【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜

雨香

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番外編 クルミ

レスター主催パーティー1 つむぎside

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 王宮のパーティーホールまでの廊下を私とクルミと秋で歩く。

 ヤノさんは今産休中。 クルミ達より少し後に一人女の子を、そして今また双子を妊娠中だ。

 レアットちゃんは最近クロードさんと結婚式を挙げて、今もう妊娠中。

 クレアちゃんも三つ子のあとにまた一人産んだ。みーんな糸目ですごく可愛い。
 レスターや秋の側近になるためルース君がしごいているし、小さい頃は皆レスター達と混ざってお爺さん先生達に見てもらった。

 私の周りはずっとベビーブーム。お爺さん先生達は休む暇もないけど、小さな子竜達はすごく可愛い。

 私の例を見て、魔力の強い子に母親を守らせる方法を皆とっている。

 ユアンさんのところの長女サラちゃんは女の子なのに魔力が強く、いまや女騎士様のようにヤノさんを守ってる。槍使いらしく、クロードさんとユトミアさんがよく手合わせをしてる。

 パーティー会場までの外廊下を三人で歩く。
私達の護衛役の秋だけ軍服で帯刀してる。
だるそうだけど。

————「姫様!!今宵はパーティーに?是非私にエスコートの栄誉を頂けませんか!」

 一目で貴族のご令息とわかる青年がクルミの前で頬を染める。おぉ!青春がここに!!!

 クリーム色の髪を後ろに流し、装飾の沢山付いたジャケットを着てる。
軍服じゃないから軍部の子ではないのだろう。

 なぜかクルミはぼんやりしていて、その隙にご令息はどんどん距離をつめてくる。
今にもクルミの手を取ろうとしたその時——


 ダンッッッッッッ!!!っと建物全体が響くような大きな音と振動がして、目の前にクロム君がしゃがんでる。
 凄い勢いで飛び降りて来た???
 
 二振りの刀を片手に立てて持ち、靴底と、刀の鞘底が床に叩きつけられた音だと分かる。
えぇ……大理石の床が…………

しゅう?どういうことかな?」

 ゆっくりと立ち上がったクロム君が秋に向けて言う。

「っ悪意は……!感じられず……」

 普段気怠けだるげな秋が真っ青になっている。
 話しかけて来たご令息も引き攣った顔をして、どんどん後退りをして、脱兎の如く逃げていった。

「クロム兄さま!!」

 クルミがすぐにクロム君に駆け寄って、頭を撫でてもらって嬉しそうにする。

「駄目だろ秋~お前らと同年の男も対象に決まってんだろ。もう俺も学園からいなくなるんだぞ。そんなんで大丈夫かよ」

 クロム君の後ろから出て来たレスターもここ数年で大きくなった。子どもらしさが抜けてきて、本当にリヒト様そっっっっくりでビビる。

「数が……多く……」

「まぁ面倒だよな~~~母上は親父がいるしヤノにはユアンがいるけどクルミはな~~~」

 レスターが頭の後ろに腕を組みながら言う。

「人員がいる?」
 いつもうっすら微笑を浮かべているクロム君の圧がすごい。出会った頃は全くの無表情だったのに……

「っ!いりません!!」

 特に怒った様子は見られないのに、秋がタタラを踏む。

「常時結界でもいいぞ秋。俺らの代は数が多い。仕方ねえ」

「………………はい」

「秋、次はないよ?任せる」

「承知しましたっ……!」

 ダラダラと冷や汗をかいている秋に、クロム君がにっこりと笑いかけ、秋はなぜか縮みあがっている。

 何なの……喧嘩?
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