バトロワゲーヲタの異世界無双物語

第四章 大規模討伐と彼等との再会

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その後。
王都に戻る為に支度をしていた勇達一行の言動に、騎士団長は更に頭を悩ました。

本来であれば怪我人を最優先で馬車に乗せるのが常識であるにも関わらず、
疲れただの歩きたくないだのと我儘を言う六人に対して、呆れ果てた騎士団長は、馬に乗れそうな軽傷な者は騎乗させ、王都の治癒院での治療が必要な者は馬車に乗せる事に決め指示を出した。

幸いにも、六人乗りの馬車を二台持ってきた為、勇達六人で一台に乗り、もう一台に重症の怪我人五名を乗せる事にしたのだが、一台の馬車に寿司詰め状態に乗る事に対して、不平不満をタラタラ言い募る勇達。
その言動にとうとう怒りが頂点に達した騎士団長は、
「お前達！いい加減にしろ!!お前達の世界は、怪我人より健康な人間の方が優遇される世界なのか！そんな巫山戯た事が罷り通る様な世界なのか!!そんなに馬車に乗りたければ、今此処で俺と勝負しろ！俺に勝ったら馬車に乗せてやる!!さぁ！どっからでもかかって来やがれ!!」
と圧倒的な殺気を纏い、勇達に怒声を浴びせた。

流石に本気で騎士団長を怒らせてしまった事を理解した勇達は、渋々六人で一台の馬車に乗ったのだが、高校生ともなれば体格は大人のそれと同じ。しかも洋平の身体は、上より横に広がっている為、座る面積も勇達より広い。よって、三人掛けのベンチシートの一方に、洋平を真ん中にしてその両側に愛子と昭弘（およそ役に立たなかった組）が座り、彼等の向かい合わせた席に、他の二人より少しだけ小柄な昴を挟んだ状態で、勇と賢（それなりに頑張った組）が座った。

帰りの馬車の中では、六人が……いや、頑張った組が役に立たなかった組を大声で責め立てたり罵ったりした為、車内は険悪な雰囲気のまま王宮に帰還したという。

勿論、戦いの状況を騎士団長から聞いた王は激怒。叱責されるだけで、労いの言葉も何も無かった。
当然のことながら、王からの褒美は貰えずの為、勇達頑張った組はまた、役に立たなかった組を罵った。
そればかりか、役に立たなかった愛子と昭弘に対しては、今度また同じ様な言動をした場合、魔獣を誘き寄おび  よせる囮おとりにすると王に言われてしまったという。

その為愛子達は、今必死で訓練を受けているのだそうだ。

カールソンさんの話を聞き終えた僕は、勇達の愚行に、情けない気持ちになった。そして、同じ世界から来た人間として、怪我をなさった騎士の人達に申し訳ない気持ちにもなったんだ。