バトロワゲーヲタの異世界無双物語

第四章 大規模討伐と彼等との再会

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「はぁ……。彼奴ら何してんだろ。あの……カールソンさん。同じ世界から来た人間がご迷惑をおかけしてしまい申し訳ないですと、今度騎士団長さんにお会いする時に、そう言って貰えませんか？」
と一連の話を聞き終えた僕は、大きな溜息をついた後、カールソンさんにそう言った。すると彼は、
「では今度リックに会った時、のぞむから直接それを言ってやれば良い。」
と言うではないか。
「僕が騎士団長さんに直接会う機会なんて事、あるわけ…「それがあるんだよ、のぞむ。今度の討伐戦には、王宮騎士団達も来るから。」え？」
僕の言葉に被せて放たれたルードリッヒさんの言葉に驚いていると、
「あぁ、そうだ。リック率いる騎士団達だけじゃないぞ。その、例の のぞむの学友達も一緒だ。」
とカールソンさんが付け加えた。
「え？勇達も…ですか？」
「そうだよ、のぞむ。楽しみだろ？」
と楽しそうに言うルードリッヒさんの言葉に何も言えずにいると、
「のぞむ君の成長ぶりを、その人達に見せつけて差し上げましょうね。私わたくしも楽しみだわ。」
とミランダさんもニコニコしている。

そうか……。勇達彼奴らも来るんだ。
そう思った途端。僕は、元の世界で勇達からされていた仕打ちがフラッシュバックされ、焦点が定まらなくなった。それだけでなく、身体がガタガタと震え出してしまったんだ。

そんな僕の異常な様子をいち早く察知し、僕の目の前に移動してきたミランダさんが、立ったまま優しくそっと包む様に抱き締めてくれた。そして、
「大丈夫。大丈夫よ、のぞむ君。貴方は素晴らしいわ。お兄様もカールソンも、それから私わたくしも、貴方を認めておりますのよ。それに……どんな事があろうとも、私わたくし達は、のぞむ君を一人には致しませんわ。決してね。」
と言ってくれた。
「そうだよ、のぞむ。例え彼等が、のぞむに何を言おうとも、俺達がのぞむを離さないし、絶対に孤独にはしない。」
そう、僕の左手をギュッと握りながら優しい言葉で言ってくれるルードリッヒさんと、
「ルードリッヒ様の仰るとおりだ、のぞむ。俺達は一緒に戦う仲間だ。それに……、当日はお前の付与師としての力を信じてくれている他の冒険者達も一緒だ。だから安心しろ。いいか？」
僕の右肩をポンポンと叩きながら言ってくれるカールソンさんに、泣きながら感謝した。

そうだ。僕は一人じゃない。勇達や寺田に馬鹿にされ、いつも暴行や暴言を受けていた頃の僕には味方なんて一人もいなかった。
でも今の僕には味方が、仲間が出来たんだ。バトロワゲーの中の仮初の繋がりじゃない。本当の仲間が。

「はい！ありがとうございます。ルードリッヒさん、カールソンさん。そしてミランダさんも。僕、頑張って皆さん達と戦います。そして、胸を張って、勇達と向き合います！」
と、涙を拭いて、三人の顔をしっかり見つめながらそう宣言した。