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第四章 大規模討伐と彼等との再会
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「皆!!よく集まってくれた!」
ルードリッヒさんのお屋敷に泊まらせてもらった翌日の朝。
僕達は冒険者ギルド前にある広場にいた。
どうやら、これから始まる魔獣殲滅戦について、ギルド長が冒険者達に向けた注意点等の話を始める様だ。
「本日皆には、兼ねてより依頼していた魔獣の殲滅だ。対象となっている主な魔獣のランクはCランクだが、中にはBに相当する魔獣もいると報告を得ている。もしかすると、それ以上のランクの魔獣も出るかもしれない。皆、心しておくように!」
ギルド長の"それ以上のランクの魔獣”という言葉に冒険者達の中でざわめきが起こる。多分だが、此処にはA級ランク以上の冒険者が少ない為だと思う。
ランクが高い魔獣を倒すには、冒険者もそれと同等かそれ以上のランクに達していないと、命を落としかねないのだ。
僕の鑑定スキルは武器に特化している様で、冒険者達のランクは見られないが、ケイドル爺さんの店で武器を作ったり魔石の付与をした事があるお客さんなら、大体のランクとその人が得意とする戦い方は知っている。何故なら彼等はいつも僕に武勇伝を話して聞かせてくれるからだ。
「皆が不安に思うのは無理もない。確かに俺のギルドに登録している冒険者諸君の中には、A級冒険者は多くない。だが安心してほしい。先日だが。我がギルドに登録しているパーティーの中で、今回の魔獣殲滅に参加表明してくれているパーティーリーダーに集まってもらい話し合いをした。話し合いの結果、パーティーメンバーの中にA級冒険者がいないパーティーは、A級がいるパーティーと組んで貰う事になった。」
というギルド長の言葉にざわめきが再度起こる。
それもその筈。そもそも冒険者達は、パーティー毎で依頼を請け負うのが主流であり、余程大きな依頼でない限り他のパーティーと共に依頼をこなす事はない。
何故なら、報酬料でもめるからだ。
冒険者の多くは、報酬料で生業をたてている。当然取り分が減れば、その分生活に支障が出る。だから危険と隣り合わせだと分かっていても、自らの生活のために魔獣と戦っているんだ。
ギルド長はそれをちゃんと分かっている。分かっているが、敢えてリーダー達とチームを組ませる事にしたのには訳があるのだろう。
「皆、聞いてくれ!今回俺とリーダー達とで決めたチーム制にした事については訳がある。それは、皆の命を守る為だ!皆が知ってのとおり、森の奥には領域といわれる場所がある。その領域にはSクラスの魔獣……いや最早モンスターと呼ぶべきであろう最強魔獣がいるのだが、そいつは聖なる魔法をかけた扉によって封印されている。今までその扉は、固く閉ざされていたんだが、近年扉が少しずつ開き始め、そこから瘴気が漏れ出した。それにより森にいる魔獣達が、本来の力より強くなってきているという話が出ている。だからこそ、皆の命を守る為、不測の事態に備える為にチーム制にした。」
というギルド長の言葉に、冒険者達はチーム制導入への理解と同意を示した。
僕達異世界人がこの世界に召喚された理由は、その領域とかいうところにいる魔獣を外に出さない様にする為だったんだけど、まさか領域内にいる奴から、森の魔獣達が影響を受けているとは思ってもみなかった。
ルードリッヒさんのお屋敷に泊まらせてもらった翌日の朝。
僕達は冒険者ギルド前にある広場にいた。
どうやら、これから始まる魔獣殲滅戦について、ギルド長が冒険者達に向けた注意点等の話を始める様だ。
「本日皆には、兼ねてより依頼していた魔獣の殲滅だ。対象となっている主な魔獣のランクはCランクだが、中にはBに相当する魔獣もいると報告を得ている。もしかすると、それ以上のランクの魔獣も出るかもしれない。皆、心しておくように!」
ギルド長の"それ以上のランクの魔獣”という言葉に冒険者達の中でざわめきが起こる。多分だが、此処にはA級ランク以上の冒険者が少ない為だと思う。
ランクが高い魔獣を倒すには、冒険者もそれと同等かそれ以上のランクに達していないと、命を落としかねないのだ。
僕の鑑定スキルは武器に特化している様で、冒険者達のランクは見られないが、ケイドル爺さんの店で武器を作ったり魔石の付与をした事があるお客さんなら、大体のランクとその人が得意とする戦い方は知っている。何故なら彼等はいつも僕に武勇伝を話して聞かせてくれるからだ。
「皆が不安に思うのは無理もない。確かに俺のギルドに登録している冒険者諸君の中には、A級冒険者は多くない。だが安心してほしい。先日だが。我がギルドに登録しているパーティーの中で、今回の魔獣殲滅に参加表明してくれているパーティーリーダーに集まってもらい話し合いをした。話し合いの結果、パーティーメンバーの中にA級冒険者がいないパーティーは、A級がいるパーティーと組んで貰う事になった。」
というギルド長の言葉にざわめきが再度起こる。
それもその筈。そもそも冒険者達は、パーティー毎で依頼を請け負うのが主流であり、余程大きな依頼でない限り他のパーティーと共に依頼をこなす事はない。
何故なら、報酬料でもめるからだ。
冒険者の多くは、報酬料で生業をたてている。当然取り分が減れば、その分生活に支障が出る。だから危険と隣り合わせだと分かっていても、自らの生活のために魔獣と戦っているんだ。
ギルド長はそれをちゃんと分かっている。分かっているが、敢えてリーダー達とチームを組ませる事にしたのには訳があるのだろう。
「皆、聞いてくれ!今回俺とリーダー達とで決めたチーム制にした事については訳がある。それは、皆の命を守る為だ!皆が知ってのとおり、森の奥には領域といわれる場所がある。その領域にはSクラスの魔獣……いや最早モンスターと呼ぶべきであろう最強魔獣がいるのだが、そいつは聖なる魔法をかけた扉によって封印されている。今までその扉は、固く閉ざされていたんだが、近年扉が少しずつ開き始め、そこから瘴気が漏れ出した。それにより森にいる魔獣達が、本来の力より強くなってきているという話が出ている。だからこそ、皆の命を守る為、不測の事態に備える為にチーム制にした。」
というギルド長の言葉に、冒険者達はチーム制導入への理解と同意を示した。
僕達異世界人がこの世界に召喚された理由は、その領域とかいうところにいる魔獣を外に出さない様にする為だったんだけど、まさか領域内にいる奴から、森の魔獣達が影響を受けているとは思ってもみなかった。
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