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第七章 ヲタは領域を制す(王の依頼と煩い奴等編)
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宰相って人に連れられて、勇達は謁見の間に入って来た。
僕達は、王の正面よりずれた位置─具体的に言うと、玉座を左斜め後ろに見える位置─に用意されていた椅子に座り、勇達のそれを見ていた。
謁見の間に入って来た勇達は、当然の様に王の正面に用意された椅子に座ろうとするが、勇達を連れて来た宰相に止められ不満気な表情を浮かべている。
「陛下の御前です。礼を取り、膝まづいて下さい。」
と言われた勇達が渋々その場に膝まづこうとすると、
「良いのだ、宰相。この方々の世界には、膝まづいて礼をとるというしきたりは無いのだ。勇者殿、並びに異世界人より来られた方々よ。椅子に座ってくれるか?」
と、前半は宰相へ、後半は勇達へ王は言った。
宰相のおじさんは、"納得いかない”というような表情をしながらも、
「はっ。御意に。」
と言って勇達の傍から離れていき、勇達は椅子に座ったんだ。
全員が腰をかけたのを確認した王は、
「毎日訓練を受けてくれている様で感謝しておる。また、先の大規模討伐では、ご苦労であったな。礼を申す。」
と話し始めた。
その言葉に無言で頭を下げる勇達。
なんだかいつもと様子が違うなと思って見ていると、
「だが、余は非常に残念に思っておる。勇者殿達は、もっと力があると思っておったのに、結果、大規模討伐では、市井の冒険者達の足元にも及ばない戦いぶりだったと、王宮騎士団の副団長より報告を貰っておるのだ。」
と言う王の言葉に反論する様子も無く、勇達はただ俯いている。
どうやらあの時の、自分達がした愚かな行いについて、討伐に同行した騎士達から勇達の指導係みたいな人達へそれが伝わり、彼等から叱られたのかもしれない。
「貴殿達は、相対する魔獣の特性についての説明を全く聞かず、そればかりか己の仲間さえも危険に晒し、怪我を負わせた。それだけでは無い。怪我を負った仲間を助ける事も無いという体たらく。何の為の訓練だったのだ?何の為の指導だったのだ?余は、そなた達を領域封印の為に召喚した事を、今、非常に残念に思っておる。」
王にそこまで言われてしまった勇達の頭が、さっきより更に下がっている様だ。
「そこで余は考えた。もう貴殿達に封印を乞う事を止めようと。違う者に封印を頼む事にした。」
と王が言ったその瞬間、勇達の頭が上がった。そして、それぞれが全く違う表情を浮かべ、王の顔を見ていたんだ。
僕達は、王の正面よりずれた位置─具体的に言うと、玉座を左斜め後ろに見える位置─に用意されていた椅子に座り、勇達のそれを見ていた。
謁見の間に入って来た勇達は、当然の様に王の正面に用意された椅子に座ろうとするが、勇達を連れて来た宰相に止められ不満気な表情を浮かべている。
「陛下の御前です。礼を取り、膝まづいて下さい。」
と言われた勇達が渋々その場に膝まづこうとすると、
「良いのだ、宰相。この方々の世界には、膝まづいて礼をとるというしきたりは無いのだ。勇者殿、並びに異世界人より来られた方々よ。椅子に座ってくれるか?」
と、前半は宰相へ、後半は勇達へ王は言った。
宰相のおじさんは、"納得いかない”というような表情をしながらも、
「はっ。御意に。」
と言って勇達の傍から離れていき、勇達は椅子に座ったんだ。
全員が腰をかけたのを確認した王は、
「毎日訓練を受けてくれている様で感謝しておる。また、先の大規模討伐では、ご苦労であったな。礼を申す。」
と話し始めた。
その言葉に無言で頭を下げる勇達。
なんだかいつもと様子が違うなと思って見ていると、
「だが、余は非常に残念に思っておる。勇者殿達は、もっと力があると思っておったのに、結果、大規模討伐では、市井の冒険者達の足元にも及ばない戦いぶりだったと、王宮騎士団の副団長より報告を貰っておるのだ。」
と言う王の言葉に反論する様子も無く、勇達はただ俯いている。
どうやらあの時の、自分達がした愚かな行いについて、討伐に同行した騎士達から勇達の指導係みたいな人達へそれが伝わり、彼等から叱られたのかもしれない。
「貴殿達は、相対する魔獣の特性についての説明を全く聞かず、そればかりか己の仲間さえも危険に晒し、怪我を負わせた。それだけでは無い。怪我を負った仲間を助ける事も無いという体たらく。何の為の訓練だったのだ?何の為の指導だったのだ?余は、そなた達を領域封印の為に召喚した事を、今、非常に残念に思っておる。」
王にそこまで言われてしまった勇達の頭が、さっきより更に下がっている様だ。
「そこで余は考えた。もう貴殿達に封印を乞う事を止めようと。違う者に封印を頼む事にした。」
と王が言ったその瞬間、勇達の頭が上がった。そして、それぞれが全く違う表情を浮かべ、王の顔を見ていたんだ。
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