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第九章 王との謁見(僕は勇者ではない)
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「んじゃこれからの事を説明するね。っとその前に、僕が出した宿題の答えを聞かせてくれる?田代君」
とすっかりイケメンになりやがった渡瀬にそう聞かれ、賢が答えた。
「クリスタルドラゴンのHPは15000。属性は氷。よって攻撃も氷系のブレス攻撃をしてくる。また前足の鋭い爪と強靭な尾による攻撃。それからクリスタルドラゴンは翼竜の為、飛ぶ事が出来る。だから上空からの身体を使った物理攻撃にも気をつけなければならない。こんなところでしょうか。」
「そうだね、流石田代君。あの短期間でここまで調べられたのは凄いと思う。しかも調べた内容をメモも見ずに言えるとは。」
と褒める渡瀬の言葉に、
「ふん!」
と鼻を鳴らす賢はドヤ顔だ。
だが渡瀬は、そんな賢の態度をスルーし、
「で?戦い方はどうするの?どう攻略するのか決めたの?」
とすました顔で聞いてきた。
「*¹とりまブレスには俺のファイヤー攻撃が効くよな。」
「そうだね。相田君の火属性の攻撃は氷属性のドラゴンの攻撃に有効だね。ところでさ、ドラゴンのブレスの威力ってどれくらいか知ってる?」
と渡瀬から聞かれ、俺達は首を傾げた。
「え?威力ですか?」
「そう」
「し、知りません……」
と答えた賢に
「なんだ?それを知らずに戦うつもりだったのか?お前達、ドラゴンに殺されたいのか?」
とクッキーモンスターが呆れた顔でそう言った。
思わずムッとした俺に、
「カールソンさんの言うとおりだよ。敵の弱点や攻撃パターン、それから攻撃力を知っとかないと、この世界はガチの現実でモンスターを相手にするゲームの世界じゃない。だからモンスターの上とかに、自分が与えたポイントとか自分が受けたポイントが出るわけじゃないんだ。」
と渡瀬はあくまでも冷静にそう言った。
「でもさ~、渡瀬は鑑定も出来るんでしょ?だった魔獣のステータスとかだって「見えないよ?」え?見えないの?」
「見えるわけないよ。僕のスキルはあくまでも武器を含めた物にしか発動しないんだ。だって僕は魔力無し平民の鑑定士だからね。」
そんなの当たり前だろ?と言わんばかりに渡瀬は、美味そうに紅茶を啜った。
「クリスタルドラゴンのブレスは、液体窒素並みにブレスを浴びた物(者)を瞬間冷凍出来る。」
と紅茶のカップに落としていた視線を俺達に向けて渡瀬はそう言った。
「液体窒素並み!?」(俺)
「液体窒素って確か…」(昴)
「マイナス195°Cでしたね」(賢)
「マイナス195!?は?そんなの食らったら即、死ぬじゃん!!」(昴)
「だから死ぬって言っただろうが~!」
とクッキーモンスターが鼓膜が破れそうな程の大声で怒鳴ったもんだから、
「煩いよ、カールソン」
と、男の俺でさえ震え上がりそうな綺麗な笑顔でそう言ったイケメン貴族に窘められていた。
「も、申し訳ございません。ルードリッヒ様。」
とクッキーモンスターは項垂れ、明らかに大きな身体を縮こませている。そんな男達のやり取りを苦笑いで見ている魔道士の男と、クッキーモンスターを慰めクッキーと紅茶を勧める渡瀬。
そんな渡瀬に、俺はまだ領域封印に参加させて貰えるかの試験を受けさせて貰えた事や、準備不足だった俺達にこの防寒着をくれた事への礼もしていない事に気がついた。
「わ、渡瀬」
「ん?何?相田君」
「そ、その……なんだ。色々…ありがとな。」
「え?何いきなり。ちょっと怖いんだけど……」
と言って狭いテントの中なのに俺から遠ざかろうとする渡瀬に、俺は姿勢を正して頭を下げた。
そんな俺に、渡瀬だけじゃなく賢や昴まで固まってたのは、後から知った事実。
