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第六章 ヲタは領域を制す(王との謁見編)
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「陛下の仰るとおり。この者は、我が公爵家の護衛騎士の者で、名を"のぞむ わたせ”と申します。」
と、僕の代わりにルードリッヒさんが答えてくれた。
「はて…変わった名前であるな。"わたせ”等という貴族は、この国にはおらぬはずだが……。ダ・マーレよ。そなたは知っておるか?」
と聞かれ、
「いえ。私も聞き覚えの無い貴族名ですな。」
とおじさんが答えた為、二人は首を傾げて考え込んでいる。
そんな彼等を見て、
「何を仰ていらっしゃいますの?陛下。のぞむ君は、異世界より、貴方方が召喚した中のおひとりでいらっしゃいますのに。」
呆れたように言ったミランダさんの言葉に、唖然としたまま口を開けたままの王様に対して、更に追い討ちをかける様に、
「ミランダが申すとおりにございます陛下。のぞむはあの日、此方で魔力無しという判定を受けた事で、少しばかりの路銀を握らせ城から追い出されたのです。右も左も分からない、のぞむからしたら全く知らない世界に、彼を一人きりで放り出した。なんと惨い仕打ちをなさったのでしょうか、陛下。」
とルードリッヒさんが王様を責め立てた。
たじろぎ乍も王様は、
「余は知らん!その少年を城から放り出したのは、ダ・マーレの判断だ。」
と苦しい言い訳をし、知らぬ存ぜぬを貫こうとするも、
「なッ!何を仰いますか!私は……私は、古きしきたりに則り……「そのしきたりを重視するがあまり、異世界から呼び寄せた若者を市井に放り出したのですね?ダ・マーレ司祭様?」ミ……ミランダ様……そ、それは…その……。」
話を振られた司祭のおじさんも言い淀んだ。
「陛下。」
「な、なんだ?ルードリッヒ。」
「のぞむは、ここから追い出された後、親切な平民達に出会い、彼等に守られ、今日まで過ごしてこられました。が、もし!悪い者に捕まり、嬲りものにされたり、儚くなっていたらどうなさるおつもりでしたか?」
「そ……それは……。」
「のぞむは異世界の民。もしのぞむに万が一の事があったとしたなら、のぞむの親御様になんと伝えるおつもりでしたか?のぞむは、この国の民ではない!!」
「…………」
「のぞむ君の国は、この国とはまた違う高度な文明で栄えている国だと、のぞむ君からお聞きしておりますわ。そのお話から察するに、のぞむ君を儚くさせたとあれば、この国では考えられない武器を使用し、報復措置をとられたかもしれないのですよ。そうなったら、どうなさるおつもりでしたの?陛下。ダ・マーレ司祭様。」
怒りを込めて言ってくれているミランダさんに、(いやいやミランダさん。僕の国は戦争をしない国だと明言してます。だから、僕如きで報復措置は無いかと……。)と心の中で突っ込みを入れた僕。でもまぁ、城から放り出された時に感じた不安を、僕の代わりに代弁してくれている。そんな二人に出会えて良かった。それに、カールソンさんにも本当に良くして貰えたし。それから……、ハイネさんやケイドル爺さん。服屋のヨハネスさん達。彼等に出会えなかったら、僕は今頃、森で魔獣の餌食になっていたかもしれない。
僕は運が良かったんだなと、頭を下げたままのカールソンさんの隣りで、同じポーズを取りながらそう考えたんだ。
と、僕の代わりにルードリッヒさんが答えてくれた。
「はて…変わった名前であるな。"わたせ”等という貴族は、この国にはおらぬはずだが……。ダ・マーレよ。そなたは知っておるか?」
と聞かれ、
「いえ。私も聞き覚えの無い貴族名ですな。」
とおじさんが答えた為、二人は首を傾げて考え込んでいる。
そんな彼等を見て、
「何を仰ていらっしゃいますの?陛下。のぞむ君は、異世界より、貴方方が召喚した中のおひとりでいらっしゃいますのに。」
呆れたように言ったミランダさんの言葉に、唖然としたまま口を開けたままの王様に対して、更に追い討ちをかける様に、
「ミランダが申すとおりにございます陛下。のぞむはあの日、此方で魔力無しという判定を受けた事で、少しばかりの路銀を握らせ城から追い出されたのです。右も左も分からない、のぞむからしたら全く知らない世界に、彼を一人きりで放り出した。なんと惨い仕打ちをなさったのでしょうか、陛下。」
とルードリッヒさんが王様を責め立てた。
たじろぎ乍も王様は、
「余は知らん!その少年を城から放り出したのは、ダ・マーレの判断だ。」
と苦しい言い訳をし、知らぬ存ぜぬを貫こうとするも、
「なッ!何を仰いますか!私は……私は、古きしきたりに則り……「そのしきたりを重視するがあまり、異世界から呼び寄せた若者を市井に放り出したのですね?ダ・マーレ司祭様?」ミ……ミランダ様……そ、それは…その……。」
話を振られた司祭のおじさんも言い淀んだ。
「陛下。」
「な、なんだ?ルードリッヒ。」
「のぞむは、ここから追い出された後、親切な平民達に出会い、彼等に守られ、今日まで過ごしてこられました。が、もし!悪い者に捕まり、嬲りものにされたり、儚くなっていたらどうなさるおつもりでしたか?」
「そ……それは……。」
「のぞむは異世界の民。もしのぞむに万が一の事があったとしたなら、のぞむの親御様になんと伝えるおつもりでしたか?のぞむは、この国の民ではない!!」
「…………」
「のぞむ君の国は、この国とはまた違う高度な文明で栄えている国だと、のぞむ君からお聞きしておりますわ。そのお話から察するに、のぞむ君を儚くさせたとあれば、この国では考えられない武器を使用し、報復措置をとられたかもしれないのですよ。そうなったら、どうなさるおつもりでしたの?陛下。ダ・マーレ司祭様。」
怒りを込めて言ってくれているミランダさんに、(いやいやミランダさん。僕の国は戦争をしない国だと明言してます。だから、僕如きで報復措置は無いかと……。)と心の中で突っ込みを入れた僕。でもまぁ、城から放り出された時に感じた不安を、僕の代わりに代弁してくれている。そんな二人に出会えて良かった。それに、カールソンさんにも本当に良くして貰えたし。それから……、ハイネさんやケイドル爺さん。服屋のヨハネスさん達。彼等に出会えなかったら、僕は今頃、森で魔獣の餌食になっていたかもしれない。
僕は運が良かったんだなと、頭を下げたままのカールソンさんの隣りで、同じポーズを取りながらそう考えたんだ。
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