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1章 はじまり

9話セドリック2

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セドリックへ向けられた光線は、私にも痛いものだった。どれだけ私を溺愛してくれているのか分かって嬉しいが、とばっちりはやめていただきたいのが、本音である。

「おい、何をしている」
私が、弁解をする間もなく父は、セドリックへと銃を向けた。
「パパ、やめて!私が転びそうになったのを支えてくれただけだから」
さすがに、セドリックが殺されるのはまずいと思ったのか、私の第一声はこれだった。

「そうなのか?」
セドリックに、父は問いかけた。それなのに、事もあろうかセドリックは、父にこう言った。
「フランソアが好きだから抱きしめた」
私の必死の弁解は、なんだったわけ? セドリックが殺されちゃう。どうしよう。

けれど、父のそれに対する対応は、驚くべきものだった。
「そうか」
さんざん人を銃で脅しといてなんなのよ。私は、父にセドリックから引き離され、父の部屋へと呼ばれた。


「フランソアです」

「入れ」
こんなに怖い父の声を聴いたのは初めてだ。
「フランソア、お前はセドリックのそばにいない方がいい」
父のその言葉に私は、どういうことだろうと思いながら耳を傾けた。
「幸いにも、お前は優秀だ。だから、もっといい教育を受けた方がいいと思っている」
「それは、どういうことですか?」
突然のことで、何が何だかわからないためこう聞くしかなかった。
「寄宿舎付きの学校を見つけた。お前が、この国の長になるためにもいい学校だ。返事は、今週中に出してくれ」
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