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第七章 ヲタは領域を制す(王の依頼と煩い奴等編)
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画して僕の意図しない対決が始まった。
勇は得意とする火属性が強い剣を、僕は魔銃を構えた状態で、スタートの号令待ちの状態だ。
っていうかこの対決、絶対に僕の方が有利なんだけどな……。
一回目の謁見の時、王は僕の射撃の腕をあれ程褒めてくれたけれども、本当は嘘だったのかな?
それとも、自分の目で見たくなったのかな?
でもな……このままだと、本当に速攻で終わっちゃうかもなんだけどな……。良いのかなぁ……。
とぼぉーっとしていると、僕の後ろにいるミランダさんが声をかけてきたんだ。
え?なんで訓練場に彼女がいるのか?だって?
それは、彼女も愛子と対決を……え?それは分かってる?あぁ、そうなんだ。
じゃさ、何を知りたいの?え?……あぁ、さっき謁見の間にいなかった彼女なのに、なんで対決の時間に間に合ったのかを知りたいのか。
答えは簡単だよ。
ミランダさんは、僕達と一緒に城に来ていてたんだ。で、僕達が、王とその他の人達と話してる間、ミランダさんはずっと義理の妹っていう人と話してた。
だから、謁見後直ぐに、彼女に対決の話が出来たってわけ。
因みに、さっきルードリッヒさんが王に言ってた必殺文句らしい言葉を、ルードリッヒさんがミランダさんに言ったらしいんだ(僕には聞こえなかったけどね)。
で、その文句が効いたのか?ミランダさんは即答で、聖女対決を受ける事にしたんだ。
う~ん。でもさ……、そんな簡単で良いのかなぁ。
大体、対決なんてしなくたって、愛子なんかミランダさんの足元にも及ばないくらいダメダメなのにな……。
「……ぞむく…ん。のぞむ君?大丈夫ですの?何処かお身体に悪い所がおありですの?」
「え?あ……は、はい。大丈夫ですよ。」
「そうですか?でしたら宜しいのですが……。」
「えぇ。頗る元気です。問題有りません。あるとすれば、相田の方かもしれませんね。」
「え?勇者様がでしょうか?……拝見したところ、特にお体に異常はなさそうなのですが……。」
「う~ん……。問題というのは相田の身体ではなく、この対決内容に於いて……になりますね。」
「え?対決内容に問題有り!ですの?」
「えぇ。だって……考えてみて下さい、ミランダさん。いくら相田が魔力持ちとはいえ、武器は剣。僕の武器は、ある程度離れていても相手に致命傷を与える事が出来る銃なんです。なんなら、ここからだって、一歩も動かず相田の心臓でも頭でも撃ち抜く事が出来るんです。しかも、相田の魔法が此処に届くよりも早く。」
「あぁ、そうでしたわね。勇者様は、のぞむ君の銃の怖さをお分かりなのでしょうか?」
「僕達が住んでいた国は、一部の職業の人達以外は、銃を所持する事が禁止されている国なんです。ただ……他の国では、銃を持つことが許可されている国もあるんですが、銃により罪なき人が亡くなってしまうという事件を、相田も聞いた事があって分かってる筈なんですよ(本当はテレビって言いたいんだけど、余計に混乱させるから、言わない方がいいよな)。なのに、相田は……自分の方が早く致命傷を負わされてしまうかもしれないってのに、剣で戦うって聞かなくて……。そんな内容の対決で僕が勝っても、少しも嬉しくないっていうか……。」
「そうでしたか。のぞむ君は、この対決が、"対等ではない”そう仰りたいのですわね?」
「はい……。」
そう言って黙り込む僕に、ミランダさんは、
「それでしたら私に妙案がございますわ。」
そう言ってミランダさんは、僕の耳元で、ある作戦を囁いたんだ。
勇は得意とする火属性が強い剣を、僕は魔銃を構えた状態で、スタートの号令待ちの状態だ。
っていうかこの対決、絶対に僕の方が有利なんだけどな……。
一回目の謁見の時、王は僕の射撃の腕をあれ程褒めてくれたけれども、本当は嘘だったのかな?
それとも、自分の目で見たくなったのかな?
でもな……このままだと、本当に速攻で終わっちゃうかもなんだけどな……。良いのかなぁ……。
とぼぉーっとしていると、僕の後ろにいるミランダさんが声をかけてきたんだ。
え?なんで訓練場に彼女がいるのか?だって?
それは、彼女も愛子と対決を……え?それは分かってる?あぁ、そうなんだ。
じゃさ、何を知りたいの?え?……あぁ、さっき謁見の間にいなかった彼女なのに、なんで対決の時間に間に合ったのかを知りたいのか。
答えは簡単だよ。
ミランダさんは、僕達と一緒に城に来ていてたんだ。で、僕達が、王とその他の人達と話してる間、ミランダさんはずっと義理の妹っていう人と話してた。
だから、謁見後直ぐに、彼女に対決の話が出来たってわけ。
因みに、さっきルードリッヒさんが王に言ってた必殺文句らしい言葉を、ルードリッヒさんがミランダさんに言ったらしいんだ(僕には聞こえなかったけどね)。
で、その文句が効いたのか?ミランダさんは即答で、聖女対決を受ける事にしたんだ。
う~ん。でもさ……、そんな簡単で良いのかなぁ。
大体、対決なんてしなくたって、愛子なんかミランダさんの足元にも及ばないくらいダメダメなのにな……。
「……ぞむく…ん。のぞむ君?大丈夫ですの?何処かお身体に悪い所がおありですの?」
「え?あ……は、はい。大丈夫ですよ。」
「そうですか?でしたら宜しいのですが……。」
「えぇ。頗る元気です。問題有りません。あるとすれば、相田の方かもしれませんね。」
「え?勇者様がでしょうか?……拝見したところ、特にお体に異常はなさそうなのですが……。」
「う~ん……。問題というのは相田の身体ではなく、この対決内容に於いて……になりますね。」
「え?対決内容に問題有り!ですの?」
「えぇ。だって……考えてみて下さい、ミランダさん。いくら相田が魔力持ちとはいえ、武器は剣。僕の武器は、ある程度離れていても相手に致命傷を与える事が出来る銃なんです。なんなら、ここからだって、一歩も動かず相田の心臓でも頭でも撃ち抜く事が出来るんです。しかも、相田の魔法が此処に届くよりも早く。」
「あぁ、そうでしたわね。勇者様は、のぞむ君の銃の怖さをお分かりなのでしょうか?」
「僕達が住んでいた国は、一部の職業の人達以外は、銃を所持する事が禁止されている国なんです。ただ……他の国では、銃を持つことが許可されている国もあるんですが、銃により罪なき人が亡くなってしまうという事件を、相田も聞いた事があって分かってる筈なんですよ(本当はテレビって言いたいんだけど、余計に混乱させるから、言わない方がいいよな)。なのに、相田は……自分の方が早く致命傷を負わされてしまうかもしれないってのに、剣で戦うって聞かなくて……。そんな内容の対決で僕が勝っても、少しも嬉しくないっていうか……。」
「そうでしたか。のぞむ君は、この対決が、"対等ではない”そう仰りたいのですわね?」
「はい……。」
そう言って黙り込む僕に、ミランダさんは、
「それでしたら私に妙案がございますわ。」
そう言ってミランダさんは、僕の耳元で、ある作戦を囁いたんだ。
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