妹よりブスな姉の幸せ

Saeko

文字の大きさ
158 / 179
第13章 ブス姉が幸せになる為に(明かされる真実)

7

「アンジー!アンジー!!何処へ行ったのだアンジー!返事をしてくれアンジー!!」

教会の内外を出たり入ったり、建物の周りをグルグル回ったりしながら、半ば半狂乱になりながらも、義理の娘になった亡き兄夫婦の忘れ形見の名を叫ぶ様に呼んでいるオースティン。
そんな彼の姿をランカスターは、水鏡で見ていた。そして
『我が愛し子よ。こたびはそなたに会えて良かった。さぁ、そろそろそなたを元の世界に送り届けねばならぬな。そなたの父が心配している。』
と穏やかな口調で、水鏡を見るようにとアンジェリータに言った。

彼女は妖精王に言われた通り水鏡を覗き込む。とそこにはアンジェリータの名を叫びながら、彼女の姿を探し回っているオースティンが写っていた。
「オースティンお義父様!」
水鏡に映るオースティンを見たアンジェリータが水鏡に手を入れようとする。そんな彼女をランカスターと彼女の妖精達が慌ててそれを止めた。

彼等がアンジェリータの手を止めた理由は他でもない。水鏡の中と繋がっているのは異次元世界だからだ。
万が一誤って鏡の中に落ちてしまえば、
"永遠に元の世界には戻ってこられない。”
そう言われているのだ。
無論、未だかつて誰も落ちてはいない為真偽のほどは分からないのだが…。

それは兎も角
アンジェリータは、自分を心配し半狂乱になっているオースティン父親の元に帰り早く彼を安心させてやりたくて、水鏡に写る義父の名前を呼び続けている。
オースティンが心配するのも無理は無い。何せいきなり眩い光に包まれた娘が目の前から消えてしまったのだから。
だが、彼女の声はオースティンには届かない。

「妖精王様。わたくしをお義父様の元にお返し下さるのですよね?」
と縋る様にそう言うアンジェリータ愛し子
『勿論だ。』
と深く頷くと
『誰か!オースティンあの者に加護を与えている妖精ものを呼んで参れ!』
少しすると、そう言ったランカスターの元に、オースティンに加護を与えている妖精ファヤーとウェンドが現れた。
『お前達が我のアンジェリータ愛し子の父親の妖精なのだな?』
と彼等に問えば、ランカスターの差し出された手の上でそれを肯定する二体の妖精達。
『ではお前達。それから、我の愛し子に加護を与えている者達よ!彼女を人の国へと送り届けよ』
と言ったランカスターの言葉に従ってリリアン達六体の妖精もアンジェリータの元に集まった。

アンジェリータは、ランカスターに対し、妖精王に会えた事への喜びと義父への気遣いに感謝の言葉を述べたのだ。そしてランカスターによって開かれた、妖精国とオースティンの待つ世界とが繋がる扉の様な空間に、妖精達に護られながら足を踏み入れたのだった。

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!

秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。 民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。 「おまえたちは許さない」 二度目の人生。 エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。 彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。 1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。 「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」 憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。 二人の偽りの婚約の行く末は……

【完結】婚約破棄はいいですよ?ただ…貴方達に言いたいことがある方々がおられるみたいなので、それをしっかり聞いて下さいね?

水江 蓮
ファンタジー
「ここまでの悪事を働いたアリア・ウィンター公爵令嬢との婚約を破棄し、国外追放とする!!」 ここは裁判所。 今日は沢山の傍聴人が来てくださってます。 さて、罪状について私は全く関係しておりませんが折角なのでしっかり話し合いしましょう? 私はここに裁かれる為に来た訳ではないのです。 本当に裁かれるべき人達? 試してお待ちください…。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした

きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。 全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。 その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。 失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。