だが俺は、元の世界であれ程渡瀬を袋にしたにも関わらず、俺達にここまでしてくれた事に感謝をしたかったんだ。
~勇者 勇side 終~
とすっかりイケメンになりやがった渡瀬にそう聞かれ、賢が答えた。
「クリスタルドラゴンのHPは15000。属性は氷。よって攻撃も氷系のブレス攻撃をしてくる。また前足の鋭い爪と強靭な尾による攻撃。それからクリスタルドラゴンは翼竜の為、飛ぶ事が出来る。だから上空からの身体を使った物理攻撃にも気をつけなければならない。こんなところでしょうか。」
「そうだね、流石田代君。あの短期間でここまで調べられたのは凄いと思う。しかも調べた内容をメモも見ずに言えるとは。」
と褒める渡瀬の言葉に、
「ふん!」
と鼻を鳴らす賢はドヤ顔だ。
だが渡瀬は、そんな賢の態度をスルーし、
「で?戦い方はどうするの?どう攻略するのか決めたの?」
とすました顔で聞いてきた。
「*¹とりまブレスには俺のファイヤー攻撃が効くよな。」
「そうだね。相田君の火属性の攻撃は氷属性のドラゴンの攻撃に有効だね。ところでさ、ドラゴンのブレスの威力ってどれくらいか知ってる?」
と渡瀬から聞かれ、俺達は首を傾げた。
「え?威力ですか?」
「そう」
「し、知りません……」
と答えた賢に
「なんだ?それを知らずに戦うつもりだったのか?お前達、ドラゴンに殺されたいのか?」
とクッキーモンスターが呆れた顔でそう言った。
思わずムッとした俺に、
「カールソンさんの言うとおりだよ。敵の弱点や攻撃パターン、それから攻撃力を知っとかないと、この世界はガチの現実でモンスターを相手にするゲームの世界じゃない。だからモンスターの上とかに、自分が与えたポイントとか自分が受けたポイントが出るわけじゃないんだ。」
と渡瀬はあくまでも冷静にそう言った。
「でもさ~、渡瀬は鑑定も出来るんでしょ?だった魔獣のステータスとかだって「見えないよ?」え?見えないの?」
「見えるわけないよ。僕のスキルはあくまでも武器を含めた物にしか発動しないんだ。だって僕は魔力無し平民の鑑定士だからね。」
そんなの当たり前だろ?と言わんばかりに渡瀬は、美味そうに紅茶を啜った。
「クリスタルドラゴンのブレスは、液体窒素並みにブレスを浴びた物(者)を瞬間冷凍出来る。」
と紅茶のカップに落としていた視線を俺達に向けて渡瀬はそう言った。
「液体窒素並み!?」(俺)
「液体窒素って確か…」(昴)
「マイナス195°Cでしたね」(賢)
「マイナス195!?は?そんなの食らったら即、死ぬじゃん!!」(昴)
「だから死ぬって言っただろうが~!」
とクッキーモンスターが鼓膜が破れそうな程の大声で怒鳴ったもんだから、
「煩いよ、カールソン」
と、男の俺でさえ震え上がりそうな綺麗な笑顔でそう言ったイケメン貴族に窘められていた。
「も、申し訳ございません。ルードリッヒ様。」
とクッキーモンスターは項垂れ、明らかに大きな身体を縮こませている。そんな男達のやり取りを苦笑いで見ている魔道士の男と、クッキーモンスターを慰めクッキーと紅茶を勧める渡瀬。
そんな渡瀬に、俺はまだ領域封印に参加させて貰えるかの試験を受けさせて貰えた事や、準備不足だった俺達にこの防寒着をくれた事への礼もしていない事に気がついた。
「わ、渡瀬」
「ん?何?相田君」
「そ、その……なんだ。色々…ありがとな。」
「え?何いきなり。ちょっと怖いんだけど……」
と言って狭いテントの中なのに俺から遠ざかろうとする渡瀬に、俺は姿勢を正して頭を下げた。
そんな俺に、渡瀬だけじゃなく賢や昴まで固まってたのは、後から知った事実。
だが俺は、元の世界であれ程渡瀬を袋にしたにも関わらず、俺達にここまでしてくれた事に感謝をしたかったんだ。
~勇者 勇side 終~
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