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第九章 王との謁見(僕は勇者ではない)
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「くっそ寒いじゃねぇか!」
「寒すぎますね、此処は。」
「僕~、凍っちゃうよ~。」
俺たちは今、標高4000mの雪山を登っている。
何故こんな事をしているのかだって?
てか、寒いんだから余計な質問して来んじゃねぇ!とキレたところでどうにもならねぇから答えてやんよ。
俺達はあの日
渡瀬からこう言われたんだ。
『どうしても封印に同行したいなら、僕からの試験に合格するのが条件だよ。』ってな。
で、俺達はその試験とやらを受ける為に雪山を登山なうなわけ。
分かったらもう話させるな!
は?まだ聞きたいって?
んなの渡瀬に聞けって!
「ねえ。勇は、誰と話てんの?てか、なんでこんなに寒いわけ?後ろの渡瀬達はちゃんと防寒してるのにさ~。」
「そんなの賢に言えよ!」
「俺にですか?」
「あぁそうだ。そもそも渡瀬に出された宿題をやったの、お前だろ?」
「勇と昴が俺に押し付けたからじゃないですか!」
「押し付けてねぇ!」
「僕も~。頼んだだけだもん。」
とブーブー文句を言い合い、調査不足を怠った責任を擦り付け合う俺達。
そう。渡瀬は、この雪山登山について、俺達に宿題を出したんだ。
その宿題とは、
『封印に必要不可欠な魔石を取りに行くが、その魔石をドロップする魔獣について調査し、その情報を頭の中に叩き込み、準備しておく事。魔獣の名前は"クリスタルドラゴン”
尚、現地に到着し戦って、ドロップした魔石を回収するまでが試験とする。また、戦いの際、魔法師の治癒魔法以外の助けを受けた場合は、不合格とする。』
だった。
だから俺達は、クリスタルドラゴンについて調べた。
どんな攻撃をしてくるのか?
大きさは?強さは?弱点は?
単体攻撃か?それとも複数か?
魔石のドロップ率は?等々。
だがまさか、クリスタルドラゴンの住処が、この標高4000mもある極寒の雪山の頂上だとは思ってもみなかった俺達は、この寒さに耐えられる装備をしてこなかったんだ。
おかしいとは思った。気付くべきだった。
何故なら、待ち合わせ場所に現れた渡瀬達三人と魔導士らしい男一人の服装は、全員極寒仕様だったからだ。
逆に、全く対策をしていない俺達を見た渡瀬が、
「大丈夫なの?それで。」
と不思議そうな顔をしてそう言った時に。
標高が上がっているのだろう。どんどん寒くなっている。
ヤバい!このままだと、低体温症になるかもしれない。
最悪凍死とか……。
そんな考えが頭をよぎった時、
「相田君達。ここで休憩しようよ。」
と、渡瀬が声をかけてきた。
俺達がその声に振り向くと、渡瀬は、ウエストポーチの中から、でっかいテントを出す所だった。
「寒すぎますね、此処は。」
「僕~、凍っちゃうよ~。」
俺たちは今、標高4000mの雪山を登っている。
何故こんな事をしているのかだって?
てか、寒いんだから余計な質問して来んじゃねぇ!とキレたところでどうにもならねぇから答えてやんよ。
俺達はあの日
渡瀬からこう言われたんだ。
『どうしても封印に同行したいなら、僕からの試験に合格するのが条件だよ。』ってな。
で、俺達はその試験とやらを受ける為に雪山を登山なうなわけ。
分かったらもう話させるな!
は?まだ聞きたいって?
んなの渡瀬に聞けって!
「ねえ。勇は、誰と話てんの?てか、なんでこんなに寒いわけ?後ろの渡瀬達はちゃんと防寒してるのにさ~。」
「そんなの賢に言えよ!」
「俺にですか?」
「あぁそうだ。そもそも渡瀬に出された宿題をやったの、お前だろ?」
「勇と昴が俺に押し付けたからじゃないですか!」
「押し付けてねぇ!」
「僕も~。頼んだだけだもん。」
とブーブー文句を言い合い、調査不足を怠った責任を擦り付け合う俺達。
そう。渡瀬は、この雪山登山について、俺達に宿題を出したんだ。
その宿題とは、
『封印に必要不可欠な魔石を取りに行くが、その魔石をドロップする魔獣について調査し、その情報を頭の中に叩き込み、準備しておく事。魔獣の名前は"クリスタルドラゴン”
尚、現地に到着し戦って、ドロップした魔石を回収するまでが試験とする。また、戦いの際、魔法師の治癒魔法以外の助けを受けた場合は、不合格とする。』
だった。
だから俺達は、クリスタルドラゴンについて調べた。
どんな攻撃をしてくるのか?
大きさは?強さは?弱点は?
単体攻撃か?それとも複数か?
魔石のドロップ率は?等々。
だがまさか、クリスタルドラゴンの住処が、この標高4000mもある極寒の雪山の頂上だとは思ってもみなかった俺達は、この寒さに耐えられる装備をしてこなかったんだ。
おかしいとは思った。気付くべきだった。
何故なら、待ち合わせ場所に現れた渡瀬達三人と魔導士らしい男一人の服装は、全員極寒仕様だったからだ。
逆に、全く対策をしていない俺達を見た渡瀬が、
「大丈夫なの?それで。」
と不思議そうな顔をしてそう言った時に。
標高が上がっているのだろう。どんどん寒くなっている。
ヤバい!このままだと、低体温症になるかもしれない。
最悪凍死とか……。
そんな考えが頭をよぎった時、
「相田君達。ここで休憩しようよ。」
と、渡瀬が声をかけてきた。
俺達がその声に振り向くと、渡瀬は、ウエストポーチの中から、でっかいテントを出す所だった。
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