バトロワゲーヲタの異世界無双物語

Saeko

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第四章 大規模討伐と彼等との再会

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僕達の前方から来たのはリップレオ切り裂き獅子の群れだった。
獅子ライオンは、元の世界と同様に、ハーレムを作る魔獣だ。
但し、僕達の世界で生きるライオンと違うところは、この世界のライオンは"雄も戦う”というところだ。
"切り裂き”という名前のとおり、彼等が持つ爪は非常に鋭い。一度ひとたびその爪は、冒険者達の分厚く丈夫な生地で作った服をも切り裂き、その下にある身体は、皮膚だけでなく肉も抉り取ってしまう程だ。
更に、雄の獅子ライオンは六本ある足で力強く地面を蹴り上げて走るせいか?スピードが非常に速く、狙われたら最期、走って逃げる事は不可能といわれている最速魔獣だ。
奴を倒すには、氷で身体を固め動きを止める方法が一番なのだが、走るスピードが速すぎて、氷魔法をぶつける事が出来る魔法士は、そうそういないと聞く。
それくらい強い魔獣だから、当然のことながら、雄のリップレオのランクはBランク。中にはAランクのものもいるというから、油断なんて一瞬足りとも出来ない相手だ。

僕達がリップレオの群れに悪戦苦闘していると、
『気を付けてください!フォロシェスベアが!とてつもなく大きなフォロシェスベア獰猛な熊が向かってきています!しかも!しかも三体です!!』
と通信機に向って叫ぶ見張りの魔導士の声に、ルードリッヒさん始めパーティーリーダー達が動揺してしまった。
その一瞬の隙を見逃さなかった雌のレオがルードリッヒさんに襲いかかろうとしていた。
ルードリッヒさんは、刃でその鋭い爪を受けようとしていたが、
『ルードリッヒさん!危ない!!』
と叫んだ僕は、咄嗟にライフル系の魔銃に持ち替え、迷う事なく弾丸をそいつに向けて撃った。
『殿下!伏せろ!!』
僕の銃の銃声に反応したカールソンさんの大声を聞いたルードリッヒが身体を伏せるのと殆ど同時に、僕の撃った弾丸がリップレオの雌の眉間を貫いた。
声も無くその場に倒れたそれに、ルードリッヒさんは
『ありがとう、のぞむ。』
と言いながらとどめを刺すと、また苦戦しているチームの加勢に走っていった。
『のぞむ!撃つなら撃つと、殿下につたえろ!殿下に弾が当たったらどうするんだ!!』
とカールソンさんから怒られてしまったが、
『あら?カールソンは、のぞむ君の銃の腕を信用しておりませんの?お兄様に当たらない射線で撃ったに決まっているではありませんか。』
とミランダさんがカールソンさんを一喝してくれた。
『そ、それはそうだが……。』
と口ごもるカールソンさんに、
『俺はのぞむの腕を信用しているよ。だが、銃を撃つ時には、"撃つ”と言ってくれると尚嬉しい。いいかい?』
『分かりました、ルードリッヒさん。』
『よし!のぞむ、ミランダを頼むよ。カールソン!お前は、あちらへ!俺はこっちに加勢だ。』
『『『はい!』』』
とルードリッヒさんの指示を完遂かんすいしようとしていると、
『後方から来る人間……あれは?王都騎士団です!騎士団が此方に向かってきています!』
とまた見張りの魔導士さんがそう言った。
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