお前の本能だ。俺はお前の本質だ。誰だって心の中に一匹くらいは、悪魔を飼ってるからな」
「は……?悪魔って!貴様、今なにを言って―――」
「あいつをぶっ殺したいだろ?」
カルツがなにかを言い出そうとしたその瞬間、もう一人のカルツが言葉を遮る。
「地下の実験室でやられたみたいに、あいつをぶん殴って蹴り飛ばしてボコボコにしたいだろ?最悪の苦痛を味合わせたいんじゃないのか?カルツよ」
「……………………………」
「悪魔。そう、あいつは悪魔なのになんで勝つのかな?なんで、あいつが幸せになるのが運命なのかな?答えは決まっている―――あいつがお前の運命を呑み込んだからだ」
さっきも似たような言葉を聞いたことを、カルツは思い出す。
お前の運命も、お前の光も、お前の名誉もすべてあいつのものなんだよ。
お前が手に入れられなかった、仲間たちの心まで――――
「お前は奪われたんだよ。なにもかも奪われたんだ!さっきも見ただろ?この物語の主人公はお前だった!!悪魔を倒し、仲間たちと親密な関係を保ちながらも騎士団長として活躍する。すべての、この大陸のすべての人に敬われる絶対的な英雄。それがお前なのだ!!」
「…………」
「なのに、さっきの光景を思い出してみろ!このままだと、お前が享受すべきだったすべての尊敬と名誉をあいつに奪われてしまう!アルウィンやブリエンといった仲間たちの心まで、すべて!」
「………………………………………………………………」
「復讐したいだろ?ヤツをズタズタに切り刻んで、仲間たちまで皆殺しにしてお前の正しさを証明したいだろ?」
「………それは」
「なら、この手を握れ。そうすればお前に力を与えてやろう」
もう一人のカルツは、自信満々な顔で手を差し伸べてくる。しかし、カルツはただただ沈黙を保っていた。
言葉にはできなくても、彼も薄々気づいているのだ。これは悪魔との取引だと。
もう二度と元には戻れなくなりそうな強い予感。完全に堕ちていくことに対しての、漠然とした恐怖。
しかし、その迷いを取り払うように。
もう一人のカルツは、別の手で人差し指を立てながら言う。
「一つだけアドバイスをしよう、カルツ」
「……は?アドバイスって?」
「復讐は最高に気持ちいい」
その言葉に、再びカルツの目が見開かれる。
「復讐は甘い。復讐ほど素敵な快楽はない。想像してみろ。お前からすべてを奪い取ったヤツを徹底的に潰した時の快感を。実際、狂ったようにダンジョンに閉じこもっていたのもそのためだっただろ……?ヤツを殺すために」
「………………………………………」
「奪われたものを、奪い返しに行くだけだ。カルツ、なにを迷っている?」
もう一人のカルツは、差し伸べた手をぶんぶん振りながらしれっと言った。
「どうせ、今のお前にはもう何も残ってはいないのに」
「………………ははっ、あははっ」
何も残っていない。
その言葉は、的確にカルツの胸に刺さって、大きな波紋を作る。そうだった。
今更、なにを迷っているんだろう?自分も薄々気づいてたじゃないか。
いつの間にか、悪魔だからヤツを倒すという大義名分より、自分の個人的な感情が先走っていたことを。
ヤツの苦しむ顔が見たい。苦痛に歪む顔も、絶望に満ちた顔も、暴力と剣で体がボロボロになった時の顔も。
それを見るために、ダンジョンで閉じこもっていたじゃないか。勇者だから悪魔を倒さなければ、と都合よく自分を正当化して。
「そうだな……確かに、俺にはなにも残っていない」
カルツはもう一度、さっき見た光景を思い出す。
悪魔の前で、幸せそうに笑っていたアルウィンとブリエン。そして、最後に見えた僅かな恋心まで。
「……………………………………………裏切り者ども」
復讐は甘い。復讐は最高に気持ちいい。
確かに、その通りだとカルツは思った。
だって、今も――――
「…………ふふっ」
もう一人の自分と握手をしているこの瞬間さえも。
カルツの頭の中には、苦痛で泣き叫ぶカイの姿が浮かんでいるから。
「そうだ……これが本当のお前だ」
「……あはっ、あはははっ」
「本能のまま復讐を遂げろ。ヤツを殺せ、カルツ」
そして、もう一人のカルツの体が急に薄まったと思うと―――
「ヴェンデッタになって、道を阻むやつらを全員、殺すんだ」
完全にカルツの体の中に溶け込んで、消えてしまった。
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「………………………………………………っ、ぁ……」
「ふうん、起きたか。思ってた以上にペースが速いな」
「こ…………………こ…………………は?」
「悪魔の実験室だ」
「…………………」
薄暗い施設の中。
第2皇子アドルフは、半分グールと化したカルツを見ながら狂ったように叫ぶ。
「ははっ、あははっ……!!これで、ようやく偽物の悪魔を殺せる……!!」
元々、こういう計画を立てていたわけではないけど。
有意義に使えそうな駒をもらって、カルツは歓喜に打ち震えていた。
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