89 / 120
第七章 ヲタは領域を制す(王の依頼と煩い奴等編)
6
しおりを挟む
僕が頭を抱えた元凶。それは……
「え~!わぁい、のぞむくんだぁ~。なになに?服めっちゃくちゃ似合ってるし~。なんか騎士?みたいな?ねぇねぇそれってコスプレとかなの~?」
と、キャッキャと一人ではしゃぎだした愛子だ。
無言で─魔法で声が聞こえない─寺田が謁見の間を強制退場した(させられた)から静かになったなぁと思ったのに、今度は愛子が騒ぎ始めたし……。
あぁあ……束の間の静けさだったな。
てか、コスプレじゃねぇし!と一人ツッコミをしている僕の気持ちとは関係なく愛子の弾丸トークはまだ続いている。
「ねぇねぇのぞむく~ん。愛子と~ツーショ撮ろうよ~。そしたら愛子~、待ち受けにしてあげるから~。あ~でも愛子のスマホ死んでるんだった~。あ!てゆーか、のぞむくんのスマホって生きてるんでしょ?充電出来るてマジなの?だったら愛子のもやって欲しいなぁ~。」
と、僕が座っている位置から見て、一番近い位置に座っている愛子が、何故か僕に媚びる視線を送ってくる。
椅子に座りながら、少し首を傾げつつ上目遣いで見てくる愛子に、器用だなぁ としか思えない。って、何で僕が愛子のスマホの充電をしてやらないといけないんだ?てか、寺田に引き続き愛子も煩いな……と思っていると、
「ねぇ。君。」
とルードリッヒさんが口を開いた。
「君、名前は?」
と聞くルードリッヒさんの綺麗な笑顔に、頬を赤く染め、彼に見とれる愛子。
だけど……愛子は知らないけども、ルードリッヒさんのあの笑顔は怒ってる時に浮かべるやつなんだ。
きっと……いや、絶対にルードリッヒさんは怒ってる。
僕にはルードリッヒさんが怒ったポイントは分からないけど、愛子は確実に彼の地雷を踏んだんだと思った。
だけど、そんな事なんて少しも分かっていない愛子は、
「わたしぃ~、愛子って言います。得意料理は唐揚げで~す。この世界に来て~まだ一回も作った事ないから~、今度作って持って…「そんな事は聞いてないよ?私は君の名前を聞いただけだ。それに信頼出来ない人間に作ってもらった食事しか我々貴族は食べないんだ。だから君が作った食事など絶対に口にする事は無い!」そ、そんなッ!!愛子が作る唐揚げは、本当に本当に美味しいんですよぉ~。本当に本当に一回だけ食べ……「黙れ!」ヒッ!!」
あぁ……完全に怒らせちゃったよ。ホントKYな女だな。って言うか、温厚なルードリッヒさんが「黙れ!」とか、絶対に言わない言葉を言わせるくらい怒らせるなんて、ある意味天才かもだけど……。
だが、僕の関心事とは裏腹に、ルードリッヒさんの愛子への冷たい言葉は続いている。
「君は、言葉が理解出来ないのか?病持ちならば致し方ないが、そうでないなら、俺の問うた事にだけ答えれば良い!分かったか?」
と凄味を効かせたルードリッヒさんの言葉に、愛子は首振り人形の様にコクコクと頷いた。
「え~!わぁい、のぞむくんだぁ~。なになに?服めっちゃくちゃ似合ってるし~。なんか騎士?みたいな?ねぇねぇそれってコスプレとかなの~?」
と、キャッキャと一人ではしゃぎだした愛子だ。
無言で─魔法で声が聞こえない─寺田が謁見の間を強制退場した(させられた)から静かになったなぁと思ったのに、今度は愛子が騒ぎ始めたし……。
あぁあ……束の間の静けさだったな。
てか、コスプレじゃねぇし!と一人ツッコミをしている僕の気持ちとは関係なく愛子の弾丸トークはまだ続いている。
「ねぇねぇのぞむく~ん。愛子と~ツーショ撮ろうよ~。そしたら愛子~、待ち受けにしてあげるから~。あ~でも愛子のスマホ死んでるんだった~。あ!てゆーか、のぞむくんのスマホって生きてるんでしょ?充電出来るてマジなの?だったら愛子のもやって欲しいなぁ~。」
と、僕が座っている位置から見て、一番近い位置に座っている愛子が、何故か僕に媚びる視線を送ってくる。
椅子に座りながら、少し首を傾げつつ上目遣いで見てくる愛子に、器用だなぁ としか思えない。って、何で僕が愛子のスマホの充電をしてやらないといけないんだ?てか、寺田に引き続き愛子も煩いな……と思っていると、
「ねぇ。君。」
とルードリッヒさんが口を開いた。
「君、名前は?」
と聞くルードリッヒさんの綺麗な笑顔に、頬を赤く染め、彼に見とれる愛子。
だけど……愛子は知らないけども、ルードリッヒさんのあの笑顔は怒ってる時に浮かべるやつなんだ。
きっと……いや、絶対にルードリッヒさんは怒ってる。
僕にはルードリッヒさんが怒ったポイントは分からないけど、愛子は確実に彼の地雷を踏んだんだと思った。
だけど、そんな事なんて少しも分かっていない愛子は、
「わたしぃ~、愛子って言います。得意料理は唐揚げで~す。この世界に来て~まだ一回も作った事ないから~、今度作って持って…「そんな事は聞いてないよ?私は君の名前を聞いただけだ。それに信頼出来ない人間に作ってもらった食事しか我々貴族は食べないんだ。だから君が作った食事など絶対に口にする事は無い!」そ、そんなッ!!愛子が作る唐揚げは、本当に本当に美味しいんですよぉ~。本当に本当に一回だけ食べ……「黙れ!」ヒッ!!」
あぁ……完全に怒らせちゃったよ。ホントKYな女だな。って言うか、温厚なルードリッヒさんが「黙れ!」とか、絶対に言わない言葉を言わせるくらい怒らせるなんて、ある意味天才かもだけど……。
だが、僕の関心事とは裏腹に、ルードリッヒさんの愛子への冷たい言葉は続いている。
「君は、言葉が理解出来ないのか?病持ちならば致し方ないが、そうでないなら、俺の問うた事にだけ答えれば良い!分かったか?」
と凄味を効かせたルードリッヒさんの言葉に、愛子は首振り人形の様にコクコクと頷いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
47
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる