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第十章 領域封印(クリスタルドラゴン討伐)
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俺達の攻撃を受け、苦しそうにのたうちまわってるクリスタルドラゴンにとどめを刺すために、剣を構えた俺は単身ドラゴンに突っ込んで行った。
渡瀬の情報だと、ドラゴンの急所は"喉笛”なんだそうだ。
喉笛って聞いても、実際喉笛が、喉のどの辺の事かなんて俺には見当もつかない。が、ドラゴンの喉だって思うところ全部を縦に一直線に切ればどうにかなるだろ。
ドラゴンに近づいてはみたのだが、苦しそうに、地面をのたうち回るヤツには全く付け入る隙がなく、近づく事さえままならなかった。
「クソッ!どうすりゃいいってんだよ!」
近づく方法が見つからずイラつく俺の背後で、
「勇!俺と昴でドラゴンの動きを止めてみます。」
「だから勇。どっちかに避けといてくれる~?」
と叫ぶ賢と昴。
きっと2人で考えた攻撃の動線に俺がいるから避けろって事だな。
「分かった!頼むぞ、賢 昴!」
「任せて下さい!」
「オッケー」
2人の頼もしい声が後ろから聞こえ、俺はその場から左へ3mくらい移動した。
すると、すざましい風が吹き抜けたかと思ったら、ドラゴンの上に大量の雨、いや集中豪雨と言えそうな水が降り注ぎ、あっという間に、ドラゴンの胸から下が凍り付いたんだ。
「す!すげぇ!すげぇぞ賢 昴!!」
と言って俺は2人を振り返る。とそこには、その場に座り込んで動けない2人がいた。
「ど、どうした!?大丈夫か?」
と2人に駆け寄ろうとするが、
「俺達に構わず、早くドラゴンを!」(賢)
「ちょっとパワー出しすぎだっただけ~。勇~、あと頼むね~。渡瀬~ポーションまだある~?」(昴)
どうやら2人は、今の攻撃でMPを使い果たしてしまったらしい。
俺は2人が心配だったが、アイツらの攻撃を無駄にするわけにはいかないと、再び剣を持ち直し、ドラゴンの前に立った。
ドラゴンは、賢達の魔法で氷漬けになったまま、何が起こったのか分からないといった様に目をむいて固まっていた。
「身動きが取れねぇだろ?それは俺達人間様の頭の方がいいって事だ!」
と言いながら、俺は剣を地面と水平に持ち替え、ドラゴンの首を真一文字に切り裂いたんだ。
断末魔の叫びを轟かせたクリスタルドラゴンは、静かに目を閉じた。
やり終えたという満足感から、相田君はその場に座り込む。
おいおい!何やってんの?!
早くドラゴンから魔石を取り出してくれって。
僕は相田に向かって叫んだ。
「相田君!早く!早くドラゴンから魔石を回収して!」
だが放心状態の彼は、全く動こうとしない。
僕は思わず、
「ったく。使えねぇ勇者だな!」
と言って魔銃を持って走り出したんだ。
渡瀬の情報だと、ドラゴンの急所は"喉笛”なんだそうだ。
喉笛って聞いても、実際喉笛が、喉のどの辺の事かなんて俺には見当もつかない。が、ドラゴンの喉だって思うところ全部を縦に一直線に切ればどうにかなるだろ。
ドラゴンに近づいてはみたのだが、苦しそうに、地面をのたうち回るヤツには全く付け入る隙がなく、近づく事さえままならなかった。
「クソッ!どうすりゃいいってんだよ!」
近づく方法が見つからずイラつく俺の背後で、
「勇!俺と昴でドラゴンの動きを止めてみます。」
「だから勇。どっちかに避けといてくれる~?」
と叫ぶ賢と昴。
きっと2人で考えた攻撃の動線に俺がいるから避けろって事だな。
「分かった!頼むぞ、賢 昴!」
「任せて下さい!」
「オッケー」
2人の頼もしい声が後ろから聞こえ、俺はその場から左へ3mくらい移動した。
すると、すざましい風が吹き抜けたかと思ったら、ドラゴンの上に大量の雨、いや集中豪雨と言えそうな水が降り注ぎ、あっという間に、ドラゴンの胸から下が凍り付いたんだ。
「す!すげぇ!すげぇぞ賢 昴!!」
と言って俺は2人を振り返る。とそこには、その場に座り込んで動けない2人がいた。
「ど、どうした!?大丈夫か?」
と2人に駆け寄ろうとするが、
「俺達に構わず、早くドラゴンを!」(賢)
「ちょっとパワー出しすぎだっただけ~。勇~、あと頼むね~。渡瀬~ポーションまだある~?」(昴)
どうやら2人は、今の攻撃でMPを使い果たしてしまったらしい。
俺は2人が心配だったが、アイツらの攻撃を無駄にするわけにはいかないと、再び剣を持ち直し、ドラゴンの前に立った。
ドラゴンは、賢達の魔法で氷漬けになったまま、何が起こったのか分からないといった様に目をむいて固まっていた。
「身動きが取れねぇだろ?それは俺達人間様の頭の方がいいって事だ!」
と言いながら、俺は剣を地面と水平に持ち替え、ドラゴンの首を真一文字に切り裂いたんだ。
断末魔の叫びを轟かせたクリスタルドラゴンは、静かに目を閉じた。
やり終えたという満足感から、相田君はその場に座り込む。
おいおい!何やってんの?!
早くドラゴンから魔石を取り出してくれって。
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「相田君!早く!早くドラゴンから魔石を回収して!」
だが放心状態の彼は、全く動こうとしない。
僕は思わず、
「ったく。使えねぇ勇者だな!」
と言って魔銃を持って走り出したんだ。
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